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こんばんは! Machinakaです!!!
今回ご紹介する映画はこちら!
「ジュピターズ・ムーン」
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久しぶりに来ました、カンヌ映画!!!
といっても、受賞はしてないみたいなんですけどね、でもカンヌに出品された映画が日本で公開されることは嬉しいです。
前に評論したカンヌ映画は河瀬直美監督の「光」でしたかね。
とにもかくにも一筋縄ではいかないカンヌ映画、しかもSFということで、どんなメタファーがあるんだ、どんだけ難解な映画なんだって不安になりまくりな状態で鑑賞してまいりました。
自由に空を飛べるだけじゃね、SF映画としては新規性もへったくれもありませんからね。だからなんなんだって話ですからね。
カンヌのコンペティションにまで勝ち進んだ良作を、この目で確かめるぞ!!
それでは、「ジュピターズ・ムーン」批評いってみよ〜〜〜!!!!
[あらすじ・見どころ]
・「ホワイト・ゴッド 少女と犬の狂詩曲」で第67回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門グランプリを獲得したハンガリーのコーネル・ムンドルッツォ監督によるSFドラマ。
・人生に敗れた男と超能力を持った少年が繰り広げる逃避行を、移民問題やテロリズムといった社会問題を絡めつつ圧倒的な映像表現で描く。
・父とともに祖国シリアを逃れハンガリーを目指す少年アリアンは、混乱の中で父とはぐれ、国境を越えようとしたところを国境警備隊の男ラズロに銃撃されてしまう。
・瀕死の重傷を負ったアリアンは、難民キャンプで働く医師シュテルンのもとへ運び込まれる。医療ミスで患者を死亡させた過去を持つシュテルンは訴訟を取り下げてもらうために大金を必要としており、恋人ベラと共謀して違法に難民を逃して金を稼いでいた。
・シュテルンの診察を受けたアリアンは体調の異変を訴え、シュテルンの目の前で重力を操って浮遊してみせる。成り行きからアリアンを連れて難民キャンプを後にしたシュテルンは、アリアンの能力を金儲けに利用しようと思いつくが……。シュテルン役に「宇宙飛行士の医者」のメラーブ・ニニッゼ。
ハンガリーとドイツの合作ということで、いわゆる東欧の映画でございます。日本ではほとんど公開されることのない、というか数自体も少ないと思いますが、とっても珍しい映画でございます。
監督は「ホワイト・ゴッド」でカンヌのグランプリを獲ったみたいです。でもごめんなさい、知らないです。。
私が見たハンガリー映画といえば「サウルの息子」ぐらいですからねー。。。もっと勉強せねば。
監督・キャスト共に全く見たことも聞いたこともないです。だってこのキャスト、知ってます?
- メラーブ・ニニッゼ : シュテルン医師
- ゾンボル・ヤェーゲル : アリアン
- ギェルギ・ツセルハルミ : ラズロ
- モーニカ・バルシャイ : ヴェラ
まず名前が難しいよw アメリカの俳優ではほとんど見ない名前と名字ばかりで、でも「ハルミ」って名前にはなぜか親近感が湧きますねw
さて、物語はシリアからの難民ということでね、なんともシリアスな内容なんだって、、、、
すいません、30に近づくとね、ダジャレが好きになってしまって止められないんですわww
もう消したけど、タイトルにあるシリアに"シリア"って""マークを付けちゃって、、、
認めるけどキモいっすわ・°・(ノД`)・°・
ダジャレを考えるよりも映画の内容考えろって話ですわ、、、
はい、というわけで非常に歯切れの悪い中、映画の感想に入りますーーー。
の前に、不定期に書いているポスター批評から行きますか。。
ポスター自体は非常にシンプルで、まるでインセプション的な曲がりくねった街を背景にして、限りなくグレーに近いブルーから黒みがかった薄い茶色のグラデーションで表現している。この色使い、全体としてダークで現実離れした印象を持ちます。
調べてみると、この茶色はカレー色らしいですね。うん、ハンガリーなのにカレー色なんだ。まぁウ◯コ色とも言いますけどw
そう考えると、空中に浮いている彼が街にウ◯コを撒き散らしているような、地獄絵図にも思えてくるw
ただ、街を背景にカレー色に塗ると、退廃した街のような印象も見受けられるし、ちょっと世紀末感が出ますよね。うん、グラデーション好きのMachinakaとしては、シンプルかつ美しいポスターとなってました!
まぁ、も少し真面目な見方をするとですね、ジュピター=木星ということで、木星の色を考えてデザインしたのかもしれませんね。木星の茶色と非常に似ています。
https://ja.wikipedia.org/wiki/木星
さて、お待たせしました。
それでは映画の感想でっす!!
[映画の感想]
・一言感想
超難解のようで冒頭にヒントがあるタイプの映画。絶対に遅れるな!! シリア難民、キリストに代わってお仕置きよ♡
・映画を理解するには?
はい、既に映画を見終えてきたMachinakaでございます。
もうね、この映画を語る上では、この画像一枚でおっけいだと思います。はい、どうぞ!!
この画像はですね、EUを表すマークなんですけどね、これで全て説明ができますよ。
まずこの映画、冒頭に説明があってですね。
「木星を回る衛星をガリレオ・ガリレイが発見した。その一つにエウロパがある。」みたいな話をするんですよ。
映画なのにいきなり説明文入ったよw これでよくコンペに出れたな!って思っちゃったんですけど、実はこれがものすごいヒントになっていて、、
「マッドマックス怒りのデスロード」にも「これは神話である」的な説明が出てきましたけどね
つまり、間違いなく「エウロパ」という衛星が物語に非常に関係してくるんですけど、、、それだけじゃなんじゃそれ!?って感じですよねw
どこのブログも解説しているかと思うのですが、念のため確認しておきましょう。
突然ですが、「エウロパ」って10回言ってみましょう!!
はい、
エウロパ!
エウロパ!
エウロパ!
エウロパ!
エウロパ!
エウロパ!
エウロパ!
エウロパ!
エウロパ!
エウロパ!
ゲシュタルト崩壊してきたところで、次はローマ字に変えて言ってみてください!!
EUROPA!
EUROP!
EURO!
EUR!
EU!
もう分かりましたね? エウロパとは、実はEUのことを指してたんですよね!
ってそもそも、エウロパって衛星を名付けたのはギリシャ神話にてゼウスが恋したエウローペーという王女にちなんで名付けられたんですよね。
で、エウローペーはヨーロッパ中を駆け巡ったそうで、今のヨーロッパの語源となっているという話なんですよ。
以上をまとめるとですね、エウロパという衛星=エウローペー=ヨーロッパを駆け巡るという図式になるんですよね。
そして、エウロパというのは木星を回る衛星であり、常にどこでも木星を見ている。見守っているということ。
この映画のメッセージとしてはですね、今のヨーロッパを駆け巡る現状を、世界の人々に届けたい、見ていてほしいというメッセージになっているんですよね!
また、主人公の難民の少年は、宙に浮いているだけじゃなくて重力を操り、クルクル回っている。
これ、どう考えても衛星の自転を象徴してますよね。
つまり、主人公は殺されてから衛星になったとしか思えない。また、天使にもなっている。だから空を飛んでいる設定になってるんだと思います。
堕落した医師がさんざん、「天使はこの世にいるなんて信じられないだろ?」というセリフを吐いてましたが、あれは主人公が天使であることを逆説的に説明してたんですよね。
で、この説明を踏まえて、ティツィアーノ・ヴェチェッリオの「エウロパの誘拐」という絵画を見てみましょう。
エウロパを取り囲むように天使が飛んでますね。これは、今作でいう浮遊した主人公のようにも思えます。そして、天使たちの視線の先には必ずエウロパがいて、エウロパを見つめているようにも見えます。
つまりですね、この絵画はエウロパ=ヨーロッパを、天使=衛星=主人公が見つめているように見えるんですよね。
つまり今作の特徴である現代EUにも繋がってくるんですけど、、
エウロパを見つめる天使は、現代EUを見つめる主人公と符合するのですよ。
って映画見てるだけじゃ分からないっつーのw
この観点で、もう一度映画を見ると面白いと思います!
[地政学で見るハンガリーと難民]
EUで難民モノって、ドイツやフランスでもたくさん映画があるじゃねぇかって話なんですけど、、、
実はですね、ハンガリーはEUを象徴するシェンゲン協定の国の中で、シリア難民からしたらハンガリーはEUの入り口となる国なんですよね。EUを仮に国とするならば、ハンガリーは国境という位置付けになる。
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ギリシャが近いじゃんって思いがちですが、ギリシャから北はEU加盟してないですからね。ハンガリーに入ってしまえば、すぐにチェコやドイツに行けてしまうんですよね。
で、ハンガリーとしてはですね、シリアからの難民を毛嫌いしているみたいで、グーグルで調べれば凄いニュースがいっぱい、、、
映画にもあった通り、ハンガリー国民が難民に対して酷い対応をするのは、紛れもない事実であり、映画の脚色ではないんですよね。
もっと調べてみると、ハンガリーはそもそも移民は少なく、外国人に対する抵抗が非常に高いらしいんです。
ま、東アジアの某島国と同じってことですよね笑
そんな難民を殺してしまう警官。これも事実なんでしょうね。
殺されてしまった難民が空に舞って、純ハンガリー人とタッグを組んで、親睦を深める様子はハンガリー人と難民の友好を示すものだし、何より難民がキリスト教で言うところの「天使」になるというのは、宗教を超えて難民と仲良くなろうよというメッセージなんでしょうね。
何だか湿っぽくなってしまいましたが、ってか言い忘れてましたけども、映画自体はメッチャクチャ面白かったですよ!!
全体的に薄暗いシーンはハンガリーの難民に対する冷たい空気を反映していたし、何より世紀末感あふれる夕焼け、、、、
そして、何よりこの映画が35mmフィルムで撮られているという事実ね!
誰もが気づいたと思うけど、この監督「インセプション」100回くらい見てるよねww
うん、まるで一緒だったからねw
強いて言うなら、クレーンで吊るされているシーンもあって、どっちかと言えばインセプションを超えたんじゃねぇか!?笑
[最後に]
実はですね、この記事をエントリした時は木星のことを土星と言ってしまっていたようで、、、
アイキャッチ画像にセーラームーンに出てきたこの子を使ってたんですけど、、、
よくよく調べてみると、なんとこの子は土星を模してるんだそう、、、 セーラーサタンなんだって、、
なんたる凡ミス、というか勘違いも甚だしい。大変失礼しました。今になって思うけど、俺の頭の中はどうなってたんだw
このミスを勇気を持ってご指摘いただきました、PN.ともさんに感謝します! いつもコメントありがとうございます( ^ω^ )
ちゃんとセーラージュピターにアイキャッチ変えましたからね!
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