ない。
とてもじゃないけど、ない。ただ、憧れはあります。
垣根涼介という作家がいます。この方、やはり会社をやめて作家になった人らしいのですが、ものすごく重厚かつ力強い作品を書くのです。それが『ワイルド・ソウル』。
「会社やめた」
「小説読みまくった」
「俺にも書けると思った」
…らしいです(笑)
そういうものでしょうか。
1960年あたりの、東京オリンピックが始まる前の話。まだ高度成長期を迎える前の日本は貧しく、時の政府が始めたのが「ブラジル移民政策」でした。しかしこれは半ば騙して移民させた「棄民政策」とも言える、とんでもないものでした。国家は、時に非道です。そうまでして国家が守りたいものは本当に国民だったのでしょうか。
器である「国」を守りたいだけだったのでしょうか。
そうですらなかったのではないでしょうか。
民は、国家に全幅の信頼を寄せざるを得ません。それゆえ、騙されてしまいます。
その「棄民政策」から40年…移民二世たちの復讐が始まります。
その復讐は不法行為ですが、やはり応援したくなります。そして、こう思います。
「そもそもどっちが不法行為だ!」と。
最近、国家というものの本質を考えさせられる本ばかりに出会います。いや、潜在的にそんな本を選ぼうという意識が働いているのかもしれません。
あいにく、私は諦めが悪いのです。