ミステリの女王、アガサ・クリスティの作品に登場し、
数々の難事件を解決に導いた、名探偵エルキュール・ポアロ。
彼は、会話の端々でフランス語を使い、
英語にも独特のなまりがあるので、よくフランス人と間違われますが、
実は、ベルギー人なのです。
本国では、警察署長にまでなった敏腕刑事でした。
退官後は、戦火から逃れるためにイギリスへ亡命し、
ロンドンで私立探偵として開業したというわけです。
さて、今日はミステリクイズ第5弾です。
〈難易度 ★☆☆☆☆〉
M氏は、会社の金を使い込んだとして、
事業から手を引くようにと共同経営者であるN氏から言い渡された。
もはや言い逃れはできなかった。
「話は以上だ。悪いが引き取ってくれないか」
M氏は呆然と腰をおろしたままだ。
ここへ来るときには降っていなかった雨が、窓ガラスをたたいて響く。
「10時に客が来る約束になっているのでね」
時計は10時15分前を指している。
「客ってのは、あの女か」
「ああ」
「ずいぶんともめているようだな」
「よけいなお世話さ」
そう言って、N氏が背を向けたとき、
M氏はテーブルの上の灰皿を取り、N氏を殴り殺してしまった。
自分の触れたものについた指紋は、念入りに全て拭きとった。
電気は全て消し、玄関からそっと外へ出た。
雨は、すでにやんでいた。
彼は足跡を残さないように門の外へ出た。
しばらく待っていると、一人の若い女が入っていった。
それを見送った彼は、大急ぎで近くの警察分署に走っていった。
「10時に約束をしていたので家を訪ねたのですが、
「ベルを鳴らしても、戸をたたいても誰も出ないのです。何かあったんだ」
そう言って、M氏は刑事を連れてN氏の家に行った。
そっと裏へ回ってみると、明かりのついた書斎で、
女が机の引き出しの中をかき回していた。
もちろん、女はN氏を殺したことを否定したが、状況が悪い。
刑事は女を逮捕し、警察で尋問することにした。
そこで、刑事はM氏に、車を出してはもらえないかと申し出た。
M氏がそれを快諾し、車を出そうとしたとたん、刑事はM氏にこう言った。
「彼を殺したのは君だね」
いったい、どういうことだろうか。
名探偵のみなさん、いかがでしょう。
「灰色の脳細胞」を働かせてください。
by スグル