自分の人生を大切に。。。 | 町亞聖オフィシャルブログ「As I am」Powered by Ameba

自分の人生を大切に。。。


週刊の介護保険専門紙「シルバー新報」のコラム〈私の医療・介護物語〉第4回のテーマは「介護しながら仕事続けてる!」ですキラキラ



「介護離職10万人」いまだに介護のために仕事を辞めざるを得ない人が沢山います。しかも長年変わらないのはその大部分を占めているのが女性だということです。



〈ヤングケアラー〉だけでなく最近は〈ビジネスケアラー〉という言葉も使われるようになりましたが、介護の講演を始めて13年の間ずっと私は介護と仕事の両立についても訴えてきました。



「ワーク・ライフ・バランス」という言葉が欧米で使われるようになったのは1970年代のこと。残念ながら日本ではいまだにこの「ワーク・ライフ・バランス」が実現できていません。



女性活躍推進法が成立したのは2015年。それから10年近く経っていますが、女性が育児や介護の負担を担っている状況は全く変わっていないのです。



介護離職の理由で一番多いのは「自分以外に介護をする人がいない」というもの。我が家も長女の私が母の介護や弟妹の世話をするしかなく



さらに経済的な貧困も抱えていたので、家計を支えるために働きながら介護をするという選択肢しか私にはありませんでした。「ワーク・ライフ・バランス」と言いながら



女性はライフ(自分の人生)を選んだのではなく、ケアをするためにキャリアを断念してきたのです。大事なのはワークとライフ、そしてケアを含めたバランスをとることです。



「どうして介護と仕事が両立できたのか」もちろん家族のサポートがあったからですが、アナウンサーになるという子供の頃からの夢が叶ったことが精神的な支えになりましたし



自分自身の人生を諦めなかったことは両親合わせて15年に及ぶ介護を続ける原動力になりました。育児と違い介護は終わりが見えないと言われますが、それでも必ず終わりが来ます。



アナウンサーの仕事は不規則で大変でしたが、30年前から「フレックスタイム」の働き方が出来たという点で、実は介護との両立に向いていました。



早朝番組の担当の時は、夜中2時前にはタクシーが迎えに来ますが、その代り遅くとも夕方には帰宅でき、それから買い物や家族のご飯を作ることが出来ました。



また全員が同じ時間に働いていないので「私だけが早く帰っている」という罪悪感を持たずに済みました。「周囲に迷惑をかける」も離職の理由のひとつですが、介護は全ての人が直面する可能性のある問題です。



介護と仕事の両立を実現するための答えは私の中では明白で、その人のライフスタイルに合った<柔軟な働き方>ができる環境を整えること、そして「申し訳ない」と思わないこと。



これから介護離職を迫られるのは中高年の男性だということも指摘しておきます。私も道なき道を歩いてきた1人ですが、その道を行く人が増えれば必ず道が広がり、後から続く人が生き易い世の中に繋がるはず。



国や企業も〈介護と仕事〉の両立や〈介護離職〉防止への本気度が足りていないと感じます。当事者の声ほど大きな力を持つものはなく「介護しながら仕事続けてる!」と今こそ声を上げましょうクローバー