宮部みゆき『蒲生邸事件』 | 町田ロッテと野球散策

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いやぁ、野球って、本当にいいものですね。

 たしか、1998年のことだったと思います。「長く使える時計がほしい」と思い、渋谷のビックカメラでかなり吟味して選んだのです。文字盤がローマ数字ということで決めたのですが・・・けっこうびっくりする値段でした。レジに行って唖然としてしまいました。

 その時計、最初の決意通りに今に至るまで使っています。しかし今朝の出勤時、突如駅のホームにカランと落ちてしまいます。


 ベルトの金属をつなぐリムがとれてしまいました・・・来た電車を一本やり過ごしてまで、ホームの上を探します。コンタクトを探す達川光男の如く。


・・・結局見つからず。ただとても気に入っている時計なので、明日修理に出そうかと思います。まだまだ、使い続けます。



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 2月26日を迎える度に思い出す作品でした。かつて読んだのは何年前だったのかは思い出せないのですが、とても心を打たれたものです。


☆宮部みゆき『蒲生邸事件』

 再読です。しかし内容はけっこう覚えていないもので、またまた驚きをもって読み終えました。

 1994年の受験生が、1936年の2月26日にタイムトリップ。雪の東京市下は、まさに「二・二六事件」の世界なのです。タイムトリップというSF的手法を用いて描かれたのは、まさに戦前から戦後にかけて日本が歩んだ道なのです。そこがしっかり描かれているのは、歴史好きにとってたまらないものがあります。その歴史についても真摯に立ち向かおうとする人物が魅力的。日本はこの軍事クーデタを契機として軍国化の道を歩み、泥沼の戦争を経験します。そこに「未来を見てきた」という人物が登場したら・・・天皇が神の位置から下りるなんてことは絶対に考えられないというその時代に。

 ただ、歴史は変えられないのです。いかなる歴史においても、人は真摯に生きるのみなのです。その一日一日を、幸せに生きるべく努めたいものです。


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