誰かの夢を応援する側に… | 町亞聖オフィシャルブログ「As I am」Powered by Ameba

誰かの夢を応援する側に…

再々演となるミュージカル「BILLY ELLIOT」を東京建物Brillia HALLにて観てきました。初演も4年前も「打ちのめされた」と書いていましたが今回もビリーにしびれてきましたキラキラ音譜



バレエ、タップ、フライング、歌、演技の全てに置いて、高い技術力が求められるこの役に挑む新キャスト4人は、今回全員バレエを得意としているまさにリトルダンサー。



本当に才能があり強くなければBILLY役を演じることは出来ないと演出家たちも表現する難しい役で、2000年の映画「リトル・ダンサー」を元に作られたミュージカル作品。



イングランド北部にある不況に喘ぐ炭鉱の町に生まれたビリー。優しい母親は亡くなり無骨な父と兄、そして祖母と一緒に暮らしています。



実は父が福岡県大牟田市にあった三池炭鉱の街の出身なので、九州弁を話すキャスト達の姿に父の暮らしが重なって見えてそれだけで涙…。



あまり若い頃の話はしませんでしたが、みんな貧しかったけれど良い時代だったのは、口下手の父の語り口からも伝わってきましたが



ただ地元に職は無く高校卒業後に上京した父は、もしかしたらビリーだったのかもと想像が膨らみます。もうその街はありません…。



炭鉱閉鎖に反対するストライキが始まり大人達は、家族のために生きるために闘いますが暮らしは困窮するばかり。



そんな閉塞し不穏な空気が漂う中でビリーはある日バレエと出逢います。踊っている時だけは辛く悲しいことも全て忘れて夢中になれる…。



「ダンスは技術だけではダメで、自分を表現することが大切」ビリーにバレエを教えるウィルキンソン先生を務めるのは濱田めぐみさん。



その答えを教えてくれたのはLGBTQの親友マイケルでお姉ちゃんのワンピースを着て「自分らしく表現すれば良い」とビリーに語りかけ2人で明るく歌い踊るタップシーンは見事ビックリマーク



ですが男手一つで子供を育ててきた父親や大人に混じり闘っている兄からは、バレエなんか男のやるものじゃないと叱られ、ビリーはオーディションの機会を逃してしまいます。



「お母さんだったら踊らせてくれた」待ってましたの行き場の無い怒りを全身で表す【Angry dance】は踊る前から泣けて泣けて仕方がなかった。



"踊りたい"という叫びが聴こえてくる全身全霊を込めたビリーのダンスに魂が揺さぶられました。炭鉱夫の息子は炭鉱夫になるのが当たり前と思っている父や兄。



でも炭鉱閉鎖が避けられない運命であることはみんな何処かでは分かっています。ここにはもう希望はないということも。まだ幼いビリーの夢や未来はどうなるのか…。



一度は諦めたはずのバレエを想いビリーが静かに踊り出すシーン。バレエダンサー姿の大人になったビリーが登場します。



もしかしたら今まで観てきた物語は夢を叶えたビリーの回想なのかもと、希望を持たせてくれるシーンでとても感動的なデュエットクローバー



今回父親役は鶴見辰吾さんで、必死にもがく労働者の悲哀や怒りを抑えた演技でしっかりと表現。そしてビリーの才能を見抜いたウィルキンソン先生も旦那は酒飲みで娘にも才能は無く。



どうにもならない人生の中で、夢を諦めてしまった大人達。そんな大人達の夢と希望と光になったビリーは、家族や友人そして母の思い出に決別して旅立ちを決意。



炭鉱に潜っていく男達の無数の小さなヘッドライトが、大きな夢を胸に抱く小さな少年の行く道を明るく照らします。



ビリーが夢を追いかける姿を子供達にぜひ観て欲しいですし、一度は夢破れた大人達も今からでも誰かの夢を応援する側になれるはずクローバー



ミュージカル「BILLY ELLIOT」東京公演は池袋の東京建物Brillia HALLにて 10月26日までのロング公演ですので劇場に足をお運び下さいキラキラ音譜