ケアする側が立て直す | 町亞聖オフィシャルブログ「As I am」Powered by Ameba

ケアする側が立て直す

毎週日曜あさ6時25分からオンエアのニッポン放送「ひだまりハウス〜うつ病と認知症を語ろう〜」



今週と来週は地域密着型介護福祉を実践している〈ぐるんとびー〉の菅原健介くんをゲストに迎え、能登半島地震の被災地での支援活動について伺いました。



実は私は訪問看護師をしている健介くんのお母さんともう長いお付き合いをさせていただいていて、健介くんと出会ったのも10年以上前になります。



東日本大震災や熊本地震の際にも支援コーディネーターとして活動した経験がある理学療法士の健介くん。今回もお母さんが代表を務める全国訪問ボランティアナースの会〈キャンナス〉が輪島にあり



現地からのSOSを受けてすぐに車で輪島に向かいますが、道が寸断されていてあまりにも危険だったので、支援に入るのを1度は断念したそうです。



原発もあって道も一本しかなく、さらに土砂崩れが起きている横を通り抜けて行かなければならず、まさに陸の孤島だったと健介くん。



自衛隊やDMATが本来は入るべきところに自分達が行ってどうするのかと、支援活動の経験のある健介くんでさえ迷う状況だったそうです。



「助けを求める仲間がいる」健介くんはもし自分だったらと考えて、地震発生から3日目に現地に支援に入ることを決断します。



被災地の避難所に行って目の当たりにしたのは不衛生で使用できなくなったトイレ。東日本大震災の時も駆け付けたキャンナスの看護師がまずやったのは



詰まった便器に手を入れて掴み出しトイレを使えるようにすることだったそう。あれから13年も経っても変わらない状況に唖然としたと健介くん。



トイレの問題は様々な負の連鎖を引き起こします。水分を摂らなけば脱水によりエコノミークラス症候群など健康被害に繋がり、最悪の場合は災害関連死に至ることも。



排泄物を熱処理するラップポンという災害時用のトイレが開発されたのは2005年。私は2009年に皆既日食の取材で離島に行った時にこのラップポンの存在を知りました。



水を使用せずに排泄物を処理できる方法があるのに、何故普及しないのかとすごく疑問に思いますが、能登だけでなく日本中が同じだと思うと健介くん。



高齢者や障害者などに配慮した福祉避難所に関しても、本当に一部しか設置されていなかったそうですが、医療や介護ニーズがある人の二次避難は比較的上手くいっていたそうです。



また介護現場で働く人も被災者です。自分達の手で利用者を守りたいという気持ちや地元を離れたくないという想いは健介くんは痛いほど分かっていますが



避難生活は長く続きますので、発災直後は外部の人材がコーディネートしたりケアする人のサポートをすることで、まずはケアする側が立て直す必要があると指摘します。



元々、高齢化が進み医療や介護職も不足していた能登半島。ケアを必要とする人とケアする人を取り残されないようにするためにはどうしたら良いのか…。



奇しくもそんな健介くん達のようにボランティアで被災地に入っている仲間がクラウドファンディングをスタートさせましたDMATのように業務ではないので



被災地の支援や復興に関わる医療・ケア専門職のチーム〈DC-CAT(Disaster Community Care Team)〉は交通費を自腹で賄っています。



全員が専門職として医療機関や介護施設で仕事をしながら、休暇を活用して支援活動に参加していて今後もボランティアとして活動を継続する予定で、移動支援のためのクラファンです。ぜひご協力くださいクローバー


https://readyfor.jp/projects/DC-CAT



「地域をひとつの大きな家族にしたい」と藤沢市で制度の枠に捉われない地域密着型介護福祉を実践しているぐるんとびー代表の菅原健介くんのインタビューはこちらから


https://www.1242.com/hidamari/