あいた口が塞がらぬできごと。
家の近くにあるコンビニに向かって歩いていると、
後ろから自転車に乗ったちいさな女の子がやってきて、
そのまま私を追い抜いていきました。
さらに、そのあとをその子のお母さんが、
やはり自転車に乗って、私の横を通り過ぎていきました。
目の前にあった歩行者信号が赤に変わり、
ちいさな女の子は、その直前で停まりました。
あとを追っていたお母さんは、他人の目もはばからず、
躊躇することもなく、直進して行ってしまいました。
「ママー!」
女の子は、お母さんを叫んで呼び止めました。
「なにしてるの!早く来なさい!」
お母さんは、鬼のような形相で、女の子を睨みつけて怒鳴りました。
女の子は、遠ざかるお母さんを見送り、信号が青に変わってから、
きちんと左右を確認して、お母さんを追いかけていきました。
コンビニに着くと、さきほどの親子がいました。
お母さんは、パンや飲みものをかごに入れていました。
女の子は、おまけつきのお菓子を手にとり、黙って見ていました。
お母さんは、女の子に目をやると、つかつかと歩み寄りました。
「触るな!戻せ!」
お母さんは、女の子の手からお菓子を取り上げ、棚に戻しました。
「だから、お前と買い物に来たくないのよ!」
お母さんは、鬼のような形相で、女の子を睨みつけて怒鳴りました。
女の子は、とりわけ騒ぎ立てることもなく、
黙ってお母さんの後ろについて店を出ていきました。
あの女の子が、純粋で素直な心を失うことなく、
健全に育ってくれることを願わずにはいられません。
by スグル