歌手にとって、人生を変える一曲があります。時には、人生そのものとなる場合もあります。曲には、力があります。それにしても、その一曲で20年以上も食べている国生さゆりさんは本当に凄い方だと思います。
仕事場で義理とはいえ毎年幾らかはチョコレートを頂けるのは、仕事における人間関係がなんとか円滑に保たれている証左として捉えることができ、心安らかになるものです。
そして。
帰宅後、妻からいただきました。ネクタイにパジャマ・・・同時に身に着けて出歩いたら変質者以外の何物でもありませんが、家の内外でそれぞれ活躍させたいと思います。感謝。
さて1か月後はどうしましょう・・・ホワイトセルを見せてお茶を濁すわけにもいくまい。「かつて西武にジェリーという外人がいたんだけどすぐに大洋ホエールズに行っちゃって、そのときはなぜかホワイトって名乗ったんだよねぇ」とマニアックな「プレ・ブコビッチ」的な話をして満足するのは片平晋作世代の方々くらいでしょう。人の記憶に残るのはジョージ・ブコビッチであってジェリー・ホワイトではない。スティーブ・オンティベロスの眩しさとテリー・ウィットフィールドの必要以上に汚いヘルメットは覚えていても、ジェリー・ホワイトの下唇の下から生える僅かな髭なんて誰も気にしない。
さ、明日も頑張りましょう。
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アメンバー限定記事を挟んだために一日飛ばしてしまった読書シリーズです。実は読書にブログが追い付いておらず、ちょっと溜まっております。
☆奥田英朗『東京物語』
そう、『オリンピックの身代金』の奥田英朗です(知らない人は知らないと思いますが、これもとても面白い作品です)。今回は奥田氏の自伝のような青春小説でした。
とにかく、構成が素晴らしいのです。1章は一日で成り立っており、それぞれ昭和から平成に移る時代の画期的な日が選ばれています。日本で(いや、世界で)あの事件が起こった日、彼は何をしていたか。選ばれたのが、以下。
・1980年12月9日・・・ジョン・レノン暗殺
・1978年4月4日・・・後楽園球場でのキャンディーズ解散コンサート
・1979年6月4日・・・「空白の一日」を経て讀賣に入団した江川卓のプロ初登板
・1981年9月30日・・・1988年の五輪開催地決定。ソウルとの決選投票で名古屋が敗れる。
・1985年1月15日・・・ラグビー(松尾雄治の新日鉄釜石と平尾・大八木の同志社大学との対戦)、大相撲(北の湖引退)
・1989年11月10日・・・ベルリンの壁、崩壊
これらの日々(この前後具合が絶妙なのです)に合わせて、主人公はそれぞれのシーンを生き、成長し、希望を抱き、恋をし・・・青春に別れを告げておとなの道を歩みます。またディテールにおいてその時代を象徴する語句が多々出てくるもの面白いのです。ローロング・ストーンズの来日や手塚治虫の逝去、礼宮の結婚、『エイリアン』、『ゴースト・バスターズ』、ダンベルのような携帯電話、バブル経済・・・などなど。そうそう、北の湖の引退は衝撃だったなぁ・・・とか、自身(小4でしたが)もいろいろ思い起こします。キャンディーズ解散コンサートは当然リアルタイムでは知らないのですが(だって3歳ですもの)、最後に唄った『微笑がえし』(でしたっけ?)の歌詞は、その日に上京した主人公の心境にシンクロしていてお見事でした。そして最後はベルリンの壁が壊されたことによってヨーロッパが迎えた新時代とともに、29歳の主人公は自覚を持って青春に別れを告げるのです。
本当に、読み応えのある作品でした!
さて、最近は日付で印象的なものと言えば、地震とテロしか思い浮かばないのが悲しいものです。野球バカがあえて問うならば、やはりこの日でしょうか。「この日、あなたは何をしていましたか?」。
・1988年10月19日
西武ファンだった私でしたが、身体は残念ながら川崎にはありませんでした。ちょうど引っ越しの最中で、大して片づけてもいないにもかかわらずとりあえず仮につけたテレビで、大画面を占拠する阿波野秀幸のアップ、そしてせかせかしながらも多くのニュースを横にうっちゃって視聴者を川崎へ誘う久米宏を見ていました。今では考えられない、テレビにおける伝説の一日だったかもしれません。

