
昨日は娘の参観日でした。
3学期の参観は、劇あそび。去年はかわいらしい「おおかみと七匹の子やぎ」の演技を見せてもらいました。今年は、「まほうつかいのむすめ」。
私は初めて知ったお話で、先生からこの物語を劇にしますとお聞きしてからずっと楽しみでした。
でも、あらすじを聞くだけですごく泣けてくるというか…。切ないお話で。
物語は、魔法使いが、家族と一緒にくらしていた娘をお城に連れてくるところから始まります。そして、二人暮しが始まります。娘はそこで暮らすうちに、家族との記憶がだんだんうすれていき、名前をよばれる不思議な夢をみるようになります。娘は魔法使いから、「むすめ」としか呼ばれていないのです。
お城の暮らしは何不自由なく、退屈を訴えれば魔法使いが色々な魔法をみせてくれました。でも、むすめは退屈で、なんだか寂しくてたまりません。
魔法使いはだんだん自分が年老いていくことを恐れ、不死を得るため、難しい本ばかり読みふけるようになりました。
ある日、本を読ませて欲しいとむすめは魔法使いにお願いをします。すると、しかたなく魔法使いは本を与えました。
むすめは本を読むうちに、この世に家族があること、お母さんという存在があること、そして、自分にはお母さんがいないのだろうか、と疑問を持ち始めるのでした。
私のお母さんはどこにいるの?
魔法使いに聞いてもごまかされ、本当の事は分かりません。ついに、むすめは意を決してお母さんを探そうとお城を出ていきました。
お母さんを探す道のりは険しくて、激しい吹雪の中、ついに力尽きてしまうむすめ。
物語はあと少し続くのですが、最後まで背景にあるのは、家族ってなんだろう、自分はどこからきたんだろう、愛情って、幸せって、一体なんだろう…という深いテーマで、考えさせられるお話でした。
特に母親目線から見ていると、母親と離れ離れのむすめが抱いている寂しさとか、お母さんがいるかもしれない!っていう希望とか、必死になってお母さんを探そうともがく姿とか、とても心を打たれることばかりで…、それを劇で子どもたちがまっすぐに演じているので、余計に感動させられてしまいました!
最後のシーンで、むすめが話す「お腹いっぱいにならなくても、愛情があればそれでいいの」という言葉は、なんというか、なんというか、なんというか〜、こどもの心ってほんとシンプルに愛情が必要なんだな、って思い知らされます。
自分もこどもだったんですけど、そういうの忘れてしまうんだなぁ〜。いや、忘れてはないけど、気が付きにくくなってしまってる。親として精一杯やってると思うから、ついついこどもが一番求めていることとズレてても気が付かないのかも。
劇が終わってから、子どもたちが家族のところへ「どうだった?」ってかけよってきたので、「すごく良かったー!感動したわー!」って言ったら、娘の目にみるみる涙が溢れて、おいおい泣き出してしまいました。それを見て、私もビックリしながらもらい泣きしてしまいまして(ToT)
「なんでそんなに泣いてるの?」って聞いたら、
「ほめてもらったからー(ToT)」
えー、おかんはそんなにほめてなかったのかなー!ビックリしました。結構ほめてるつもりだけどな(笑)
当日まで、家では緊張してそうには見えなかったけど、勝ち気な娘はたぶん自分でも無意識のうちにプレッシャーを感じて頑張らなくては!って、気持ちが張りつめていたのかもしれないな〜。
セリフも多いし、何役もこなさなければいけないし、風邪やインフルエンザでなかなか全員そろわないし、通しの練習は1週間前までできなかったらしいし、よくここまでやり遂げられたと思います。先生もみんなの力を引き出すの大変だったはず。
ひたすら感動して帰ってきました。
舞台の裏からは、衣装の着換えや背景の差し替えなど、裏方の仕事を助け合う声掛けが聞こえてきてました。裏でもみんな協力してたんですね。たった10人で難しいテーマの劇を完成させたこと、みんなで力を合わせて大成功させられたことを、これからの人生でずーっと覚えていて欲しいな〜と願ってます!