近くのかなり小規模な図書室(「館」ですらない)に『街道をゆく』シリーズがあったので、ちょっとずつ読んでみようかと思いました。司馬遼太郎は『最後の将軍』以来だったかな。
タイトルの通り、司馬が沖縄を巡る紀行。沖縄本島、石垣島、竹富島、そして与那国島・・・。本当は波照間島に行きたかったらしいのですがスケジュールの関係上断念したとのことでした。
波照間の「はてる」は「果てる」らしく、ここから先はずっと海ですよ、という「世界の果て」を意味すると聞けば、私も行ってみたくなります。
与那国島以外は私も行った事があるので、詠みながら「そうそう!」と楽しめました。竹富島はかつて、先島一帯の中心だったらしいです。農業に適さない島にもかかわらず。今では役所(竹富町役場)ですら石垣市内にあるというのに。そして「毒グモやだ」ということで司馬も断念した西表島についても触れています。この先島一帯は、15世紀あたりまで鉄器がほとんどなかったようです。したがって農業の生産性は実に低かったらしいのですが、この海で隔絶されたロケーションというメリットもあり、政争などほとんどない極楽の島だったようです。つまり「支配・被支配」という概念が生まれづらかったようです。しかしそれは、やはり外からの要因で終わりを告げます・・・
今回の沖縄旅の機内で読んだのですが、やはり沖縄は素晴らしい。
帰路、成田に着く前から次の沖縄旅行の事を考え始めました(笑)。