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Awareness

「気づき」がすべて。

Be here now.

「今、ここに」を日々是実践。

「事件は私たちの生まれるちょうど3年前に起こったのね。Hくんからもらったものと同じ記事だわ、これ。でも、よく見て、Hくんにもらったものよりちょっと長くない?」
「ほんとだ。ちょっと待って。」
吉崎はそう言うと、報告書の一番裏のページに貼付けてあった切り抜き記事を取り出してみた。
「Hくんにこれを渡した、とっちゃんのじいさんっていう人は、見出しの箇所とその要点を説明した部分だけ切り取ったのね。」

そのとき、高平が、
「あっ」
と声を上げた。
「ねえねえ、ここ読んでみて。この箇所よ。」
吉崎が高平の指差す箇所に目を向けると、そこには、次のような内容が書かれてあった。

…当夜、××君はキャンプ地から肝試しのお化け役で新池の周辺に一人で隠れていることになっていた。道順は新池の回りを通って…を迂回して、もとの場所まで戻ることになっていた。 ××君を除く友人5人は一人ずつそれを実行する際に中間地点の新池のある場所に、中学校の美術の時間に作ったオルゴールを置いてくることにして、…

「そっか。これでオルゴールの出どこが分かったわね。」
「そうそう。でも、私、その、ある地点、ってところがどうも気になるのよ。その地点ってもしかしたら私分かるような気がするの。」
高平がそう言うと、吉崎は、内心少し不審に思ったが、高平の父親の件のことと関係があるのだろうと思って、そのことはだまっていた。
「でも、何で今頃になってオルゴールが出てきたんだろう。」
「警察のことだから陸上の捜査は完璧なはずよ。」
「じゃあ、湖に沈んでたってわけ?」
「ほら、オルゴールの中に藻のようなものがこびりついてたって言ってたじゃない。」
「あっ、そうか。オルゴールがその後10年以上経過して、湖底から浮き上がって、砂地に打ち上げられたってわけね。」
「そうね。多分、雨で増水した後、また水位が下がったとき、そのまま砂地の上に取り残されたって感じじゃない?」
「高平さんってすごい。推理小説の探偵みたい。」