優しい社会に近づいてるよ… | 町亞聖オフィシャルブログ「As I am」Powered by Ameba

優しい社会に近づいてるよ…

週刊の介護保険専門紙「シルバー新報」のコラム〈私の医療・介護物語〉第3回のテーマは「母との外出で気づいた優しい人達」です音譜

 


春には菜の花や桜を、夏には海や蛍を、秋には紅葉を、冬には梅を一緒に見に行きました。思えばたいしたところには連れて行っていませんが、写真の中の母はいつも笑ってくれていました。



今は車椅子用のトイレがあるのが当たり前ですが当時はどこに行っても和式ばかり。外出の際は行先に電話をして洋式かどうかを必ず確認しなければなりませんでした。



「梨狩りに連れて行こう!」そう思い立ち母の親友のおばさんと3人で出かけた時のこと。背が高い母は車椅子に座って手を伸ばすとちょうど梨に手が届き



次第に楽しくなったようで次から次へと籠の中に。「お母さん、採った梨は全部買わなきゃいけないんだよ」と言うと慌てて梨を下に置こうとするお茶目な行動もキラキラ



もちろん出掛ける前にトイレをチェックしました。実は以前は和式だったそうですが、別の車椅子の方が利用した時に和式が使えないということに梨園の方が気付き洋式に変えたとのこと。その人のおかげで母は梨狩りを体験できました。


そんな<気づき>の輪が広がってくれたらと私達もどんどん出かけて行きました。100%のバリアフリーを実現するのは不可能ですが、さり気なく手を差し伸べてくれる優しさがあればバリアはいとも簡単にクリアできます。



私もお手伝いしている車椅子ユーザーが実際に走行したルートや利用したスポットなどのバリアフリー情報を集約した無料アプリを提供しているNPO法人「WheeLog!」



私も資格を持っていますが外出に不安のある人の旅をサポートしてくれる「トラベルヘルパー」、末期がんなどかなり難しい状況でも本人の希望を叶えるお手伝いをしてくれる「トラベルドクター」を紹介しました。



障害があっても当たり前の暮らしが送れる社会を実現することは、母亡き後も私の変わらぬ目標ですが「優しい社会に近づいているよ」と天国の母に伝えたいです🍀