ブダペスト市街戦1956 ソビエト軍侵攻[2007年ハンガリー] | 町田ロッテと野球散策

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いやぁ、野球って、本当にいいものですね。

洋画と言えばやはりハリウッドですが、たまにはアメリカ以外の映画も観てみたいと思うものです。幕張新都心のTSUTAYAでは「世界各国の映画コーナー」があるので、ちょっとここから借りてみようと思いました。全く観たことはないのですが中東映画ってどんなのだろうかとわくわくします。そしてタイトルだけで、本作を選びました。ブダペストはハンガリーの首都ですが、さてどこの国の映画か。たぶんドイツだろうと思って借ります。

 

観ます。

 

…この言語はなんだ。全く解さないがドイツ語ではなさそうなのはわかります。フランス語でもないことはさすがにわかります。

正解は、ハンガリー語でした。そして本作は、ハンガリー映画でした(観た後に知りました)。「ハンガリーにも映画ってあるのか!」とハンガリーの方々にはたいへん失礼な感想を持ったものです。

正直、ハンガリーをよく知らないです。それは個人的には恥じるべきものとして書きます。戦後史でハンガリーの歴史を少し学びましたが、見事に忘れています。ナジ・イムレの名前は聞いたことがある、というくらいです。

 

邦題の通り、舞台は1956年のブダペストです。スターリンが死んで3年が経過しています。ハンガリーは冷戦においては「東側」陣営でした。しかし1956年、ソ連の支配に反抗する「ハンガリー暴動」が起きます。そこで生きる若者の話です。若者は銃を手に取り、街を爆撃するソ連軍の戦車に向かって銃を放ち、火炎瓶を投じ、ピッケルを打ち込みます。けっこう、無茶です。そして幾人か、死にます。

(気になったので山川出版社の『世界史小辞典』でハンガリーのその当時の歴史を少し調べてみました。本作のような若者たちに支持された前述のナジ・イムレが首相となってソ連軍の撤退を約束するもそれが叶わず、ソ連の後押しを受けたカーダールという人によってとってかわられ、ナジは失脚し、後に処刑されてしまったそうです)

 

解放という名目で侵略し、すべてを奪っていくソ連から自由を勝ち取ろうとする若者は、闇で流通するエルビス・プレスリー等を楽しみ、踊ります。そして恋もします。ハンガリー動乱の時期の普通の若者の群像劇でもありました。

原題はハンガリー語なのでよくわかりませんが、英語タイトルは“The Sun Street Boys”。こっちでよかったのではないでしょうか。邦題だと単なる市街戦ドキュメンタリーのような感じです。

 

なお出演している俳優などの詳細を調べてみようと思ったのですが、ネット上では驚くほどハンガリー映画の情報がないです(wikipediaも役に立たず…)。主演女優のカタ・ガスパーはかなり魅力的なのですが、びっくりするほど情報がなかったです(現在33歳でブダペスト生まれということしかわかりませんでした・・・こちらはかろうじてハンガリー語版wikipediaあり)。

 

よく知らない国の知らない映画で知らない俳優を観るというのも、なかなか素晴らしいものです。