「ザ・マシンガンズの必殺技」が立ち上げられて、はや2週間余り。
毎日このブログに記事を書くのが日課になってきました。
とにかく文章を書くのは楽しい。
それを誰かが読んでくれていると思うと、なお楽しい。
とはいえ、先日も書いたように、いわゆる産みの苦しみもあるのです。
特に気を遣うのが、書き始め、冒頭です。
読み手の興味を引きつけ、
なおかつ本題につながなければならないのです。
落語ではこれを「枕」と言います。
落語家の良し悪しは「枕」で決まるとも言われるくらいで、
やっぱり冒頭のお話はとても重要なのです。
私が知る限り、巧妙な「枕」で有名なのが、
前上方落語協会会長、人間国宝の桂米朝です。
米朝の「枕」はとにかくおもしろい。
機知に富んでいて歯切れがよい。
せっかくですから、印象に残っている「枕」をひとつ紹介しましょう。
これは「鹿政談」という話の「枕」です。
ずっと昔のこと。
大仏さんの目玉が腹の中へ落ち込んだことがあったそうです。
近々東大寺で法要があるというのにどうしたものか…
お坊さんが寄りあって相談したのですが、
足場を組むだけでも一日ではとても難しい。
修理をしている間がないので、ほとほと困り果てていると、
子どもをひとり連れた職人風の男がやって来て、
これを十両で請け負うと言いました。
どうやって直す?
「十両くれたら直す」
足場は?
「足場なんか要らん」
何日ぐらいかかる?
「そんなもん、一刻もかからん」
わらをもすがる思いで十両の金を渡すと、
先にかぎ金のついた綱を取り出して、
これをぐるぐると振り回していたかと思うと、
見当をつけて、ヤアッと投げつけました。
すると、これが目の縁へ引っ掛かったのです。
傍らの柱に結びつけて子どもに「行け」と言うと、
その子がその綱にぶら下がってスルスルッと目のところまで行きました。
そこから体内へ入ります。
実は、大仏さんの体内には創建以来、足場があるのだそうで、
そこへ身を乗せると、かぎ金など要らないとばかり、
はずして下へ放り返してしまいます。
垂れ下がっている目玉をグッと押し込んで、
腰に差していた金づちで、カンカンカンカンカンカンカ~ンッ……
目玉の修理はできましたが、
子どもは中へ閉じ込められてしまいました。
「おい、えらいことなったで。あの子どもはどうなるんかいなぁ?」
みんなが心配していると、その子が鼻の穴から出てきました。
「いやいや、賢いやっちゃなぁ」
見物人は一様に感心しきりだったそうです。
それから賢いひとのことを「目から鼻へ抜ける」というのだとか…
落語を聞いていると、いろいろと勉強になると言いますが、
くれぐれも自慢げにひとに言わないでください。
恥をかきますよ…
by スグル