「村上もとか展」 生原稿にペン入れ—ライブドローイング編&サイン会編 京都国際マンガミュージアム | CLUB24-にいよんー

「村上もとか展」 生原稿にペン入れ—ライブドローイング編&サイン会編 京都国際マンガミュージアム

京都国際マンガミュージアム 「村上もとか展」

村上もとか先生、かわのいちろう先生 ライブドローイング

 

 トークショーの後、村上もとか先生が『侠医冬馬』生原稿にペン入れをする様子をモニターに映し出す「ライブドローイング」イベントが行われた。

 トークショー同様、撮影は禁止。

 年末頃に誌面に掲載される予定の「鉛筆下書きがなされた1ページ」にペン入れをする手元をカメラで写して投影するというもの。

 村上先生が人物が鉛筆で描かれた原稿とペン類を取り出されて準備をされる。

 

 「一昨日ネームにOKが出て、昨日、下書きしたものです」

 

主キャラクターは村上先生が描かれ、周囲のキャラクターはかわの先生がデジタルで描かれるんですね。

 

 ペン入れをはじめると無口になるのかと思いきや、司会の学芸員さんの質問等に答えながらペンを進められる村上先生。
 

 「現場では話をしながら描いているので気になりません」

 「考えている時は前で何を喋っていても聞こえてこないです」

 「賑やかな家庭で育ったので、シーンとしているより周りが喋っていた方がいいんです」

 

村上もとか先生―の写真が撮れなかったので、手型石膏

 

村上先生からアシスタントさんに絵の指導とかされるのでしょうか?

 

 「先輩が指導します。よほど絵の感じが変な時は『どう描いているのかな?』と見てから指導します。ウチではチーフが指導します。この世界はどこか徒弟制度が残っているんです」

 

 下書きは済ませせあるものの、再度下書き線を描き直ししながらペン入れを進める。

 会話が途切れ会場がシンと静まった時に❝効果音のように❞カリッカリッとペンの音が響いてくる。

 

 「描く時に最終の下書き線を入れないと気になってしまうんです」

 

 髪―顔の輪郭―目―鼻、口―胴の順にペン入れされる。

 

 「ウチは切り貼りをよくやります。原稿を分割して各専門のアシに回さないと作業が停滞しますから」

 

企画展で展示している生原稿を見て頂くと、切り張りされているのが良くわかると思います。

 

 かわの「今はデジタルなのでアシが同じ場所にギュッと詰まっていることがないですね」

 

 時間が押してきているので、次にかわの先生の作画にカメラを写す。

 今回は会場での作業用にiPADを使われていた。

 

 かわの「村上先生がアナログで描かれた後にデジタルで描くので、後ろの人物が浮かないように村上先生と話し合っています」

 「デジタルの線は綺麗すぎて雑味が無いというか、アナログは黒の線の中にも白が混じるんです。デジタルは黒は黒なんです。」

 「(デジタルペンの)最初の設定を注意しなくてはなりません」

 

 カラー原稿も出されて

 

 かわの「これも(手前の)冬馬と背景は別々に描いています。色も村上先生が着けています」

 「デジタルで描いたそのままだと浮いてしまうので、色ムラが出るように処理します」

 

 かわのいちろう先生は京都芸大で教鞭をとられているので、解説がとても分かり易かった。

 ペン入れ後にコピーをとって指示を書き込んで「指示書」にする。コピーは奥様がされるそうだ。

 

 予定を1時間以上も押してしまったためライブドローイングは終了となった。

 最後に両先生からのお言葉があった。

 

 かわの「村上先生のところに(アシスタントとして)来て、勉強させてもらったものが全てです。他のところだったら今までやってこられたのかな? と」

 「2年くらいだけだったのですが、その後もつながりがあって、京都にいても❝共同作画❞として作品に参加できたのは良かったです」

 

 村上先生

 「今こうしてやってこられたのも読者の方が50年間いてくれたお陰です。感謝します」

 「昭和30年頃は漫画は❝悪書❞として『漫画を読んだらダメだ』とPTAに焼かれたりもした時代もありました。その後’80年代になって漫画全盛期がありました。」

 「どんなに簡単に描いているような漫画家の先生であっても膨大な時間をかけて作業しています。そうではなかったら読者の支持は得られません。皆さんが支持してくれたから世の中が変わってくれたんじゃないかと思います」

 「全漫画家を代表してお礼申し上げます。ありがとうございました」

 

 8月9日 NHK『ザ・バックヤード』で村上先生の仕事場が映るそうだ。

 

 ここで初めて休憩が設けられ、その後サイン会が行われた。

 

 ミュージアム売店で『侠医冬馬』コミックス7巻を購入し、整理券をもらう。

 サイン本の転売防止のために書き込んでい頂く名前を整理券の裏に書いておく。

 

 ドルフィンは「3番」をGETだった。

 サイン会ではキャラクターを描いて頂いたり写真撮影はNGだったが、割とゆっくりとしていて村上先生とお喋りする時間があったのは嬉しい。

 シャシャッと流れ作業でサインを入れるのではなく、名前を入れて頂けて逆に嬉しい。「村上先生にお会い出来た」記念になった。もう永久保存版だ!

 

村上もとか先生とかわのいちろう先生のサイン

 

 トークショー編①でも書いたように、’80年代に少年サンデー企画で頂いたサインをお見せする事もできた。

 そしてこの日 最大のミッション…

 

 『赤いペガサス』SV01のミニカーにサインを入れて頂く事を発動!

 快くサインを入れて下さった。物凄く嬉しいィィィィッ!

 「細かいデカールは自作しました」とお伝えすると。

 「え! そうなの?」

 ―と、ミニカーを目元に近づけて見て下さった。これも感激だぁ~!

 

 よく考えると、村上先生の縦型サインと横型サインを両方頂くことができたのだ。

 時間も夕刻になったので後ろ髪惹かれながらも京都国際マンガミュージアムを後にしたのだった。

 朝から強く降っていた雨も上がっていた。

 

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