ベルナール・ビュフェという画家をご存知でしょうか。
身近なところでは、大阪・梅田の『阪急三番街』の文字と蝶、
また『新阪急ホテル』の花のマークがビュフェによるものです。
「ビュッフェ」とも呼ばれ、私が好きな画家のひとりです。
圧倒的な力強さ、漂う悲壮感、意味深長な滑稽の相対の中に、
人間の本質を垣間見ることができます。
1928年、パリに生まれたビュフェは、
第2次大戦後の具象絵画の代表的な作家で、
20歳で「批評家賞」という権威のある賞を受賞し、
若くして一躍有名人になりました。
硬質で鋭く太い、針金のような輪郭線、
鋭角的なフォルムと、強靱な描線、
モノトーンに近い色彩など、独自の画風を築き上げました。
彼の作品には、孤独や疎外、苦悩と不安が満ちています。
それは、第2次大戦の荒廃した時代を具現化し、
不条理を代弁するものとして多くの共感者に受け入れられました。
よって、ビュフェは、“時代の証人画家”とも賞賛されたのです。
ビュフェ芸術において、絵画とともに版画の占める位置も重要です。
ビュフェは、画家にして版画家でもあり、
リトグラフとドライポイントを手がけていました。
特に、「線の画家」とも呼ばれるビュフェにおいては、
銅版に絵を直彫りし、凹面にインクを詰めて刷るドライポイントが、
鋭いフォルムや描線を表現するのに適していたのです。
静岡県長泉町には、彼の作品のみを収蔵・展示する、
「ベルナール・ビュフェ美術館」があり、私も数年前に訪れました。
常に新しい作風を追い求めたビュフェは、
71歳で自ら命を絶ち、その生涯を閉じました。
以下は、彼が残したとされることばです。
「よく狩りをする者は、よく獲物を見つける」
今日7月10日は、彼の誕生日です。
by スグル