プロ野球選手がプロ野球選手をやめた時ほとんどの者は我々と同じ社会に出る | 町田ロッテと野球散策

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いやぁ、野球って、本当にいいものですね。

 旧年12月30日に見た『戦力外通告・俺達はプロ野球選手だった』は、大いに考えさせるものでした。まず語りの東山紀之の切迫感溢れるナレーションは見事です。これが仮に「ビッグダディ」のナレーションの人だったりすると・・・想像しただけで楽しくなってしまいます。サザエさんや「ビフォーアフター」でお馴染みの加藤みどりさんだったら・・・やめておきましょう。


 今回登場したのは辻内崇伸 (元讀賣)、山室公志郎 (元ロッテ)、安斉雄虎細山田武史 (ともに元DeNA)。この中で実際にNPBに残れることになったのはホークスと育成契約を結んだ細山田のみでした。他の3人は、それぞれ異なる道を歩まざるをえなくなります。



 これがまたいろいろな選択肢があります。

 安斉はまだ若く、高校の同級生はまだ大学生。同窓会のような集まりでの安斉は、一人の若者でした。その安斉は韓国独立リーグの誘いを断って、NPB復帰を念頭に置いたトレーニングを続けます。つまり・・・若くして浪人生活を送ります。

 辻内は肘にメスを入れた後に球速が130km/hにも届かなくなり、「プロ野球選手としてはやっていけない」と悟り、引退を決意。不動産業界に進むことになるらしいです。元プロ野球選手が町の書店で就職雑誌を購入する様子が紹介されています。また山室も引退、飲食業界に進むそうです。山室に関しては新人合同練習から見てきた選手だったので思い入れも強かったのですが(オギタカや清田と同期入団なのです!)、わずか数年で違う業界に進むことに。

 これは社会人としてのスタートとなります。ただ、大卒の一般人よりも峻厳な道のりかもしれません。「元プロ野球選手」という肩書きが却って邪魔するかもしれません。それでも辻内にも山室にも、家族がいます。さらにはこれから産まれようとしている新しい命もあるのです。食べてゆかねばなりません。身の処し方清々しく、我々と同じ社会にやってきます。


 来る者あれば去る者もあるのがプロ野球界。実力本位の世界です。志半ばで去っても歩まねばならないのは当然のことです。長い人生において「プロ野球」に身を置くこと自体が特異なことかもしれません。しかし国民娯楽となったプロ野球の世界があるこの世では、プレイヤーには自ずと注目が集まり、ある者は憧れ、あるものは魅せられ、あるものは熱い視線を送り続けます。ただそこを去れば、一人の人間というものがむき出しになる・・・そんな言い方もあるかもしれません。



 もちろん番組で紹介された4人以外の「プロ野球選手だった」人も多くいるわけです。彼らが必死で歩むこれからの人生に幸あれ。一社会人として、ともに頑張りましょう。


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