ヒノコ日記

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20Jul
- 生態系のお話　その１
  こんにちは！京都ペレット町家ヒノコのスタッフNです。各地で梅雨明けのお便りが届く中、近畿地方も今日か明日には梅雨明けが発表されそうな模様。とはいえ、数日前から夏本番を迎えている京都です。さてさて、今回はちょっと真面目なお話。最近よく聞く「生態系」のことを書いてみようと思います。「生態系」という言葉、ここ10年ほどの間にとても身近な言葉になった感じはしますが、そもそも何ぞや？生態系の定義は、「ある場所に生息する生物すべてと、それらを取り巻く非物質的環境によって構成される系（＝システム）」といったところでしょうか。はい、なんのこっちゃ？？ですよね（笑）一つ一つ言葉を解説すると・・・。①ある場所　　…森林、海、河川、池、湖、草原、畑地、田んぼetc.「ある場所」はその生態系をどの程度の大きさで見るか、で変わってきます。逆に言うと、そこに生物がいれば、たとえ小さな水たまりであったとしても、そこに一つの生態系が成り立っている、と考えることができます。②生物すべて　　…読んで字のごとく、「ある場所」に生息するすべての生物のこと。ある場所が森林であれば、樹木などの植物、鳥、昆虫、哺乳類、土壌の小さな生き物たち、微生物…etc.海であれば、海藻などの植物、海洋哺乳類、魚類、海鳥、プランクトン…etc.③非生物的環境　　…「ある場所」の環境を構成するすべての要素のことです。気候条件、大気に含まれる様々な物質（酸素、窒素、二酸化炭素…）、水、太陽光、土壌、土壌に含まれる様々な物質…などなど。④構成される系　　…系は「システム」のこと。生物間、あるいは生物と環境の間では、常に物質が循環していて、太陽エネルギーがさまざまな形に変換されながら、生物間を流れていきます。生物が生活していることで、ある場所を取り巻く非生物的環境とは、必ず何らかの関わり（光合成、呼吸…など）が生まれます。その関りによって、ある場所の中での物質の循環とエネルギーの流れの「系＝システム」が生まれます。なので、ある場所を「森林」としたとき、その生態系というのは、「森林にすむすべての生物（＝植物、動物、微生物など）とそれらを取り巻く、降水、日照、気温、土壌の状態などの非生物的環境によって構成される物質の循環とエネルギーの流れの系のこと」となります。じゃあ、物質の循環とは？？森林での模式図が↓になります。ちっちゃくてわかりにくいですが…。まずは水。降った雨は、樹木の葉に遮られながら、地表へと着地。地面に浸み込んだ雨は地下水となって地中を流れていきます。その水の一部は植物が根っこから吸い上げて、光合成に利用。さらにその吸い上げた水の一部は「蒸散」という働きによって、空気中に水蒸気として発散されます。また、地中に浸みこまなかった雨水は、地表を流れたり、樹木の葉についてそのまま蒸発したりします。地表を流れたり、地中を流れたりする水はやがて河へ、河から海へ。海の水、河川の水、森林から蒸発する水…水は様々な形をとりながら、再び雲をつくり、雨や雪になって地表に戻ってきます。次に二酸化炭素と酸素。植物は大気中から二酸化炭素を吸収し、光合成をおこなって、酸素を大気に放出します。その酸素を動物が呼吸することによって吸い込み、二酸化炭素を吐き出し、そしてまた植物が吸い込み…という循環。（※植物も、夜間など日照量が少ない時は呼吸を行います。）と、細かく説明しだすとキリがないので、わかりやすい例を挙げてみました。このように一つの生態系の中では、様々な物質がさまざまな形で循環しているというわけです。そして、生産者、消費者、分解者（理科で習いましたよね？？小学校高学年くらいの時かな？）によって確立する「食物連鎖」も物質循環系の一つ。次回は食物連鎖のお話から始めようと思います！！
07Jul
- ペレット工場の見学に行ってきました！
  こんにちは！京都ペレット町家ヒノコのスタッフNです。７月に入り、商店街では祇園祭のお囃子「コンチキチン」がBGM？に流れる季節となりました。今日の七夕は一日を通して晴れ予報。彦星さんと織姫さんは無事会うことができそうですね。さて、梅雨らしい天気になった先日、ヒノコで販売している「京都ペレット」のメーカー、森の力京都株式会社さんへ工場見学に行ってきました！ヒノコのスタッフになってから早４年弱。実は、まだ一度も工場見学に行ったことが無かったのです。森の力京都さんの工場は、京都市右京区京北町にあります。右京区とはいっても市街地ではなく、宇多野から高雄を通り、京北周山町へ。途中の山は北山杉の産地。密植して育てるのが北山杉の特徴で、独特の美林景観。川端康成の有名な作品「古都」に登場することでもよく知られています。（私は運転を人に任せ、ちゃっかり助手席で景色を満喫していました（笑））京都市内から車で約１時間で到着です。工場につくと、ペレットシーズンに毎週納品に来てくださる方が案内をしてくださりました。まずは、いったん工場の駐車場に車を置いて、（特別に）材木運搬用のトラックに乗せてもらい、ペレットの原料になる木材の破砕現場へ。写真右側の白いトラックの後ろにあるのが破砕機。ここに適当な長さに伐った丸太を投入していきます。破砕機は超巨大なフードプロセッサーのようなもので、丸太をチップ状に細かくしていく機械です。黄色の円筒部分が回ることで、破砕されていきます。この時点では、約50mm太さのチップに。破砕されたチップは、コンベアーでトラックの荷台に積んでいき、いっぱいになればいざ工場へ。運ばれたチップを工場の敷地内に一旦保管して、ある程度自然に水分を蒸発させます。この日は雨が降ったりやんだりで湿度も高く、チップもかなり湿気を含んでいるようす。こちらは、ペレット生産に使用するボイラーの燃料用木材。製材所や材木屋さんから出る、様々な端材などを使用しているそうです。そして、フォークリフトを使ってチップを２回目の破砕機へ。ここで約15mm太さにします。そして、2回目の破砕の次は、熱で水分を飛ばす工程へ。ここでもフォークリフトを使って、乾燥機にチップを入れていきます。チップ投入！細かい木の粉が舞い上がります。この日は湿度が高かったため、比較的ゆっくりペースの投入だったそうですが、乾燥している日や、そもそも原料の木の含水率（木材に含む水分の割合）が低い場合は、もっと早いペースで投入するそうです。というのも、含まれる水分量が少なければ当然乾燥するのも早いので、ボイラーが空焚き状態になって燃料がもったいないから。写真を撮るのを忘れてしまいましたが…投入されたチップは長い円筒状の乾燥機の中を攪拌されながら運ばれ、ボイラーの熱を利用して、最終的な含水率が10％前後になるように調整。ここまで含水率を下げることで、ペレットの燃焼効率はとても良くなるのです。（ちなみに、伐ったばかりの杉の含水率は100％を超えていることも！）湿りすぎていれば、燃料として不良になり、乾燥しすぎればペレットの形に固まらないので、その日その日の湿度やチップの状態を見極めながら、細かく温度調整をしているそう。機械任せの作業かと思いきや、なんのなんの。きめ細やかなチェックと調整が必要でした。そして、乾燥を終えたチップは成型段階へ。ある程度チップの量がまとまれば、造粒機に送り込んで、高温高圧でペレット型に成型していきます。この工程は機械の中なので、直接見ることはできないのですが、大きな糸巻きを平べったくしたような形の成型機に穴がたくさん開いていて、中から外へところてんを作るような感じでペレットが押し出されてくるとのこと。出来上がったペレットはコンベアーに乗って出てきます。出来立てのペレットはホカホカ（というよりアツアツ）。このペレットを保管袋に詰めていくのですが、熱いペレットはもろく崩れやすいため、袋の中にホースを入れて風を送り、なるべく早く冷ましてようやく完成！以上がペレットの製造過程でした！工場に伺った7月初旬は、ペレットストーブシーズンではないため、冬場のストーブシーズンに向けて在庫を作りためているところ。工場の生産能力としては、1日に7ｔほど生産したいところとのことですが、梅雨時は1日4ｔしか生産できない日もあるそうです。相手にしているのが、やはり木材というだけあって、なかなか計算通りに進むものではなく、やはりその日の天気や原料の具合と相談しながらの製造。需要と供給のバランスをもっと良くするのは、まだ課題の一つのようです。こちらはペレットの保管倉庫。保管袋1袋に500㎏のペレットが入るそうです。冬場に向けて、この倉庫ももう一つの倉庫も満杯状態に。原料の確保から始まって、たくさんの工程を経て出来上がるペレット。より気軽に森のエネルギーを生活に取り入れることができる燃料ですが、製造面のコストはまだまだ高く、課題も多いのが現状です。（例を挙げれば…ペレット製造機の部品はモノによっては1年足らずで交換が必要。その部品代が1個100万円するものも‼）この20年ほどの間に倒産したペレット工場も、全国で数多くあり、厳しい業界であるのも事実。そんな中、森の力京都さんは山の木を適切に利用して循環させ、先人たちが大切に守り続けてきた山の保全、水源の保全、環境の保全につなげることを目指して経営されています。まだまだ日本では知名度の低い木質ペレットですが、適切に需要と供給がされるようになれば、可能性がいっぱいある気の利用法の一つなのです。ペレット使ってみたいなーと思った方、ストーブ・ボイラーの燃料以外にも、園芸用マルチ、ネコ砂としても使えます。原料には木以外使っていないので、こういった用途にも安心です。家に設置するペレットストーブ以外にも、アウトドアで使えるペレットストーブやピザ窯なんかもあるので、ご興味のある方は、ぜひヒノコまでご相談ください！ヒノコでは、ペレットの量り売りもしているので、少量から試してみたい方もお気軽にどうぞ。
09Jun
- 木質バイオマス発電はエコな電力？
  こんにちは。京都ペレット町家ヒノコのスタッフNです。今年は春が全速力で過ぎていきましたが、梅雨入りは足踏みしているようですね。雨を待つように咲くアジサイが、あちこちで見頃を迎えています。さて、先日とあるオンラインセミナーを視聴しました。そこで議題の一つとなっていたのが、近年急速に増えている「木質バイオマス発電」について。ペレットを販売するヒノコの１スタッフとしては、ぜひとも聞いてみたい内容だったのです。日本でも、再生可能エネルギーの普及啓発が進むとともに、木質バイオマス発電による電気の供給量は、近年すいぶんと増えました。しかしながら、その発電のために使われている木質燃料（ペレットなど）は、ほとんどが海外からの輸入品。特にカナダブリティッシュコロンビアでつくられたペレットが大半を占めるそうです。では、ペレットの供給源となっているブリティッシュコロンビアの森は、いったいどのような森なのか。実は、非常に豊かな生物多様性を持つ貴重な原生林なのです！！生物多様性に富む豊かな森林というのは、非常に長い時間をかけて成立していきます。その森林の木がなくなる、というのはただ単に樹木が減るだけではなく、そこに住む様々な生き物や豊かな土壌、微生物…などあらゆるものが失われることを意味します。そんな貴重な原生林を、ものすごい勢いで皆伐して作られているペレットが、木質バイオマス発電に使われている現実があります。それが「エコな」「SDGSな」エネルギーと、果たして言えるでしょうか…？しかも、そのセミナーに登壇したパネリストによると、そもそも原生林をはじめとする老齢林（森林として成熟していて、生物多様性にも富み生態系バランスの取れた森）の炭素蓄積量はとても膨大なものだと話します。蓄積量だけでなく、二酸化炭素の吸収量も非常に多く、近年進む人工的な二酸化炭素の回収技術は、その森林の吸収量の足元にも及ばないとか。増えつつある木質バイオマス発電の多くが、そんな森林を伐って、燃やして、二酸化炭素を空気中に放出している、というわけです。でも、伐った後に植林をしたら、収支バランスは０になるのでは？という話も聞きますが、植えたばかりの若い森林と、老齢林ではそもそもの炭素蓄積量が全く違い、収支バランスが０になる、という単純な話ではありません。要は、植林した森に元の老齢林と同程度の機能を働かせようと思ったら、その老齢林が育つのにかかったのと同じくらいの時間がかかるわけです。つまり、日本の木質バイオマス発電を、本当にエコなエネルギーにしようと思っても、海外の輸入ペレットを使っていたのでは、石炭火力よりも二酸化炭素の排出量が多い発電方法となりかねません。それと、木質バイオマスを燃やして得られる熱エネルギーを電力に変換する発電方法は、非常に効率が悪い、ということも付け加えておきます。現代の日本は、蓄積量だけで見れば、かつてないほどに森林資源量は豊富な時代。けれども、森としての豊かさは乏しいところが多いのも現実。どんな産業においても、まずは森林資源を国内で循環させることが、非常に大事であると言えます。木質バイオマス発電が必ずしも悪いわけではないでしょうが、全体を見た時に、それが本当にエコなエネルギーとなっているのか、ちゃんと見る目を持たないといけないなあ、と痛感したセミナーでした。よく聞くメガソーラーもしかり。自然環境問題は、様々な立場・要因・見方・考え方・利益・不利益などが複雑に絡み合っています。単純に正解も不正解も導き出せないし、すべての面から見た時の正解・不正解も無いでしょうが、少なくとも一面的な見方だけでは見えていないものがあまりにも多すぎると感じました。あ、ちなみにヒノコで販売しているペレットは、京都産の木１００％ですので、そのあたりはご心配なく。
18May
- 新商品情報
  こんにちは。京都ペレット町家ヒノコのスタッフNです。今日の京都市の予想最高気温は30度。暑いのが苦手な私は、そろそろ若干憂鬱な季節ではありますが・・・。あと1ヶ月もしないうちに梅雨の季節。今のうちに、お日様チャージをして、目いっぱい新緑を楽しみたいと思います。さて、おすすめの新商品入荷のお知らせです！京都・山科にて工房をかまえる、「柴田漆工房」の二代目、柴田明さんが立ち上げたブランド「erakko」から、味わい深い器が届きました。その名も「北海道でシチューを食べたいうつわ」。これから暑くなる季節に…と思わず、このうつわの魅力を語らせてください（笑）「erakko」は、自然の中で過ごす、静かでゆったりとした時間を大切にできる道具、をコンセプトに、屋内外で使える旅の道具たちを製作・販売されているブランドです。木と漆、という昔から日本人にはなじみ深く、且つシンプルで奥の深い素材を使って作られる道具たち。工芸品のように、木を削り込んだり漆を塗りこめたりしてつくる美しさとは違い、素材が持つ美しさを感じられるのが、erakkoの道具たちの魅力の一つ。この「北海道でシチューを食べたいうつわ」は、「雪原の中にたたずむ丸太小屋の中で、暖かいシチューを食べる・・・」という場面をイメージして作られたのだそう。持ってみると、ぼってりとした形と程よい重みが本当によく手になじみ、長年旅を共にしてきた相棒のような、安心感と温かみが感じられます。外側はあえて削りあとを残していますが、内側はきれいに彫り込んであるので、スプーンできれいにさらうことができ、食べ終わった後の木目の美しさもまたうれしい。で、名前こそ「北海道でシチューを食べたいうつわ」ですが、北海道へ行かなくても、シチューじゃなくても（笑）いろいろとオールマイティーに使えるうつわなんです。旅のお供にももちろんいいですが、サイズ感もちょうどよく、普段の食卓にも活躍すること間違いなし。サラダや煮物を盛り付けても、きっとお料理がより一層映えるはず。これからの季節は、冷たいポタージュとか、いっそ冷たい麺類を盛り付けてもよさそうです。なので、名前で先入観を持たず（笑）ぜひ年中活躍させてほしいうつわです。ぜひとも店頭で手に取っていただきたい商品ではありますが、なかなかそうもいかないと思うので、ヒノコのネットショップ「どんぐり商店街」でも取り扱っています。どんぐり商店街 powered by BASEこんにちは、どんぐり商店街へようこそ！どんぐり商店街は里山を元気にするためにみんながお買い物できる街です！ここでは、木と火のある暮らしを提案する「薪・炭・火鉢・七輪・木の雑貨」など森のグッズを販売しています。京都市寺町二条に「京都ペレット町家ヒノコ」という実店舗があります。★商品お届けの梱包について省資源化ならびに無駄を省くことを考慮し、最低限の簡易包装にて…hibana.shopselect.netピンときた方は是非お早めに！
21Apr
- カタクリの花と、つぶやき徒然
  こんにちは！京都ペレット町家ヒノコのスタッフNです。2月よりも3月のほうがペレット販売数が多かった今春。４月に入って桜が咲いたと思ったら、フジもヤマブキもイロハモミジも一斉に咲き、春と初夏が一気にやってきました。さて、そんな今月初め。小塩山に咲くカタクリの花に会いに行きました。天気は快晴。暑くもなく、寒くもない絶好の登山日和。ちょうど満開の時に行くことができ、カタクリのお花畑を見ることができて眼福の一日でした。小塩山は、京都市西京区にある標高642ｍの山。山頂は淳和天皇の遺灰を散骨した場所とされていて、天皇陵としては最高地点ということで知られています。かつては炭焼きが行われていた山で、コナラやクヌギの薪炭林があり、林床にはカタクリが自生していました。そんなカタクリと、カタクリの蜜を吸いに来る天然記念物のギフチョウを保全しようと、小塩山では西山自然保護ネットワークという団体が、ボランティアで長年保全活動をされています。クヌギやコナラなどの木を、適宜伐ってその木で炭を焼く。クヌギやコナラは萌芽といって、切株から脇芽を伸ばし数十年もすると、また炭の材料をとれるくらいに育ちます。そうして、順番に木を伐りつつも森の環境を保つ、というのがかつてあちらこちらにあった薪炭林のシステム。ご存じの通り、クヌギやコナラは落葉広葉樹。こういった落葉広葉樹林は、秋から初春までは木々が葉を落とすので、林床には日差しが降り注ぎ、葉を広げる春から初秋は林床に涼しい木陰を作ります。この1年を通した林床の環境が、カタクリにとっては最適な環境なのです。カタクリは、まだほかの植物が芽吹きだす前に、いち早く葉を広げて花を咲かせて結実します。そして、ほかの植物がぐんぐん成長する6月ごろからは、地上部は枯れて地中の地下茎だけで夏から冬を過ごすのです。ところが、1980年ごろから、薪炭が生活の主な燃料ではなくなると、炭焼きは廃れていかざるを得なくなりました。山に人の手が入らなくなると、西日本における森林遷移（※）の最終段階である、常緑広葉樹林へと徐々に植生は変わっていきます。つまり、冬の間も林床に日差しが届きにくくなり、カタクリの生育に適した環境ではなくなってしまうのです。（※）森林遷移＝ある場所の森林の植生が、時間とともに自然に変化すること。それぞれ段階があるが、暖温帯にあたる西日本での最終段階は常緑広葉樹林となる。それに加え、シカの増加もカタクリの減少に拍車をかけました。カタクリは、芽が出てから花が咲くまでに7～9年という歳月がかかるのですが、シカの旺盛な食欲の前にはひとたまりもありません。こういった背景から、カタクリの自生地はどんどん減っていきました。小塩山では、西山自然保護ネットワークの方々の努力の甲斐あって、ギフチョウが訪れるカタクリの自生地として守られています。でも、シカ対策のネット張りは欠かせず、夏の間の草刈りも必須の作業。かつては、人々の生業としての炭焼きや、落ち葉集めや草刈り（これらは田畑の堆肥として）がされていました。結果的にカタクリにとって良い条件の環境が保たれていましたが、今ではボランティアの活動無しでは、その環境を保つのは難しくなっています。今でこそ、日本の森林においては、適宜に木を伐ることが、健全な森林を保つことにつながる、という認識が広がってきましたが、まだまだ「木を伐る、自然の環境に手を入れる=環境破壊」という意識は根強いように思います。炭焼きという生業ひとつをとっても、それは人と森の共生の関係であって、決してどちらかだけに利益があって、どちらかだけに不利益が生じるような関係ではなかったわけです。今回は「カタクリ」に特化した話になりましたが、ほったらかしだけが「良い環境の自然」ではない、ということが、もっと多くの人に認識されるといいなーと思います。そして、もっと「自然」と人の距離が近くなって、これからの社会のスタイルに応じた「共生」の関係が生まれることを願って。ということで、まずは「木」と仲良くなるために、ヒノコにどうぞ（笑）
29Mar
- おすすめ本の紹介　『生き物の死にざま』
  こんにちは！京都ペレット町家ヒノコのスタッフNです。つい先日は雪が降っていた京都市内ですが、今週末はポカポカ陽気になりそう。とんでもなく寒暖差の大きい3月でしたが、ようやく桜も咲き始めそうです。さて、今回は「ひのこぶんこ」（ヒノコではスタッフの独断と偏見と好み（笑）でセレクトした本を販売しています）から、おすすめ本のご紹介。『生き物の死にざま』稲垣栄宏著　　草思社文庫様々な生き物の「死にざま」を書いた本。「生きざま」ではなく「死にざま」としたところが、生きることの本質をとらえているような気がします。ゾウ、サケ、カマキリ、クラゲ、アカイエカ、ミノムシ、ニワトリ・・・・・。おなじみの生き物から、全く知らない生き物まで、実に様々な生き物の死にざまが描かれています。人間の常識からははるかに想像を超えた生き方、死に方をする生き物たち。私たちが頭で考えることの視野が狭く、いかに限られた尺度で世の中を見ているかがわかります。そして、すべての生き物に共通するのは、その死にざま・生きざまは、次の命をつなぐためにある、ということ。人間の常識、考え方に当てはめると悲惨な死に方かもしれないけれど、その生き物にとっては必死に生きて死ぬことは、悲惨でもなんでもなく、まさに「生ききった」ことの証。そして、その個体の命は死んでも次の世代の命へとつながっていきます。この中には、家畜としてのニワトリについて書かれた章もありました。今でこそ、少しずつアニマルウェルフェアという考え方が浸透しつつあるものの、日本の家畜業界はまだまだ。多くの生き物たちは、自然界の営みの中で生き、死んでいくのに対して、家畜のニワトリたちの死にざまに、読者は何を思うのでしょうか・・・。ぜひとも、多くの人が考えるべきことだと思います。「死にざま」という言葉におじけづく人もいるかもしれませんが、読んで後悔はしない本です！ぜひ、多くの生き物たちの生き方、そして死にざまに触れてみてください。（大げさかもしれませんが・・・）読後は少し世界が変わって見えます。
15Mar
- 木造人工衛星！？
  3月も半ばになり、そろそろペレット販売のシーズンも終了…なんて思っていたら、最近の寒さで2月以上にペレットが売れています（笑）暑さ寒さも彼岸まで、と言いますが今年はどうかな？さて、ヒノコの人気商品をたくさん作ってくださっている、木工作家の木好七郎左衛門こと吉原さんから、先日興味深い記事を教えていただきました。なんと！木で人工衛星を作って打ち上げる、というプロジェクトが進行中なんだそうです。このプロジェクトに取り組んでいるのは、京大などの研究チーム。そもそもなぜ人工衛星に木？それは宇宙の環境問題。スマホもネットも普及している現代、通信衛星などをはじめとした人工衛星は、現代人にとって欠かせないものになっています。けれども、その機体を構成するのはもちろん金属。人工衛星は、運用が終われば大気圏に突入して燃焼させます。ところが、燃えた後にも、数マイクロメートルほどの極小な酸化アルミニウムの粒子が残り、大気汚染につながるんだそうです。しかも、その粒子は太陽光を反射して、地球の気候に影響する恐れも。あまり知られていない問題ですが、人工衛星などのいわゆる「宇宙ゴミ」は、かなり深刻だと聞いたこともあります。まさか地球環境だけでなく、人類の生活のために宇宙環境にもダメージを与えつつあるとは・・・。そこで、木材。木材であれば、大気圏に突入すれば燃え尽きるので、先述の問題の軽減につながることが期待されているようです。そんな木造人工衛星を作る研究の一環として、ホオノキ・ダケカンバ・ヤマザクラの3種類の木材を、国際宇宙ステーションの船外で約10か月、宇宙空間にさらして劣化の状態を調べる実験が行われました。結果、強い宇宙線や激しい温度変化のある過酷な宇宙環境にもかかわらず、木材の劣化はほとんど見られなかったそうです。吉原さん作成の樹種見本。上からカバノキ・ホオノキ・サクラ。その中で、木造人工衛星に使う材として選ばれたのはホオノキ。（朴葉みそ、朴葉飯でおなじみ）軽くて割れにくく、材質も均質、温度変化に強い、という特徴がある木材です。まだまだ研究途上にある木造人工衛星ですが、近い将来、実現するのかもしれません。（参考：朝日新聞デジタル2023年10月15日）
20Feb
- 雲ヶ畑の炭焼き　～その２～
  まだ２月というのに、春のような暖かさ。暖かくなってくると、なんだかソワソワしてきます。前回に引き続き、炭焼きの雲ケ畑へ行ってまいりました。今回は、出来上がった炭の取り出し作業です。高さ1.1メートル程の窯の中は真っ暗。洞窟の中みたいで、少しワクワクします。ライトを照らすと、中には炭がズラリ。取り出したのは、ヤマモモとマテバシイの炭。両方ともタンニンを多く含み、硬い炭ができるそうです。一方、クリもタンニンを多く含みますが、タンニンの種類が異なり、柔らかいガサガサした炭になるそうです。取り出した炭は、「かしら」と呼ばれる、十分に炭なってない端っこ部分を切り落とし、太さに応じて適当な長さに鋸でカットしました。窯に炭材を仕込む際、縦にして敷き詰めていきます。上部は高温になるけれど下部は低温なため「かしら」ができてしまうそうです。脆いものもあって、気を付けないと割れることも・・・今回は、雲ケ畑などで、林業のボランティア活動をされているサークルの大学生の皆さんとご一緒させていただきました。大学時代の過ごし方は、本当に人それぞれ。勉強、研究に集中したり、サークルやバイト、ボランティアに精を出したり。どれも大事な経験だと思います。オーナーの塚本さんをはじめ、ご一緒いただいた皆さま楽しいひと時をありがとうございました！パイナップルの炭
25Jan
- 雲ヶ畑の炭焼き
  こんにちは京都ペレット町家ヒノコです。今朝は市内でも雪が積もるほど、今季一番の寒波がやってきました。店内のペレットストーブのおかげで、ぬくぬしておりますが・・・さて、お店では黒炭、白炭（備長炭）、炭を使った雑貨などを販売しておりますが、今回は実際に炭が作られる現場を見学して参りましたのでそのレポートをしたいと思います。炭の効果（脱臭、除湿など）や活用方法については、以前にシリーズで投稿しておりますのでそちらをご覧いただけたら幸いです。ブログ：梅雨こそ炭を）お伺いした現場は、京都市北区雲ヶ畑の塚本さんの炭焼き窯。一週間ほど前に、炭にする木（炭材）を窯の中に入れ、火を入れて数日かけ少しずつ窯内の温度をあげていったそうです。高さ1メートルほどの窯の中でしゃがみながら、隙間なく木を敷き詰める作業、大変そうです…。炭材は地元でとれるミズナラ、リョウブ、ソヨゴ、アセビなどが中心。この日は最後の工程である窯を閉める日。30分～1時間くらいおきに、煙突から出る煙を温度を測りながら、窯を閉めるタイミングを見極めます。窯を閉めた後は、中の温度が冷めるまでまた何日間か待ち、出来上がった炭を取り出すそうです。その間、窯のそばで火を焚いて、焼き芋をしたり、湯を沸かしてスープを飲みながらホッコリしてしまいましたが、炭焼きは、本当にとても手間と時間がかかる作業。そして、良い炭を作るには経験から培われる匠の技術が必要なんだそうです。オーナーの塚本さんは、炭焼きのほか、鳥の鳴き声が吹ける「枝笛」や、炭をくりぬいて鉢にした「炭盆栽」など地元の木を使った作品も製作されおり、お店でも販売させていただいております。地元の森に木を植える取組もしており、長い年月を見据えて活動もされています。いろいろなアイデアや夢をお持ちで、お話を聞いていると自分も元気が出るそんな素敵な方です♪つい目先のことばかりに意識が向いて、悩んでしまったり不安になってしまう時は、森を育てることのように長い視野で物事を考えてみると、なんだか気持ちが落ち着きます。この日は塚本さんとお会いし、たくさん元気とともに、燻された香りを持ち帰りました（笑）実際の現場に行くことは、その雰囲気を五感で感じることができ、やはりとても勉強になりますね。雲ヶ畑へは北大路から1日2便でている「もくもく号」に乗って行くことができます。炭焼きに興味のある方は、ぜひ塚本さんの炭焼き窯へ！
22Jan
- ヒノコ便り2月号
  こんにちは！京都ペレット町家ヒノコのスタッフNです。もう一月も終わりが近づき、冬の土用に入りました。2月の立春までもう少しですね。まだ寒い日が続くものの、日暮れもずいぶん遅くなってきました。そんなわけで、今回のヒノコ便りは春色満載です！
07Jan
- あけましておめでとうございます。
  みなさま、あけましておめでとうございます。本年も、京都ペレット町家ヒノコと、ヒノコのブログ「ヒノコ日記」をどうぞよろしくお願いいたします。そして、この度の能登地方を中心とした大地震で被災された方々には、心よりお見舞い申し上げます。甚大な被害を受けた珠洲市と言えば、ヒノコでも取り扱っている切り出し七輪や、能登の菊炭の産地です。取引先の七輪メーカーの内、一社からは連絡をいただき、無事が確認できましたが、会社もご自宅も相当な被害にあわれたそうです。安価な七輪が出回る中、手間はかかるけれども丈夫で使い勝手の良い良質な切り出し七輪を、良心的な価格で作り続けてきてくださった会社。かつてはあちらこちらの生業としてあった炭焼きの森を、植林することから始めて、その森と炭焼き職人の育成に尽力してこられた製炭工場。昨年からの度重なる地震の度に、操業を停止しながらも製造を続けてきてくださったのに、今回の大地震で受けた被害を思うと、本当に心が痛みます。支援の形は様々です。もちろん、今すぐに現地に物資を送ったりすることも支援ですが、後々に現地で生産された商品を購入することも、立派な支援だと考えます。そして、まさに炭と七輪は防災にもとても役立つものの一つ。常日頃から、炭と七輪に親しんでおけば、いざというときにもまごつくこと無く使えます。そして、良い炭火で調理したものは、本当においしいのです。普段から炭火ライフを楽しみつつ、ぜひ防災の備えとしても候補に入れてみてください。ヒノコでは、七輪を使うのに必要な道具は一通りそろえることができます。使い方に悩んだら、お気軽にスタッフまでご相談を。
26Dec
- 今年も一年、ありがとうございました！
  こんにちは。京都ペレット町家ヒノコのスタッフNです。いよいよ、年内最終営業日となりました。今年はコロナ禍も（一応は…）明けて、桜の季節から街中にもどんどん人出が増えた一年でした。夏の猛暑と、秋以降の寒暖（寒暑？）差には閉口しましたが・・・。スタッフ一同、大きなケガも病気もなく、たくさんのお客様のおかげで、今年も一年の営業を終えることができました。今年もたくさんの方にご来店いただき、本当にありがとうございました。残念ながら、日本の森林はまだまだ課題がだくさんあるのが現状。けれども、来店してくださったお客様が、口をそろえて「木のいい香り～」とおっしゃってくださるのを聞くたびに、木の良さを分かってくれる人が多くいることに、元気づけられます。ヒノコの商品を通して、より少しでも「木」の良さ、魅力を知ってもらうこと、そして、願わくばもう一歩、その木の生まれ故郷である、「森林」のことにも思いをはせていただけること・・・。まずは楽しくお買い物をしていただくのはもちろんですが、商品を通して、ほんのちょっとだけでも「森林」のことにも興味を持ってもらえれば、こんなにうれしいことはありません。森は、昔から生活の多くを支えてくれた場所。そして、まだまだポテンシャルをたくさん秘めている場所。人間の一方的な収奪ではなく、今という時代だからこそできる、森と人と人以外の生き物たちの共存に、ほんの少しでも貢献できる、そんな店でありたいと思っています。と、偉そうなこと書きましたが、シンプルに「木」っていいものです。ぜひ、そんな木の良さを体感しに、来年もご来店ください。今年一年、京都ペレット町家ヒノコをご愛顧くださり、本当にありがとうございました。来年もどうぞよろしくお願い申し上げます。そして、皆様にとって来年が幸多き、楽しい一年となりますように。どうぞ良いお年をお迎えくださいませ。
21Dec
- ヒノコ便り12月号
  こんにちは！京都ペレット町家ヒノコのスタッフNです。こちらのブログにアップするのを忘れてまして・・・（笑）今さら感満載ではありますが、ヒノコ便り12月号です。クリスマスも目前ですが、滑り込みギリギリセーフということでお許しください…（笑）ヒノコ便りに乗せている、クリスマス商品はまだありますが、今季イチオシの木のリースは、残り一個！もしこのブログを読んで、買いたい！という方がいらっしゃいましたらお急ぎくださいませー。では、皆様楽しいクリスマスをお過ごしください。
19Dec
- 年末年始の営業について
  こんにちは！京都ペレット町家ヒノコのスタッフNです。ブログの更新がすっかり滞り気味ですが・・・。ヒノコは変わらず営業しております！というのも、この季節はペレットシーズン真っただ中。普段の店番業務が結構忙しい時期のため、なかなかブログの更新まで手が回らず・・・（←言い訳笑）で、そんなこんなしているうちに、あっという間に年の瀬が近づいてきてしまいました。と、いうわけで年末年始の営業のお知らせです。ヒノコの年末年始の営業日について12月27日（水）　臨時営業　10:00～18:0012月28日（木）　　～　　　　　　休業　　1月3日（水）1月4日（木）から通常営業年末はペレットを購入される方が増えることが予想されます。なるべく事前にお取り置きのご連絡をいただけますと幸いです。ご理解ご協力いただけますよう、どうぞよろしくお願いいたします。
11Nov
- ヒノコ便り11月号
  こんにちは！京都ペレット町家ヒノコのスタッフNです。11月に入り、さあ秋本番！とか思っていたら、夏日が続いた三連休。ようやく今日になって、この季節らしい気温になりました。ヒノコは、今シーズン初のペレットストーブ稼働です。さて、気まぐれにご紹介している「ヒノコ便り」。11月号はペレットストーブ入門編、ということで書きました。ペレットストーブ導入を考えるにあたって、最低限知っておいてほしいことをまとめています。ヒノコでは、予約制でペレットストーブのご見学・ご相談を承っておりますので、ご興味のある方は是非お気軽に！ご見学・ご相談ご希望の方は、下記までご連絡くださいませ。mail：machiya-hinoko@yamakaraya.comtei：075-241-6038
20Oct
- サカキのこと
  こんにちは！京都ペレット町家ヒノコのスタッフNです。ずいぶんとブログの方がご無沙汰でした…。気づけば街中カボチャだらけ（笑）今年は遅かったキンモクセイも、ここ数日で満開のところばかり。いい香りとともに、カボチャの色と相まって、やたらとオレンジが目に付く10月です（笑）さて、ただいまヒノコの店内は緑率（勝手に作った言葉です）が急上昇中！というのも、山仕事をしている店長が、山から木の枝葉をたっぷり持ってきてくれたから。階段下のスペースにむき出しの配管があるため、目隠し代わりに木の枝葉を活けるのです。これまでにも、ソヨゴやらアラカシやらがヒノコ店内の緑率を上げるのに一役かってくれました。さて、今回ヒノコにやってきてくれたのは誰でしょうか？？一番のヒントは新芽の形。三日月のようにカーブした、ひょろりと長い鎌型の新芽です。あとはつやつやお肌の葉っぱ。・・・・・・・・・・・・正解は、「サカキ」。そう、あの神棚にお供えすることでおなじみの木です。神棚にある姿からはあまり想像つきませんが、意外と背が高くなる木。山に行くと結構たくさん生えています。さて、ここからはサカキについての豆知識。まずは「サカキ」という名前の由来から。一つ目の説は「栄木」という字を当てます。見ての通り常緑で、寒い冬の間も青々とした葉っぱをたくさんつけていることから、繁栄の象徴として縁起のいい木、とされたのだとか。「栄える木」＝「栄木」ですね。二つ目の説は「境の木」。これは神様の世界と人間の世界の境にある木、と考えられたことから「境の木」＝「境木」となった説。本来サカキとは、このサカキ科サカキ属（科・属の分類については、図鑑によって諸説あり）の木だけをさしたのではなくて、神事に用いるような木全般を言ったそうです。（まあ、〇〇科〇〇属なんていう分類は当時はありませんでしたしね。）ツバキなんかもそうですが、サカキのように葉っぱが艶々している木は、太陽の光を受けて照り映えるので、天からよく見えるらしく（いや、知らないけど…（笑））神様が降り立つ依り代の木、されたのだとか。なので、神社にもよく植えられるわけですね。漢字で書くと「榊」。まさに神様の木です。でも、西日本は照葉樹が多いから、神様はどの木に降り立てばいいのやら迷うんじゃ・・・？なんていらぬ心配をしてみたり（笑）ところで、サカキはあまり寒さには強くありません。日本での自生の北限は、関東の北部辺りまで。なので、寒い地域では「ヒサカキ」を榊として用いることが多いのだとか。こちらのヒサカキは、サカキとは別のグループの木です。特徴的なのは何といっても花の匂い。3～4月ごろに小さなベル型のかわいい花を咲かせるのですが、この花が独特のにおいを放ちます。この匂いがプロパンガスの匂いにそっくりと言われ、（私はヒサカキの花の匂いは知っているけれど、プロパンガスの匂いはよく知りません、実は）毎年ガス漏れの誤通報が何件かは発生するとか・・・。なかなか面白い植物です。（ガス屋さんにとってはたまったものではないのかも）あ、あと葉っぱに鋸歯（縁のギザギザ）があることでも、サカキとは見分けられますよ。ちなみに、ヒサカキを漢字で書くと「非榊」もしくは「姫榊」。サカキに似ているけれど、サカキに非ず（非ず）ということで「非榊」。サカキより全体に小型なので「姫榊」。というわけですね。さて、つやつやした葉っぱを目印に神様が降り立つ依り代の木とされるサカキ。これだけサカキがあるヒノコ、商売繁盛の神様が降りてきてくれるかもしれません（笑）
15Sep
- 田舎生活実践塾　参加者募集中！
  こんにちは。京都ペレット町家ヒノコのスタッフNです。もうお彼岸も近いというのに、まだまだ暑さの残る日々。でも今朝、彼岸花が咲いているのを見つけました！植物たちはちゃんと季節の移り変わりをわかっているんだなあ、としみじみ。本格的な秋の訪れは、もうすぐそこかな？さて、今月末に開催のイベントのご案内です。あやべ田舎生活実践塾～人生をもっと素敵にするヒント、見つけにきませんか？～全3回のうち、今回は第1回。古民家再生や、改修、活用事例について、綾部市のお三方が語り合います。空き家となった古民家を、その良さを残しつつも現代の生活にも不便の無いよう、いかに活用していくか。綾部に限らず、全国的に空き家が問題となる昨今、重要なテーマの一つです。田舎暮らし、綾部市への移住はもちろん、古民家購入や改修についてご興味のある方、ぜひご参加ください！（オンライン参加も可能です！）日時　2023年9月24日（日）14:00～16:00場所　京都ペレット町家ヒノコ2階お申込み・お問い合わせ〇田舎生活研究所京都市窓口　TEL　075－241-6038　mail　inakaseikatsu.lab@gmail.com〇あやべ定住サポート総合窓口　TEL　0773-42-4270　mail　teijyutiiki@city.ayabe.lg.jp※参加にはお申し込みが必要です。参加ご希望の方は、上記までお申し込みください。現時点で、まだ残席ございます。ご興味のある方はお気軽にご参加くださいね。
11Aug
- イベント続きの週末です！
  こんにちは。京都ペレット町家ヒノコのスタッフNです。今日は山の日。今日からお盆休みの方も多いでしょうか？台風の進路が気になるところではありますが、3年ぶり？の通常モードのお盆。ぜひとも皆さん、楽しくお過ごしくださいね。さて、そんな今週末。ヒノコでは2日続けてのイベント週末です！明日12日（土）はヒノコ市。日吉から持ってくる新鮮野菜と、おいしい農産加工品いろいろ、舞鶴赤岩高原のこだわり卵を店頭にて販売。2階では、バカボンさんの山野草料理と春風珈琲さんのオーガニックフェアトレードコーヒー、ヒノコ店長セレクトの日本酒などなど・・・が楽しめます！イベント詳細は下記ページからご覧くださいませー。ヒノコ市8月～里山の恵みと出会う～Event in 京都市 by 春風珈琲 and 2 others on 土曜日, 8月 12 2023www.facebook.comそして、13日（日）はあやべ市。今月は特別編です！綾部の特産品などの販売に加え、今回は綾部のコミュニティナース（綾部コミナス）さんも出展。コミナスさんの活動紹介や、移住などに興味のある方の相談会も。事前申し込みは不要ですので、どうぞお気軽にお越しくださいね。そしてさらに、寺町二条にある「うまいもんやいっしょう」さんも出店！綾部の地酒に合わせた、おいしいおつまみなどをご提供くださる予定です。涼しい店内でちょっと一杯、ついでに綾部のお話も聞いてみてくださいね。13日も春風珈琲さん出店しますので、ヒノコ市でコーヒー飲みそびれたー、という方もご安心ください（笑）あやべ市【特別編8月】Event by 春風珈琲 on 日曜日, 8月 13 20236 posts in the discussion.www.facebook.com週末はまだ台風も到着しない予報。お盆前半戦はぜひヒノコにて。
14Jul
- 森は水を貯える？
  こんにちは！京都ペレット町家ヒノコのスタッフNです。そろそろ梅雨も終わりに近づき、各地で大雨が降っています。梅雨末期の大雨、というのはこの時期特有の気象ではありますが、それにしてもこの数年の雨は降り方が尋常ではありませんね・・・。被災された地域の方々には、心よりお見舞い申し上げます。さて、大雨で土砂災害が起こるたびに聞かれる森林の話題として、「人工林＋手入れ不足」の弊害があります。「広葉樹が減って、根の張りが浅い人工林（ここでは主にスギ・ヒノキなどの針葉樹中心の森の意味で、人工林と言っています）ばかりになり、且つ手入れが行き届いていないから、土壌を保持する力が弱くて災害につながりやすい。」というもの。今回はこの論自体の是非ではなく、そもそも、健全な森林のおかげで災害が起きにくい、というのは一体どういうことか、ちょこっと書いてみようと思います。森林の水土保全機能森林には様々な「多面的機能」があるとされています。これはいうなれば、森林が持つ「酸素や有機物の生産」「木材や林産物の生産」「様々な生物の住処であること」「二酸化炭素削減」「大気浄化」・・・など、人々のくらしを支えたり、地球の生態系バランス維持に欠かせない、様々な機能のことをさします。この中に、「水源涵養機能（すいげんかんようきのう）」「土砂災害防止機能」というのも含まれ、この機能が主に、災害防止に役立つ機能として知られるものです。水源涵養機能って？健全な森林（ここでは、①森林が成立してからある程度の年数が経過し、②様々な樹種が過密すぎず、バランスよく育っている森林、とごく簡単に定義して書きます）において、木々の足元には下草や低木が生育し、土の上には木々の葉や枯れ枝などがたくさん落ちています。この落葉落枝は、微生物やミミズなどの土壌生物によって分解されていき、森林の土はフカフカの、小さな穴（土壌孔隙）がたくさんある状態になります。雨が降ると、雨粒は森の木々や下草に遮られながら、地面にたどり着きます。地面にたどり着いた雨水は、土壌孔隙のあるフカフカの土に染み込んでいきます。土壌孔隙があることによって、土がスポンジのような役割を果たすので、雨水は土に蓄えられながらゆっくりゆっくりと土中を移動していき、河川などに流れ出したり、湧き水となって出てきます。そのおかげで、雨が降ってもすぐに斜面が川のようになってしまったり、河川が氾濫したりすることも少なく、逆に雨が降っていない時に川や湧き水が枯れてしまうことも、めったなことではありません。また、水が土壌を移動する過程で、不純物などがろ過されて、土壌中のミネラルが溶け出した美味しい水へと変わっていきます。これらが、森林の「水源涵養機能」。つまり、雨の有無にかかわらず、森林に水を貯え、河川に流れる水の量が常にある程度一定になるようにコントロールして、且つその過程で天然の浄水を行っているのです。土砂災害防止機能って？水源涵養機能と並んで重要視されるのが、「土砂災害防止機能」。これも健全な森林において、というのを前提に書きます。森林の木々の根が、土の中に張り巡らされていることによって、その根がネットのような役割を果たし、しっかりと土壌をつなぎとめています。また、根を深く地中に伸ばす樹種も生育していることで、その地中深く伸ばされた根は杭のような役割を果たし、根のネットの支えになります。このことによって、大雨が降ったり暴風が吹いたりしたときに、土が流されてしまうことや木が根こそぎ倒されることを防いでいるのです。これが、森林の「土砂災害防止機能」。けれども、近年の大雨のは尋常ではない雨量が一時に降ることが多いため、森林の土砂災害防止機能の限界を超えてしまうことが多々あります。それが人工林であったとしても、広葉樹も生える天然林だったとしても、限界を超えてしまえばやっぱり災害は起こります。※水源涵養機能も土砂災害防止機能も、健全な森林を前提に説明しましたが、手入れの行き届かない人工林にその機能が全くない、というものではありません。人工林＝悪という論調も最近ちらほら聞かれますが、そんなことはない、と私は考えています。治山治水昔から、「水を治める者は国を治める」「山を治める者は国を治める」などと言いますが、その言葉の通り、健全な山＝森の環境を保つことは、国土保全、つまり災害を減らすという観点において非常に大切なことだったのです。「最後の一言」で終わらない（笑）筆者徒然なんとなく、森林が持つ災害を防ぐ機能について、イメージできたでしょうか？（私も勉強中なので、間違いなどありましたらコメントでぜひご意見ください。）つまり森林は「自分たちの生きる場所は自分たちで守るよー」ということで、様々な工夫を凝らして生きているわけで、その恩恵にあやかっているのが、私たち人間。決して森林が人間のために災害を防止しようと奮闘している、なんてわけではありませんよ！さて、最後に。主に戦後から高度経済成長期にかけて、多くの山が「開発」という名のもとに切り開かれてきました。最近では、太陽光発電のメガソーラー建設のために、多くの木が伐採され、切り開かれる山も多くあります。そこにはもちろん、人々がもっと良い暮らしができるようにとか、環境への配慮を、との思いも込められていたことでしょうが、そもそも豊かな土壌をはぐくむのも、安全でおいしい水を飲めるのも、それ以外にもたくさんある恩恵を生み出すのも、豊かで健全な森があってのこと。じゃあ、太陽光発電をやめて石油を使うのか、木を切ることは悪なのか、とかいうことではなく、これからの環境やより良い暮らしのあり方を考えるなら、もっと根本的なところから、本当に大切なのは何かを考えてみませんか？と未熟ながら思うのです。小難しいことをいろいろ書きましたが、理屈抜きに木々がたくさんあるところは気持ちのいいところ。ぜひこの夏も、森の緑を堪能してみてくださいね。
23Jun
- 竹酢液の使い方いろいろ
  こんにちは！京都ペレット町家ヒノコのスタッフNです。昨日は肌寒かったのに、今日はムシムシ蒸し暑い。私はとにかく水気？が苦手みたいで、どこか行くのに山か海か川か？と聞かれたら、山一択派！とはいっても、山にも川はありますけどね。（笑）そういえば、小学校の時もプールの授業が大大大っ嫌いで、夏は毎年憂鬱でした・・・。関係あるのかないのか知りませんが、それほど暑くなくても湿度が高いだけで、心身ともにズドーンと沈むので（笑）これからの季節は大敵なのです・・・。さて、湿度も気温も高くなるこれからの季節、大活躍するのが「竹酢液」です。竹酢液とは、竹炭を焼くときに出た煙を蒸留して採る液体のこと。※木酢液は木炭の煙から蒸留したものです。もちろん飲めませんが、これがなかなか万能なのですー。というわけで、今回は竹酢液の使い方をご紹介！①虫刺されに気温湿度の上昇とともに元気になるのが「蚊」。蚊に刺されたら、竹酢液をほんの1~2滴塗ってみましょう。しばらくするとかゆみが収まって、治りも早くなります。あ、ちなみに、掻いて傷になったところに塗ると非常に沁みるのでご注意を。②肌荒れ・アトピー・冷え性に竹酢液は入浴剤としても使えます。殺菌・抗菌作用に加え、体を温める作用があるので、肌荒れやアトピー・冷え性でお悩みの方にお勧めです。冷房で冷えた体にもいいですよ！浴槽一杯につき、ペットボトルキャップ3~4杯を目安に入れてみてください。ただし、スモーキーな香りのお風呂になりますので、そこは好みがわかれるところですが・・・。③虫よけに竹酢液を水で300~500倍程度に薄めてスプレーボトルに。これを体に吹きかけると簡単虫よけスプレーになります。※顔に直接吹きかけるのはやめておきましょう。もう少し濃度を濃くして、10~30倍程度に薄めたものを網戸や玄関先など、虫が出やすい場所に散布すると、こちらも虫よけ効果が期待できます。※①②③の使い方については、敏感肌の方やアレルギーをお持ちの方は必ずパッチテストなどを行い、自己責任でお試しいただくよう、お願いいたします。④植物に500~1000倍程度に希釈した竹酢液を、じょうろやスプレーボトルに入れて植物たちに散布します。害虫や病気の発生を抑え、土壌微生物の働きを活性化させるとか！！⑤消臭にこれからの季節、生ごみの匂いは気になるところ。竹酢液を30~500倍程度に薄めて、生ごみなどに吹きかけると消臭効果が期待できます。また、コンポストにも吹きかけることで、分解を促し、匂いの発生も抑えてくれますよー。など、色々使えます。化粧水などのスキンケア用品に使われているものもあるようですが、原液は強酸性。肌の強さ敏感さは、個人差も大きいですので、気を付けてお使いくださいね。ちなみに、今年はプランターでオクラを育てようと種をまきました。芽が出てきれいな二葉になったー！！と思ったら、ダンゴムシに食べられる、ということを2～3回繰り返し…泣そこで、薄めた竹酢液をスプレーするようにしたところ、今のところは無事に育ってきています！！ヒノコで販売中の竹酢液はこちら。「池姫竹炭の竹酢液」舞鶴市池内地区の「池姫竹炭組合」さんが、放置竹林の整備活動の一環として、作っている竹酢液です。組合員さんが手作業で山から竹を切り出し、土窯で質の良い竹炭を焼き上げ、その煙から良質な竹酢液を作ってくれました。1本500ml入り1,300円です。ぜひお試しあれ！

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