唐揚げのおじちゃん | 町亞聖オフィシャルブログ「As I am」Powered by Ameba

唐揚げのおじちゃん

東久留米駅近くにある〈Studio ものがたり TOKYO〉でリアル&オンラインで開催した文化の日スペシャルイベント「ヤングケアラーに光を」連休初日にも関わらず50人ほどの人が参加してくれました音譜



東村山市で介護事業所、配食サービス、介護タクシー、福祉用具など様々な事業をしている〈ふれあい工房〉の山本裕一さんはこども食堂も運営しています。



元々こども食堂が無かった東村山市。見守りネットワークなど地域ボランティアもやっていた山本さんが相談を受け、たまたま調理師の免許を持っていたり場所もあったので勢いで始めたそう。



また同じ場所で生活保護家庭の子供の学習支援もやっていたそうで、コロナ禍の中でのスタートでしたが資金は地元の会社からの寄付、また社会福祉協議会の後援を受けることで地域の中で信頼を得る努力もしたと山本さん。



こども食堂を支えているのは地域の人や学生ボランティアで、食材は地元の農家から提供してもらっているそう。毎週開催するのは大変だけれども



通っている子供が大人になった時に、まだやっていると言ってもらえるように続けていきたいとのこと。ちなみに山本さんは唐揚げを揚げる当番で「唐揚げのおじちゃん」と呼ばれてるそうキラキラ



実は山本さんも元ヤングケアラー。高校の時に父親がくも膜下出血で倒れたため、家業の蕎麦屋の手伝いをすることに。その後、祖父母も介護が必要となり進学を断念したそうです。今は地域にはなくてはならない人になっている山本さん以外にも



今回のイベントには自分もヤングケアラーだったという人も参加してくれました。私も高校で授業をさせてもらっていますが、実際に経験した人の語りから色々な生き方が出来るということを知ってもらえたらなと思います。



先日も話を聴いてくれた学生が「経済的な理由で大学受験を少し諦めていたけれど、自分の意志を折らずには諦めないでいようと思った」と感想に書いてくれていましたクローバー



そして杏林大学教授を務めるソーシャルワーカーの加藤雅江さんは、ヤングケアラーだけに焦点を当てることに疑問を投げかけました。



こども食堂も経済的に困窮している人が利用するというイメージがありますが、困り事のあるなしに関係なく、全ての人にとって安心で安全な居場所を作りたいと加藤さん。



リスクを抱えているかに関わらずにアプローチする手法を〈ポピュレーションアプローチ〉と言いますが、加藤さんは「今を生きる子供達を支援しないと、生き辛さを抱えた大人になる」と指摘。



「ヤングケアラーが抱えている問題は学生時代に解決すべき」とヤングケアラー支援についてどうしたら良いというアンケートに、具体的にズバリと書いてくれた学生もいました。まさにその通りです。



子供のいる世帯は2割しかおらず多くの人が他人事になると危惧する加藤さん。子育ては自己責任だから家庭の問題と切り捨てるのではなく社会全体で支える必要があると話します。



SOSを発信できていない子供達。声を上げられないのは何故か。それは相談するにはエネルギーが必要になりますし、そもそも子供は自分の困り事を過小評価しています。



またヤングケアラーは困っているから支援を受ける人という偏見(スティグマ)も行動を躊躇わせる壁のひとつ。だからこそ「話しをして良かった」という経験の積み重ねにより、子供達は自分は受け入れられていると思えると加藤さん。



「子供自身がヤングケアラーだと自覚して支援を求めること」と「貴方はヤングケアラーだと言われて支援に繋がること」は全く意味が違うとも。大切なのは子供達の声を聴くこと、そして必要な情報を必要なタイミングで渡すことです。



ヤングケアラーの問題は教育、医療、看護、介護、福祉の縦割りの壁を壊すチャンスだと私は考えています。自分の専門で線を引かずにみんなで子供の未来を考え一緒に行動しませんか。第2弾を開催する予定ですのでぜひご参加下さいクローバー