
息子、最後のお寺サロン。
まだ離乳食が済んだくらいの頃、お友達の紹介で初めて参加しました。
近くのお寺でボランティアの方たちが月一回開く子育て応援の会。
就園前の親子なら誰でも参加可能、絵本の読み聞かせ、手遊び、お散歩、そしてお昼ご飯まで、ひとり100円のお賽銭で楽しませてもらえます。
でも、このお得感に惹かれただけではなくて、この会で大切にしているお約束に強く共感したから。
本を大切にする。
脱いだ靴はきちんと揃える。
あいさつはちゃんとする。
小さな小さな子どもたちが集まるこの会で、自由奔放にさせるのではなくて、教えるべきことはきちんと教える、という考え方はすごく嬉しかったです。あぁ、こんな場が身近にあった!
絵本を読み始める時は静かにする。
座って聞く。
これは子供達だけではなく、母親に対しても同じで、私語は慎むようたしなめられる場面もあります。子供は大人の姿を見て育つ、という考え方です。
お散歩はまだ歩けない子のためにカートも用意されていますが、歩ける子も乗りたがるので、乗せてくれます。ただし、1台しかないので、乗れる人数には限りがある。すると、どうしても乗りたくても乗れない子も出てくる。歩ける子は歩こう!行きに乗った子は帰りは歩こう。譲ってあげよう。ときに我慢も必要だと、身を持って感じさせられるわけです。
息子は車大好きなので、最後の日も乗りたがりましたが残念ながら満席。今まで運良く毎回乗れていたので、不満爆発、泣きわめきました!でも、簡単には乗せてもらえない。だって、歩けるもん。
あなたは歩けるから歩こう!
乗りたいなら帰りに乗せて、って言ってみよう!
そう声をかけたけど、息子は乗れなかったのが納得できずにただただ「いやだー!」と泣き叫ぶばかりで。
じゃあもうお散歩やめて、みんな帰ってくるの待ってる?
いやだー!のりたいー!
のりたいなら今からみんなを追いかけないと、帰ってきてしまうよ、もう乗れないよ。
いやだー!のるー!
じゃあ、今からおいかけよう。
いやだー!
これを何度か繰り返していたら、ようやく
いく。
そう言って歩き出しました。
息子は、いやどんな子でも同じかもしれないですね、しばらくするとどうすればいいか分かって行動にうつせます!時間はかかるけど、とても感情をぶつけてくるけど!けど、息子はやればできる子、彼のタイミングでちゃんとやる、そこはおかんには確信があります。だから、待ちます。泣いても喚いても、どうすればいいか受け入れられるまで。必ず、必ず、分かる。
どんな気持ちでいたのか、息子はひたすら走ってお散歩しているみんなのところまで向かいました!ほんとにえらい。合流してお友達やお友達のママ達には、エライね!ちゃんと歩いてきたね!あんなに泣いてたのにちゃんと泣き止んでここまで来たのがすごい!ってほめてもらってました。
そして帰り道。
おかあさん、はやくいこう!
また、歩き出しました。
あんなカートに乗りたがっていたのに、帰りに乗せてもらえるかな、って期待もあったでしょうに、どんどん歩き出しました。
歩いてるね(笑)
乗らなくてよかったの?
ママ友さんとつい笑ってしまいました(笑)
半分ほど歩いて、
のりたかった!
と立ち止まる息子。
すると、
頑張って歩いてきたもんね、乗せてって言ってごらん!
ってスタッフの方が声をかけてくれて、
乗せてください。
おそるおそる頼んでみる息子。
あ!乗る?どうぞ!
って、カートにも空きがあったので乗せてくれました。
ようやく乗せてもらえて、ご満悦でした(*^^*)
我慢しなければならないときもある。すぐに受け入れるのは難しいことだけど、なんども体験して乗り越える事がきっとこれから役立つはずです。
お昼ご飯も、これまた自由気ままにはいかなくて、まずメニューが子供受けするものではないのです。野菜や豆、魚など、ハムやドーナツ好きな息子にとっては毎回ほとんど食べたくない食べ物ばかり。
初めて参加した日は、食べるものがない!といってひたすらのたうち回って泣きました。
どうしたの?そんなに泣いて。
ハム!ハムー!
あぁ〜、それはないわね〜、仕方ないわねー。
スタッフの方も息子のためにわざわざ特別な対応はせず、見守るのみです。
結局なにも食べられず初日は帰り、こりずに2回目3回目参加してもハムがないと泣きました。
メニューだけでなくて、いただきますのタイミングにもグスってました。配膳が全員に済んで、
手を合わせましょう。
今日この日に与えられた食事に感謝して…………
という唱和をみんなで唱えます。
その後やっと「いただきます」と言って、やっと食べ始められるんです。
これまた息子には待てなくて、食べたいのに食べられない、待つイヤー!と泣きました。
こりずに続けて参加して、4,5回目頃、息子は、おとなしく手を合わせ唱和の間静かに手を合わせ、大きな声でみんなと一緒に「いただきます!」って言えました。この時は本当に感激して、わぁーすごいね!いただきますって言えたねー!って大喜びしてしまいました(*^^*)
それに、初めておにぎりをつかんで自分でラップを外して、食べ始めました。もくもくパクつき、飲み込んで、
おかあさん、おいしーね!
ってそれはおいしそうに満足そうに言ってくれました。
そうやね、ほんとにおいしいね!
とても嬉しくて、今でもすごく覚えています。
おにぎり以外はほとんど毎回食べるものがない息子でしたが、味噌汁を飲むようになり、野菜を食べてみるようになり、少しずつ食べられるようになってきました。
そして最後の日、ふるまわれたイチゴ、イチゴなんていつも食べようともしないのに、食べたんです。
最後の日を迎えて、息子には成長のあとを見せてもらえました!がんばったね!
決して楽しいことばかりではなかっただろうけど、まだ小さいうちだからこそ、我慢や忍耐を学んでおくことができて本当に良かった。