2月10日。滋賀県湖南市の北島酒造を出て、京都で近鉄に乗り換えて近鉄奈良駅へ。
1番出口を上がって、何度も訪問している新奈さんの前を通り過ぎて、若草山のふもとにあるというレンタルスペースまで、15分弱歩きます。
本当にこっちで良かったのかと、不安になり始めた頃に到着。
普通の民家ばかりの並びに、一目で別格とわかるおしゃれな建物の1階が、キッチン付きのレンタルスペースになっていて、そこでお酒の会が15時から開催されます。
日本酒ワゴンのしょうこさんが勤めている、枚方の灯花さんが出張日本酒の会を始めて、今回で4回目。
仕事でなかなか都合が合わず、奈良までは距離感を感じていたのであきらめていたのですが、今回ようやく参加できました。
キッチン前のカウンターには、お酒がずらりと並んでいます。
冷酒向きなお酒は、氷水で冷やされています。
常温で置かれているのは、お燗向きなのが多そうです。
席に着くと、テーブルには灯花さんの酒肴詰めが。見ているだけでお酒が飲みたくなります。
定刻になって、お酒の会がスタート。はじめは、しょうこさんが選んだお酒を順次いただきます。
今回は石川県や富山県など北陸の銘柄が多いとのこと。
林 純米吟醸は、富山県のお酒。初めて飲むかも。
スタートにふさわしい、万人受けしそうな味わいです。
もちろん、待ちかねた酒肴も遠慮なくいただきます。
冬から春へと季節の移ろいを感じる野菜や山菜もあります。
すき間なく詰められていて、裏側からしか見えない煮蛸もあり。
さらに今回は、特製粕汁も。おかわり自由との言葉に、参加者一同湧きたちます。
旅館の小鍋のように、固形燃料で温められているので、煮詰まらないかずっと気になっていました。
店主の村本さんから、酒肴の氷見鰤は冷えているので、粕汁に浸けて温めるのもアリと聞き、さっそく実践しました。
でも塩気が抜けて、ちょっともったいなかったかも・・・。
富山は五個荘のお酒、三笑楽。以前お店に蔵元も来られたし、村本さんも蔵へ行かれた、お店とのつながりが深いお酒です。
蔵出し生原酒は、普通酒(醸造アルコールを多く添加した経済酒)の原酒なのですが、強い甘味が特徴でわかりやすい味わいのため、人気が高かったです。
私はむしろ、2割加水してガンガンに温度を上げて甘さを切った方が好みですけど。
加賀ノ月は、石川県のお酒。大阪では取り扱いが少なく、なかなかお目にかかれない銘柄です。
山廃純米吟醸酒は、火入れ熟成されていて常温では好みが分かれる味わいです。三笑楽生原酒のあとでは、特にそう感じる方が多かったようです。
私は日頃こういうタイプのお酒をよく飲むので、絶対熱燗にした方が旨いとわかっていて、しょうこさんがお燗を注いでくれるのを待ちました。
そのあとは、各自好きなお酒をキャッシュオンでいただきました。
私は、都美人の山廃純米酒を熱燗で。しょうこさんから「これは絶対加水した方がいいですよね?」と言われて、思い切って2割加水の熱燗にしてもらいましたが、これがスイスイ飲める軽快な味になって大当たりでした。
次は三笑楽の山廃純米酒を、加水せず熱燗で。何度も飲んだことあるお酒なので、安定の味でした。
最後に、冷酒用のソガ・ペールエフィスをそのまま注いでもらって、持参していたマイ錫ちろりを使ってセルフ燗で飛び切り燗にします。
希少なお酒ということを参加された方々に説明したら、皆さん味わってましたが、これを飛び切り燗にするのは私だけ。
しょうこさんにも少し味わってもらい、二人でほくそえんでました。
楽しかった2時間があっと言う間に終わって、近鉄奈良駅へ。
17時を過ぎていたので、ちょこっと新奈さんをのぞいて(もちろんこの日も満席だったので挨拶だけ)、すぐに帰路につきました。