見て見ぬふりをしない… | 町亞聖オフィシャルブログ「As I am」Powered by Ameba

見て見ぬふりをしない…

医療法人社団新樹会恵泉クリニックを運営する看護師の内田玉實さんが塾長を務める世田谷医介護塾で〈ヤングケアラー〉の話をさせていただきました。



看護師、社会福祉士、精神科専門の訪問看護、理学療法士、療育センター、ケアマネジャー、行政書士など多職種の方が参加してくれました。



まだヤングケアラーに出逢ったことがないという人が多かったですが、これまで気がつかなかっただけで絶対に身近にいたはずです。



18歳、15歳、12歳の私達きょうだいは母が入院していた病院に毎日お見舞いに行ってましたし、リハビリ病院にも通いました。



また車椅子の母と一緒に近所のスーパーにも出掛けていましたし、母の障害年金の手続きなど様々な申請のために何度も何度も市役所にも足を運んでいましたおーっ!



30年以上前でヤングケアラーという言葉もありませんでしたので〈仕方がなかった〉のか…。当時も沢山の大人が見て見ぬふりをしていただけだと思っています。



何故なら一浪することを報告しに高校の担任の先生の元を訪ねた時に、先生は「おまえ絶対に奨学金が必要だろう。合格したらまた来なさい」と言ってくれました。



今とは申請時期などが違っていますが、奨学金の申請には高校の成績表が必要だという具体的な情報を先生が教えてくれたのです。



また病院の会計窓口に座っていた私に「医療費のことなど困ったことがあったら相談して下さい」と病院のソーシャルワーカーさんが声をかけてくれました。



この2つの声かけが無ければ私や家族の運命はもっともっと過酷なものになっていました。周りの大人は見て見ぬふりをせずに気になったら声を掛けて欲しい。



そして専門職は自分は「こんなことが出来る」と子供に具体的に言葉にして下さい。子供が生きている世界は思っているより狭く、専門職の存在も様々な支援制度も知りません。



「どんな言葉をかけたら良いのか」とよく聞かれますが、その前に目の前の子供が何に困っているのか〈声なき声〉に耳を傾けて欲しいとメッセージさせていただきました。


その一言がひとりの子供の人生を救うかもしれません。たったひとりとの出逢いが未来を変えることに繋がります。私がそうだったように…。



〈子ども・若者育成支援推進法〉が改正されヤングケアラー支援が盛り込まれましたが、法律に明記されても具体的なアクションはまだまだです。子供が夢と希望が持てる社会を一緒に創りましょうクローバー