私が金型メーカーで、マシニングやCAMのオペレーターを担当していた頃、
部下や仲間から良く受けた切削に関する質問は、タイトルのとおり、
等高線加工と走査線加工、
どっちを優先して使ったらいいですか?でした。
今は両方を合わせた複合切削加工ともいうべきパスが簡単に生成できるので、
あまり気にしなくても良くなりましたが、だからこそ本来どうなの?は
知っておくべきだと思うのです。
この答えは、次の考えに基づくとわかりやすいです。
①等高線:切削時にはX軸とY軸の2軸しか動いていない。
②走査線:切削時はZ軸まで含めた3軸全てが動いている。
したがい、機械動作精度が高いのは、①の等高線加工といえるでしょう。
ただし、指定したZピッチで段階的に切削加工し、Z方向の昇下降が多いため、
エアーカットが多くなります。
それに対し、②の走査線加工は等高線に対し、エアーカットが少なく、
切削加工時間は等高線加工よりも短くなります。
しかし切削時の機械動作精度は、3軸全てを動かすため、
2軸しか動かさない等高線よりも、走査線の方が理論的には悪くなります。
ですから、もし精度の高い金型の切削加工などを行う場合には、
まず等高線加工を行い、加工ピッチが広くなる低傾斜部を
走査線加工するのが望ましいと言えるでしょう。
ここまで理論的に部下に説明できると、部下はその後は迷いなく
状況判断ができやすくなります。
教育を担当される方は、たいへんですが、YESとNOだけでなく、
なぜこうなるのか、そこまでしっかり説明したいものですね。
これにより、決算数字における人件費と売上高に好影響が出てきます。
前回も書きましたが、部下の手が止まっていても、早く仕事をしても
費用面では残業代以外にさしたる影響はありません。
しかし、私が経営状態を判断する際に重要視するある指標を
見ると影響がすぐにわかります。
それは、「1人あたり売上高」です。
素人様が大勢入社されると、人数が増えるが受注が伸びず、
売上÷従業員数の分母が増え、この「1人あたり売上高」が
悪化します。
言い換えれば「1人あたり売上高」が増加してくると、
利益が増加します。
つまり人件費は変わらないまま、売上が伸びてきます。
したがい、社員教育を上手に行う会社は、
①新人様が入社し人件費が増え、一時的に「1人あたり売上高」が下がる。
②ルーチン化された効果の高い教育を計画的に行う。
③新人様が練習ではなく本受注した品の切削加工を行うようになる。
④人件費は同じまま、売上が増える。
⑤その時、「1人あたり売上高」も増えている。
この①~⑤までを短期間にクリアすることができるでしょう。
CAMによる3次元データ切削加工は、覚えることも多いですが、
その操作や加工は楽しいことも多いです。
ぜひ決算に効果の出る、教育体制をつくってみてください。
金型・部品加工業 専門コンサルティング
代表:村上 英樹(中小企業診断士)
愛知県刈谷市高松町5丁目 TEL 0566-21-2054
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