みなさん、ミステリクイズを覚えておられますか。
2月5日から4月12日までの10週にわたって、
日曜日に出題編を、水曜日には解決編を紹介していました。
中には楽しみにしてくださっている方もおられて、
みなさんから寄せられる名推理や迷推理(?)を、
私も毎週、楽しく拝見させていただいておりました。
さて、今回は “ミステリクイズ・特別編” です。
〈難易度 ★★☆☆☆〉
H警部は、P夫人の死体の検分を終わらせた。
夫人は、自宅の栗色のカーペットに倒れていた。
「あのピストルの銃床で頭を殴られたことが致命傷となったようだ」
H警部はそういって、M保安官を見た。
「おそらく、4回から5回は殴られている」
死体の近くに38口径のピストルが落ちていた。
保安官が、慎重な手つきで指紋採取の粉を振りかけていた。
「夫のP氏の会社に連絡しました」 保安官は警部に報告した。
「しかし、できるだけ早く帰宅してくださいとしか伝えていません」
「正しい判断だ」 警部は保安官にいった。
「仕事の最中に妻が殺されたという知らせは聞きたくないだろう」
死体が救急車に運び込まれるのを見ながら、警部はうな垂れた。
ほどなくして、救急車が出発したとき、
取り乱した様子の夫が、玄関から飛び込んできた。
「何があったんですか。妻はどこなんです」
「こんなことをお伝えしなくてはいけないのは非常に残念ですが」
H警部は、沈痛な面持ちで切り出した。
「奥さんは2時間ほど前に何者かによって殺されました」
「何ですって」
「コックが居間に倒れていた奥さんを発見し、通報したんです」
「凶器のピストルから指紋は検出できませんでした」
ハンカチで包んだピストルを持っていた保安官が口を挟んだ。
「科学捜査研究所に送って、徹底的に調べてもらいます」
P氏は、その銃の輪郭をにらみつけていたが、
やがて、怒りで顔を赤らめ、からだを震わせた。
すると突然、P氏は保安官の腕をつかんでいった。
「妻を殴り殺した悪魔を必ず見つけてください」
「全力を尽くしますよ」 保安官は答えた。
「必要とあれば、私は5万ドルの懸賞金を出しましょう」
P氏は、犯人逮捕のためなら協力を惜しまない姿勢を示した。
「無駄遣いすることはありませんよ」 H警部が声をあげた。
「犯人を見つけるのは、そう難しくはないでしょうからね」
さて、いったいどういうことだろうか。
名探偵のみなさん、いかがですか。
華麗な謎解きを期待しています。
by スグル