介護しながら続けよう! | 町亞聖オフィシャルブログ「As I am」Powered by Ameba

介護しながら続けよう!


先日は東京都主催の「介護と仕事の両立推進シンポジウム」にパネラーとして参加させていただきました。ファシリテートしてくれたのは企業における仕事と介護の両立支援に詳しい東京大学名誉教授の佐藤博樹先生です。



佐藤先生とは随分前に全く同じテーマのシンポジウムでご一緒したことがあり、その時も仕事と介護の両立のポイントは「家族がやるしかない」という意識を変えること



そして「柔軟に働けること」「周りに申し訳ないと思わないこと」と指摘させていただきましたが、同じことをずっと我々は言っているねと佐藤先生と苦笑してしまいましたショック


フリーになって12年ずっと介護に関する講演をしてきましたが、残念ながら「仕事と介護の両立」についての企業からの依頼は非常に少なく、まだ深刻な問題と捉えていないと感じます。



介護離職10万人という状況が長く続いていますが、このまま放置していて良いわけがありません。介護制度を知らないという人や40歳から介護保険料を払っていることも知らない人が多いと佐藤先生は指摘。



93日の介護休業の制度がありますがほとんど利用されていないというお粗末な現状です。またこの93日は介護をするためのものとの誤解がありますが



これは介護認定を受けたりケアマネを探したり、介護体制を整えるための仕事と介護の〈両立準備休業〉です。佐藤先生は名称を変えた方が良いと言っていましたがまさにその通りだと思います。



また大前提として家族は介護に専念してはダメで必要なのはマネジメントする力だと強調する佐藤先生は、介護休業を取らなくても両立できるのがベストであり取得率を上げることに意味はないとばっさり。



93日よりも長く休みが取れる会社もありますが、介護は数ヶ月で終わるものではないので、結局休業したまま親の介護のためにと会社を辞めてしまう人は少なくありません。



企業の取り組みも紹介されましたが、介護に関するアンケート調査を実施したところ「相談しづらい」もしくは「相談していない」という回答が78割と介護を語れる環境が整っていないこと



またやはり介護保険制度や会社の制度を知らないという社員が多いことが分かり、問題解決のために、介護に関する社内セミナーの開催やバンドブックの配布、さらに介護の相談窓口を設置したそうです。



どの取り組みも全ての企業で今すぐ出来ることだと思いますし、まずは働く社員の介護に対する意識や実態を知るためのアンケート調査は必須です。足りていないものやニーズの可視化に繋がります。



普段から1人休んでも困らない職場作りを心掛け、1人ひとりの〈ライフ〉を尊重し、お互いに応援し合える会社を目指したいと企業の担当者は話していました。



中小企業だとマンパワーも足りないし制度を作るのは難しいという声もありますが、介護サービスを上手に活用することを前提に、お互い様の精神で融通を利かせながら柔軟に働くことは可能だと思います。



我が家は経済的に苦しかったので私達きょうだいには働かないという選択肢はなく、また介護保険もありませんので、仕事と介護の両立は当たり前のことでした。その上でどうやって役割分担をするかを考えました。



アナウンサーの仕事は約30年前から〈フレックス〉だったことと、周りに迷惑をかけているという罪悪感を持たないで良かったことは仕事と介護の両立の鍵になりました。



これからは介護は男性の問題であるという認識も同じで、これまで10万人の離職者の8割ほどは女性でしたが、介護か仕事かと選択を迫られる男性が増えていくのは間違いありません。



〈ワーク・ライフ・バランス〉と言われますが介護や育児のために仕事を辞めた女性は「ライフ」を選んだわけではありません。「ケア」のために自分の人生を諦めてきたのです。本当に多くの女性が



ケアを加えた〈ワーク・ライフ・ケア・バランス〉が大事で、家族も自分の暮らしや人生を大切にしながら長くケアを続けて欲しいと思いますし「介護しながら仕事続けてる」という声を上げて下さい。それが後に続く人の道標になるはずだからクローバー