数秒のために人生をかける
毎週木曜あさ6時30分から8時50分まで生放送のラジオ日本「町亞聖のスマートNEWS」きょうは〈気になる話題〉のコーナーにスポーツライターの飯塚さきさんをお招きしました☞
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著書「日本で力士になるということ 外国出身力士の魂」(ホビージャパン)を出版したさきさん。新入幕尊富士関の優勝が実現すればなんと110年ぶりの快挙となる大荒れの春場所ですが
今場所は途中休場になってしまった横綱の照ノ富士関や豊昇龍関などのモンゴル出身の力士から、60年以上前に日本相撲界で活躍したハワイ出身の高見山さんなどにインタビュー。
母国の期待を背負い10代で言語も文化も食生活も違う異国にやってきた外国人力士ひとりひとりに物語がありました。
親方になるためには日本に帰化しなければなりませんが、このルールは外国人力士初の快挙を成し遂げたハワイ出身の高見山さんがきっかけで作られたそう。
先輩の活躍を見て大相撲を知った元横綱の鶴竜関(音羽山親方)。相撲をやりたいと先代の井筒親方に手紙を書いたところ、旭鷲山から電話が来て来日が叶ったというエピソードも。
モンゴル出身の力士と遊んだら親方から「ライバルとは遊ぶな」と怒られたそう。また「日本人より日本人らしくしなさい」とも言われていたと鶴竜関。
内モンゴル自治区出身で中国初の親方になった蒼国来関(荒汐親方)は、朝の通勤通学ラッシュを見て「半分くらいの人が走ってる」ビックリしたそう。
実は中国ではアスリート育成学校に所属していて、非常に恵まれた環境を捨てて来日。八百長問題に巻き込まれましたが、事実無根と裁判で解雇無効を勝ち取り2年のブランクを経て土俵に復活。
「きちんとやれば結果が出る。国籍は関係ない」と荒汐親方。優しいからスポーツには向かないと言われたこともあったそうですが、弱いからこそ強くなりたいと人は思うもの。
荒汐親方は相撲は「後世に必ず残していかなければいけない文化」だと指摘しています。また横綱の照ノ富士関もルールを変えるなど多様化していった柔道と比較して
「国際化により失われるものがあり、その中に相撲の本質がある。相撲は日本を代表する守るべき文化だ」と語ってくれています。
印象に残っているのはジョージア出身の元大関栃ノ心関の「1日たった数秒のために人生をかけて準備をする」という言葉。それでも負ける時もありますがそこが相撲の魅力とのこと。
栃ノ心関はジョージアと日本の両方を行き来したいと帰化は選択せず。引退後の選択はひとりひとり違っていますが、故郷や家族、親方はじめ応援してくれている人達の期待を背負っている〈覚悟〉はみな同じ…。
ホームシックにならなかったという照ノ富士関。何故なら外国に来たのではなく日本も我が家だから。相撲がますます面白くなり全員を応援したくなる1冊「日本で力士になるということ」ぜひ読んで下さい
毎週木曜日のパーソナリティを務めているラジオ日本「町亞聖のスマートNEWS」もぜひお聴き下さい