宮部みゆき『英雄の書』 | 町田ロッテと野球散策

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いやぁ、野球って、本当にいいものですね。

 
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宮部みゆき『英雄の書』を読んだ。ロールプレイングゲームのような小説だった。本当に宮部みゆき、作品の幅が広いのである。たとえるならば、水島新司が描くラブコメだろうか。いや、それはないか。

 しかしながらこの人、ありとあらゆる殺人事件を描く。この作品にしてもきっかけはそうだ。そこからどう巡るかが大いに作風が違うのであるが、テーマとしては一貫しているように思える。人は、なぜ犯罪を起こすのだろうか。そこへ駆り立てるものは、何か。

 ファンタジーの場を借りて、懸命に書かれたと思う。世の正邪はかくして生まれる・・・これを描くのは本当に難しく、安易に書くと独りよがりになってしまいがちであるが、ここでは「物語」が作られる世界を描く。完全に云わんとしているメカニズムを理解できたとはお世辞にも言えない私であるが、かなり哲学的要素も含んだファンタジー小説は、新鮮だった。再読して吟味したい作品である。

 個人的には宮部作品、カッコ書きのない台詞を随所に見せる手法が好きだ。



 角中選手、結婚おめでとう(この記述はあまりにも唐突か・・・これが、町田ワールド)。