ラッキーで終わらせない。。。 | 町亞聖オフィシャルブログ「As I am」Powered by Ameba

ラッキーで終わらせない。。。

きょうは「認知症と向き合う「幸齢社会」実現会議〉」の3回目でした。1回目で認知症の働きたいという想いを叶えている『DAYS BLG』を紹介したところ、なんと今回代表の前田隆行さんがトップバッターで登場キラキラ



認知症になっても地域や仲間と繋がりが切れない社会の実現のために活動を続けている、日本初の社会参加型デイサービス『DAYS BLG



ずっと応援してきた私としては、直接前田さんの話を岸田さんに聴いてもらえて感無量でした。ただこの会議は毎回のことではありますが発言時間があまりにも短すぎ。。。



DAYS BLG』は社会の中で必要とされていると実感でき、共に生きる仲間と一緒ならまだまだ出来ることがあると思えたり、何より安心して自分らしく居られる居場所です。



先駆的な取り組みは「〇〇さんだから出来た」と言われてしまうことがありますが「たまたまラッキーだったで終わらせてはいけない」と前田さんが語っている通り。



介護保険がない時代に介護と仕事を両立させたことや20年以上前に在宅で看取ったことについて「町さんだから出来た」と何度も言われてきたので、前田さんの気持ちがよく分かります。



「介護保険制度の被保険者が働いて収入を得る」という発想を厚生労働省がそもそも持っていなかったために、働いて報酬がもらえることを認めてもらうまでにかかった時間はなんと5おーっ!あせる



前田さんが『DAYS BLG』を始めてからもう10年以上が経ちます。認知症の人が働けるはずがないという偏見をみなさんも持っていないでしょうか。もし自分が認知症になったらと想像力を発揮して欲しいです。



全国に100ヵ所のBLGを作ることを目指していますが、まだまだ課題はあります。仕事の対価は賃金ではなくあくまでも謝礼であり少額です。仕事付き高齢者向け住宅もありますが同じ課題を抱えています。



制度が追いついていない課題を解決するために、あったら良いなを実践している事業者が活動を継続していくためには、地域や企業そして国の理解や支援が必要不可欠だと私からはお願いしました。



そして『DAYS BLG』と連携してお店作りに当事者の声を反映させているイトーヨーカ堂の取り組みも紹介されましたが、イトーヨーカ堂は小売業で唯一「認知症バリアフリー宣言」をしています。



この宣言は経営層が認知症バリアフリーに取り組むことを決定し「人材育成・地域連携・社内制度・環境整備」を進めていくことを宣言するもので、現在32の組織が登録しているそうです。



認知症当事者の藤田和子さんからは支援者の視点ではなく「当事者参画」を当たり前にして、当事者の視点からの地域・社会作りをして欲しいと指摘がありました。



また仕事と介護の両立に関してハウス食品から報告がありましたが、取り組みを始めたのは2020年からとのことで、思わず「遅すぎます」と言ってしまいました。



介護離職をしている人が2013年にはすでに約10万人になっていましたのでもう10年も経っています。介護離職は人材流出であり経済的損失です。再就職も厳しいです。



ハウス食品では先行投資という意識で仕事と介護の両立支援に取り組んでいて、両立しながら当たり前に働ける組織を目指すというメッセージを会社から発信しているとのこと。



「ワーク・ライフ・バランス」ではなく「ワーク・ライフ・ケア・バランス」という考え方が重要であり、介護している人が自分の人生も大切に出来るように、企業も国も本気になって下さいと私からはお願いしました。



「認知症でも仕事もしたいし地域や友人とも繋がっていたい。そのための当たり前の暮らしを送るためのちょっとした助けが必要なんです」



これは今から5年前に開催されたシンポジウムでご一緒した時に藤田さんが言っていたことです。実はこのシンポジウムには前田さんも登壇しています。



藤田さんが認知症への偏見や間違ったイメージを変えるための活動を始めたのは2009年。当事者によるワーキンググループを立ち上げたのは2014年のことです。



「障害があっても住み慣れた地域で当たり前の暮らしが送れる社会にしたい」母が重度の障害者になった30年以上前から願っていたことです。ようやく世の中が追いついてきました。



「認知症と向き合う「幸齢社会」実現会議〉」は残すところあと1回ですが、これはゴールではなくスタートです。限られた時間ではありますが、まだまだ伝えきれていない声がありますのでみなさんの想いを伝えてきますクローバー