こんにちは!
京都ペレット町家ヒノコのスタッフNです。
7月に入り、商店街では祇園祭のお囃子「コンチキチン」がBGM?に流れる季節となりました。
今日の七夕は一日を通して晴れ予報。
彦星さんと織姫さんは無事会うことができそうですね。
さて、梅雨らしい天気になった先日、ヒノコで販売している「京都ペレット」のメーカー、森の力京都株式会社さんへ工場見学に行ってきました!
ヒノコのスタッフになってから早4年弱。実は、まだ一度も工場見学に行ったことが無かったのです。
森の力京都さんの工場は、京都市右京区京北町にあります。
右京区とはいっても市街地ではなく、宇多野から高雄を通り、京北周山町へ。途中の山は北山杉の産地。密植して育てるのが北山杉の特徴で、独特の美林景観。川端康成の有名な作品「古都」に登場することでもよく知られています。
(私は運転を人に任せ、ちゃっかり助手席で景色を満喫していました(笑))
京都市内から車で約1時間で到着です。
工場につくと、ペレットシーズンに毎週納品に来てくださる方が案内をしてくださりました。
まずは、いったん工場の駐車場に車を置いて、(特別に)材木運搬用のトラックに乗せてもらい、ペレットの原料になる木材の破砕現場へ。
写真右側の白いトラックの後ろにあるのが破砕機。
ここに適当な長さに伐った丸太を投入していきます。
破砕機は超巨大なフードプロセッサーのようなもので、丸太をチップ状に細かくしていく機械です。黄色の円筒部分が回ることで、破砕されていきます。この時点では、約50mm太さのチップに。
破砕されたチップは、コンベアーでトラックの荷台に積んでいき、いっぱいになればいざ工場へ。
運ばれたチップを工場の敷地内に一旦保管して、ある程度自然に水分を蒸発させます。
この日は雨が降ったりやんだりで湿度も高く、チップもかなり湿気を含んでいるようす。
こちらは、ペレット生産に使用するボイラーの燃料用木材。製材所や材木屋さんから出る、様々な端材などを使用しているそうです。
そして、フォークリフトを使ってチップを2回目の破砕機へ。ここで約15mm太さにします。
そして、2回目の破砕の次は、熱で水分を飛ばす工程へ。
ここでもフォークリフトを使って、乾燥機にチップを入れていきます。
チップ投入!細かい木の粉が舞い上がります。
この日は湿度が高かったため、比較的ゆっくりペースの投入だったそうですが、乾燥している日や、そもそも原料の木の含水率(木材に含む水分の割合)が低い場合は、もっと早いペースで投入するそうです。というのも、含まれる水分量が少なければ当然乾燥するのも早いので、ボイラーが空焚き状態になって燃料がもったいないから。
写真を撮るのを忘れてしまいましたが…投入されたチップは長い円筒状の乾燥機の中を攪拌されながら運ばれ、ボイラーの熱を利用して、最終的な含水率が10%前後になるように調整。
ここまで含水率を下げることで、ペレットの燃焼効率はとても良くなるのです。(ちなみに、伐ったばかりの杉の含水率は100%を超えていることも!)
湿りすぎていれば、燃料として不良になり、乾燥しすぎればペレットの形に固まらないので、その日その日の湿度やチップの状態を見極めながら、細かく温度調整をしているそう。
機械任せの作業かと思いきや、なんのなんの。きめ細やかなチェックと調整が必要でした。
そして、乾燥を終えたチップは成型段階へ。
ある程度チップの量がまとまれば、造粒機に送り込んで、高温高圧でペレット型に成型していきます。
この工程は機械の中なので、直接見ることはできないのですが、大きな糸巻きを平べったくしたような形の成型機に穴がたくさん開いていて、中から外へところてんを作るような感じでペレットが押し出されてくるとのこと。
出来上がったペレットはコンベアーに乗って出てきます。
出来立てのペレットはホカホカ(というよりアツアツ)。
このペレットを保管袋に詰めていくのですが、熱いペレットはもろく崩れやすいため、袋の中にホースを入れて風を送り、なるべく早く冷ましてようやく完成!
以上がペレットの製造過程でした!
工場に伺った7月初旬は、ペレットストーブシーズンではないため、冬場のストーブシーズンに向けて在庫を作りためているところ。
工場の生産能力としては、1日に7tほど生産したいところとのことですが、梅雨時は1日4tしか生産できない日もあるそうです。
相手にしているのが、やはり木材というだけあって、なかなか計算通りに進むものではなく、やはりその日の天気や原料の具合と相談しながらの製造。
需要と供給のバランスをもっと良くするのは、まだ課題の一つのようです。
こちらはペレットの保管倉庫。保管袋1袋に500㎏のペレットが入るそうです。冬場に向けて、この倉庫ももう一つの倉庫も満杯状態に。
原料の確保から始まって、たくさんの工程を経て出来上がるペレット。より気軽に森のエネルギーを生活に取り入れることができる燃料ですが、製造面のコストはまだまだ高く、課題も多いのが現状です。(例を挙げれば…ペレット製造機の部品はモノによっては1年足らずで交換が必要。その部品代が1個100万円するものも‼)
この20年ほどの間に倒産したペレット工場も、全国で数多くあり、厳しい業界であるのも事実。
そんな中、森の力京都さんは山の木を適切に利用して循環させ、先人たちが大切に守り続けてきた山の保全、水源の保全、環境の保全につなげることを目指して経営されています。
まだまだ日本では知名度の低い木質ペレットですが、適切に需要と供給がされるようになれば、可能性がいっぱいある気の利用法の一つなのです。
ペレット使ってみたいなーと思った方、ストーブ・ボイラーの燃料以外にも、園芸用マルチ、ネコ砂としても使えます。
原料には木以外使っていないので、こういった用途にも安心です。
家に設置するペレットストーブ以外にも、アウトドアで使えるペレットストーブやピザ窯なんかもあるので、ご興味のある方は、ぜひヒノコまでご相談ください!
ヒノコでは、ペレットの量り売りもしているので、少量から試してみたい方もお気軽にどうぞ。