赤恥かくもよし | ザ・マシンガンズの必殺技(絶望日記)

ザ・マシンガンズの必殺技(絶望日記)

 心にうつりゆく よしなしごと

地球温暖化の危惧が叫ばれるようになって久しいですが、

こうも酷暑が続くと、本当にそうなのだろうと思い知らされます。


特に都市部の暑さは、尋常ではありません。

冷房の室外機や自動車から立ち込める熱気、そして、ひといきれ。

まさに、「熱の島」という形容は、いい得て妙です。


涼を求めて、郊外へ出るひとも少なくありませんが、

私のような「貧乏暇なし」には、そう易々とは叶いません。

遺憾ながら、いま私と同じ境遇であるという方に、

お気に入りの詩を一篇、一服の清涼剤として紹介します。



葉月

             阪田寛夫


こんやは二時間も待ったに

なんで来てくれなんだのか

おれはほんまにつらい

あんまりつらいから

関西線にとびこんで死にたいわ

そやけどあんたをうらみはせんで

あんたはやさしいて

ええひとやから

ころしたりせえへん

死ぬのんはわしの方や

あんたは心がまっすぐして

おれは大まがり

さりながら

わいのむねに穴あいて

風がすかすか抜けよんねん

つべとうて

くるしいて

まるでろうやにほりこまれて

電気ぱちんと消されたみたいや

ほんまに切ない お月さん

   お月さん やて

あほうなことを云いました

さいなら わしゃもうあかへん

死なんでおれへん

電車がええのや

ガーッときたら

ギョキッと首がこんころぶわ

そやけど

むかしから

女に二時間待たされたからて

死んだ男がおるやろか

それを思うとはずかしい



男性のみなさんに限らず、女性のみなさんにも、

一度ならずこんな心境の変化を経験されたことがおありでしょう。

その捉えようのない、色恋沙汰のニュアンスを、

大阪弁を用いることで、余すところなく見事に表現しています。


「ほんまに切ない お月さん」


                                     by スグル