こんにちは!
machinakaです!
今回批評する映画はコチラ!
「光」
はい、カンヌの常連! あの河瀬直美監督の最新作でございます。
間違いなく、日本人監督としてトップクラスの映画監督の作品。
こりゃあ観るしかねぇだろ!!
ただ、配給があまり大きなところではないので劇場公開は小さめ。
でも全国で上映されるのは河瀬直美さんの実力あってでしょう、、、
というわけで、日本映画界の宝! いや光、、笑
河瀬直美の最新作「光」批評いってみよーーーー!!!!!
[あらすじ]
・「萌の朱雀」の河瀬直美監督が「あん」に続いて永瀬正敏とタッグを組み、「ユダ」の水崎綾女をヒロインに迎えて描いたラブストーリー。
・人生に迷いながら生きてきた女性が、視力を失いゆく天才カメラマンとの出会いを通して変化していく様子を描く。視覚障がい者のための「映画の音声ガイド」の制作に従事している美佐子は、弱視のカメラマン・雅哉と出会う。
・雅哉の無愛想な態度に反感を覚える美佐子だったが、彼が撮影した夕日の写真に感動し、いつかその場所に連れて行って欲しいと思うようになる。そして、視力を失っていく雅哉の葛藤を間近で見つめるうちに、美佐子の中の何かが変わりはじめる。
・共演に「日本のいちばん長い日」の神野三鈴、「るろうに剣心」シリーズの小市慢太郎、「龍三と七人の子分たち」の藤竜也。
http://eiga.com/movie/85908/
[監督]
監督は河瀬直美さん
はい、日本の女性監督の中では間違いなくトップクラス、いや実績的にいけばナンバーワンでしょう。
とにかく、河瀬直美の作品が上映されたら見に行け!!
と言いたいところですが、多作じゃない人なのであんまり観るチャンスはないかもです。。
はい、河瀬監督はですね、文字どおりカンヌと親しいお方です!
2007年に「もがりの森」にてカンヌで最高賞パルムドールを獲得し、その後も作品がカンヌのコンペティション部門に。
そして、現在ではフランスのチームと組んで映画製作をしているという、筋金入りのカンヌ監督なんですよ(^o^)
映画監督なら誰でも憧れるカンヌ、その覇者が河瀬直美なのです!
ちなみに、カンヌがなぜ凄いかと言うと、今までに見た事のない新しい挑戦をしているか、これに尽きるんですよ!
映像でも脚本でもなんでもいい。とにかく新しい表現をしてたらいいんです。
ただ、映画の歴史が始まって150年くらい経ち、もう人類は映画を撮り尽くしてしまった、とまで言われてる世界です。
その中で!! カンヌで賞を取る人は本当に凄いよ!!!
はい、ということで今回の作品は次第に視力を失っていく障害者、永瀬正敏が音声ガイド付き映画のモニターになり、そこで音声ガイドの原稿を作る若い女性と恋に落ちていくという、、、
こんな話、聞いた事ねぇよ!!笑
はい、そもそも音声ガイド映画を題材に扱った作品なんて、本当に見た事ないです、私。
はい、ということでとっても不思議なお話です。
それでは映画の感想です!!!
[映画の感想]
とにかくこんな映画見たことない!!!
視覚障害者のための音声ガイドが焦点になっている映画なんて、、、
そもそも、この映画を見るまで「映画を音で見る」という発想は私にはなかった。。
視覚障害者の方には大変失礼な言い方かもしれない。
でも、私にとっては視覚障害者の方がどうやって映画を見るか、想像がつかなかった。普通だと音だけでは映画を見ることは難しい。そのために、音声ガイドの意義がある。
ただ、この映画は単に音声ガイドにスポットライトを当てた映画じゃない。音声ガイドを通して、視覚障害者と健常者の映画を見る価値観について説いている。
そして、視覚障害者の方は映像自体は見えないものの、映画の見方は本当にわかってらっしゃる。素晴らしい。
「私はスクリーンに立っていることを想像して映画を見ている」
「映画を見ている時は、すごく想像しながら見ているんですよ」
こんな想像力ある方、健常者の人でもなかなかいない。。
しかし、感じるのは世の中に音声ガイド付の映画などそうそうないだろう、ましてや全部の映画に音声ガイドが付いているわけでもない。我々と比べて、見れる映画が圧倒的に少ないのは事実。しかし、その少ない映画の中で、そこまで集中力を使って観ているとは、、
普段何気なく見ている映画だけど、もっと真剣に、想像力を膨らませてみるのもいいかもしれない。我々にはそのチャンスが多く与えられていることを再確認しました。
[音声ガイドの難しさ]
はい、今作はですね、永瀬正敏と水崎綾女さんの恋模様とか、いろいろあるんですけど、、、
私が伝えたいのは、今作で焦点が当たった「音声ガイド」という仕事。
これは、視覚障害者の方向けに映画を音声で解説するというお仕事なんですが、これが本当に難しい仕事なんですよ。
例えば、ニュース番組など事実を的確に伝えるのであれば、映像に流れていることを直接、説明的に音声にすればいいと思うんですよ。
しかし、映画の場合は観客の考える余地などを考えて、説明的すぎてもいけません。観客の行間を読み、適度な感覚で状況説明しなければいけません。
最終的な目的は、映画が分かることではなく、映画について考えてもらうことに音声ガイドの意義があるのです。
主人公の水崎綾女ちゃんは音声ガイドの仕事をしており、試写会において視覚障害者の方に自分の音声ガイドをテストしてもらうのですが、試写会に参加するほど映画好きな視覚障害者の方に「お前はわかっていない」的なことを遠まわしに言われるんですよねwww
ただ、視覚障害者の方も音声ガイドをやってもらうのはありがたいと思っていて、あまり強く言えない感じ。。。
ただ、永瀬正敏さんだけは違う。「お前、全然わかってねぇよ!」とキレるので、水崎さんも逆ギレしちゃって、音声ガイドの何が正解なのか、わからなくなるんですけども笑
音声ガイドで一番難しいのは、明確な答えを出さないシーン。
例えば、例えばですよ?
「ララランド」のラストシーンで、エマストーンとライアンゴスリングがお互いに微笑みかける光景がありますよね?
これ、視覚障害者の方にどうやって説明します!?!?!?
エマストーンとライアンは別れて、エマストーンに関しては結婚して子供もいるけども、偶然ジャズバーで出会ってしまい、過去の青春時代を思い出してしまい、お互い意識しちゃったわけですよ!!
でも、そこから恋愛が発展するとは分かってなくて、見る人によって解釈が分かれるシーンなんですよ。。。
これ、音声ガイド付けるとしたらどうします?
「お互い微笑みかけている」
いや、これだけじゃ説明不十分でしょ! これだけじゃ二人の複雑な気持ちを説明できないでしょ、、、、
ララランドの映画の中でも最も重要で感動するかと思われるシーン。。。
これ、音声ガイドではどうやって訳したんでしょうね、、、
はい、ということで音声ガイドがあまりにも難しい、と言うことを強く意識させられた作品でございました!!!!