息子の運動会、
近年減っていると思っていた組み立て体操が
最後のプログラムとして組まれていました。
昔と違って猛暑の中、
練習する子ども達。
そして、
昔と違ってあまり人を担いだりすることもない。
練習の大変さは息子から聞いていて、
他の校区では組み立て体操をやらないことも聞いていて、
なぜ今あえて組み立て体操を
プログラムに盛り込んだのかな、って
思っていました。
そして迎えた当日。
息子たちが見せてくれた姿は、
とても凛々しく力強く、
自信に満ち溢れていました。
練習の成果を見せてやろうじゃないか!
そんな気合が伝わってくるようでした。
組み立て体操は、
ともすれば昭和の象徴、
令和の時代にはそぐわないもの、
という風に捉えられがちです。
私もついこの間までそう感じていました。
ところが、
目の前の子ども達は、
生き生きと技を見せてくれる。
辛そうな表情なんて少しもなく、
自信に満ち溢れて、
練習を乗り越えてきた晴れやかささえ、
感じました。
彼らが入学したのは2020年。
世の中がコロナ禍に突入した年でした。
一斉休校、嘘みたいな現実でした。
通学って、
授業って、
宿題って、
給食って、
朝礼って、
掃除の時間って、
放課後って、
他の世代なら当たり前の学校生活が、
全て違うスタートを切って、
3年後、
コロナが5類感染症移行に伴い、
学校生活は徐々に元の体制に戻り始めた。
この揺り戻しは、
大人でさえ感じたのだから、
子ども達が感じないはずがない。
息子も随分荒れた。
私も当然エネルギーを消耗したし、なんとか乗り越えようととにかく息子のモヤモヤと全力で向き合った。
仕方ない。
小さい心が一生懸命自分の思いを叫んで、
まわりの愛情を試している。
生きてていいの?
何がだめなの?
何が正しいか本当に分からないんだ!!!
言語化できない苦しみは、
想像に堪えない。
けれど、
子ども達はすごい。
健気に現実を受け入れようとする。
大人の事情を敏感に察知する。
自分の信念を着実に育てている。
きっと、
コロナ禍前に成人した私たちより、
彼らの方が懐が深く、思慮深い。
そして、生き方が多様化しているから、
運動会に参加するしないも
こだわらなくていいことも
子ども達が一番理解してる。
あぁ〜、
きっと私はこの先、我が子より経験値が勝ることはないな。本気でそう思っています。
組み立て体操を披露する息子をみて、
そう感じました。
そして、もう一つ。
息子とペアを組んだ子のこと。
彼は幼稚園の頃に、
毎日のように息子と喧嘩になって、
迎えに行くたびに息子は泣いていたし、
2人して先生に呼びだされていた。
数年経って、
彼と息子がペアを組み、
力を合わせて技をする姿は、
感慨深くて、
感動的でした。
息子も彼のことは嫌いじゃない。
いいやつなんだって分かっている。
それを証拠に、
今でも時々うちに遊びに来るし、
息子も嫌がったりしない。
数年経って、
そんな関係性を見せてもらえるって、
これこそ
親冥利に尽きるって話。
神様ありがとう。
こんな日を与えてくれて。
