明日を生きる力を。。。 | 町亞聖オフィシャルブログ「As I am」Powered by Ameba

明日を生きる力を。。。

来月17日に開催される品川総合福祉センター主催「ヤングケアラーのためにできること」でお話をさせていただきますキラキラ





ご一緒するのは埼玉で貧困の連鎖を断つための活動をしている〈彩の国子ども・若者支援ネットワーク〉の土屋匠宇三さんです。



土屋さん達は生活保護受給世帯など生活困窮の家庭の子供達に、無料で勉強を教える学習教室を開くなど、学びを支援する〈アスポート〉という活動をしています。



子供の将来がその生まれ育った環境によって左右されることのないように、そして希望を持って明日への船出ができるようにサポートしていこうと埼玉県が全国に先駆けて始めた事業です。



現在、埼玉県内で100教室1900人の小中高の子供達にマンツーマンで勉強を教えています。また様々な理由で学習意欲が持てないという場合には根気よく家庭訪問を重ねて



子供だけでなく親御さんも交えて話し合いをして信頼関係を構築するところから始めていて、これまで1万回を超える家庭訪問をしてきたそうです。



「本来ケアを受けるべき子供がケアを受けられていない」そんな状況に置かれているのがヤングケアラーであり、ほとんどの当事者は〈お手伝い〉と何が違うのかと思っていると土屋さん。


 

親の代わりに家事をやっていることよりも、シングルマザーで必死に子育てをしているお母さんや、アルコール依存のお父さんなど他人には説明できない家庭環境が背景にあるヤングケアラーの現実。



「言っても変わらない」「同情されたくない」という気持ちや「親を責められたくない」「そっとしておいて欲しい」など複雑な想いを抱いていて



実は物理的な支援ではなく感情面でのケアが大事だという土屋さんの話は、母の介護よりもお酒を飲んで暴れる父に悩まされていた私自身の実体験とも重なりました。



ヤングケアラーだという理由で特別視されてしまったり、先生や友達など周囲から気を遣われてしまうと、息抜きの場所を失ってしまうという不安を彼らは持っているのです。



学習教室で勉強だけでなく食事も提供しているそうですがボランティア、ソーシャルワーカー、民生委員、フードバンク、子供食堂など地域の資源を活かしながら行政と共に子供達をサポートしています。



さらに特筆すべき点は教育委員会や学校からの信頼も篤く、家庭訪問により把握している家の事情を共有したり、学校の面談に立ち会うことを依頼されることもあるそうです。



ヤングケアラー支援の鍵は学校の先生が子供の状況や想いを理解しているかだと土屋さんは指摘。事情を知っているだけで対応も変わってきますし信頼できる大人が1人いるだけで違ってくるのです。



先生だけでヤングケアラーが抱えている問題を解決するのは不可能です。またケアや福祉のサポートだけでも不十分で、土屋さん達が実践している教育と福祉の連携が絶対に必要です。



アスポートで大切にしているのは自分からはなかなか言い出せない子供達の気持ちを五感で感じること。そして先に答えを言わずに子供が自分で考えて言葉にするまで待つこと。



これまで誰も勉強を教えてくれず長年分からなかった問題が分かった瞬間や、小さなことでも出来た喜びを感じることがヤングケアラーにとって重要なことだと土屋さん。



なぜなら理不尽な環境により当たり前を奪われている子供達にとって〈学び〉は人生初期の社会保障であり未来を選択する力や明日を生きる力になるから。



自身もヤングケアラーだった土屋さんは「自分を大切に出来るようになると他者も大切に出来るようになる」と言っていましたが、これは子供だけでなく大人にも当てはまります。



アスポート土屋匠宇三さんのお話は沢山の人に聴いて欲しいです。2月17日14時から会場はJR大井町駅近くですのでぜひ足をお運び下さいクローバー