日本を励ましたバトンのマクラーレンMP4/26 京商・鈴鹿レジェンドVol.5鈴鹿版
2011年は東日本大震災によって被災地はおろか日本全体が沈んでいた。
日本で開催される各種国際大会では原発事故の影響を懸念して外国人選手が来日を拒否する事もあった。大陸に住む人々にとって日本全土など小さい地域でしか感じないのかもしれない。
秋に開催されるF1日本GPでも選手のボイコットが懸念された。
そんな時「日本は第二の故郷」「素晴らしいレースを見せる」とマクラーレンのジェンソン・バトン選手をはじめ多くのドライバーが声を上げてくれた。
ジェンソン・バトン/McLarenMP4/26 Mercedes
日本GP決勝前に行われるセレモニーでは、被災地・福島県から少女合唱団「MJCアンサンブル」が招待されて国歌斉唱した。今まで人気アーチストが国歌斉唱あるいは演奏したが、これほど胸に響いたものは無かった。
「良いレースで日本を励ます」と言ってくれたバトン選手は予選2番手からスタート。一時は3番手に落ちる挽回してトップでゴール。日本GP初優勝だった。
最期まで全力で勝利を目指す有言実行の姿だった。TV観戦していたドルフィンは目頭が熱くなった。
京商1/64ミニカー「鈴鹿レジェンドVol.5」のマクラーレンMP4/26バトン車。
レギュレーションで付加パーツが制限されてはいるが、逆にボディ形状は複雑な形状になっている。小スケールで可能な限り再現しようとしているのが見てとれる。
複葉形状のフロントウイングは“埋めず”にできるだけ空間を作ってリアリティを出している。
ノーズ下部の2枚目の板やアンダーパネルのステップボトムもプラパーツではあるが作られている。
サイドポンツーン開口部付近のパーツも細かく、ボディ上部の曲面は滑らかだ。
ボディを走る赤と黒のラインにところどころ銀の部分があり「剥げているのか?」と思ったが、そのようなカラーデザインだった。雑誌等を持っていないので今まで気がつかなかった。
そんな細部カラーまで再現されている。
インダクションの開口部も“一段窪んで”黒塗りされているのでイイ感じだ。鈴鹿レジェンドのベネトンB189のサイドポンツーンもここまで細かく作って欲しかった!
インダクション開口部下の“柱”までは細かすぎて空間を作れなかったようだが、後端に窪みを付けることで“らしく”仕上がっている。苦渋の策だが、造形者のこだわりが感じられる。
鈴鹿レジェンドVol.5の4台の中では一番造形が良いと感じる。
ゴチャゴチャボディでなければ段差ノーズでもない。ましてやチ○ポノーズでもない2011年のマシン。 近年では一番カッコイイF1マシンだったのではないだろうか?
あの日から3年。震災で起こったことを忘れてしまう日々が少なくない。
自分の内にある感情をうまく表現できないのだが、今でも闘っている人々がいる事を忘れてはならない。
自分が同じ立場になった時にそこまで力強く闘えるだろうか。その時の心と物資の備えもしておかなくてはならないと思う。