何も諦めなくていい。。。 | 町亞聖オフィシャルブログ「As I am」Powered by Ameba

何も諦めなくていい。。。

人権教育啓発推進センターが発行する月刊誌「アイユ」10月号では日本IBMの人種ダイバーシティー&インクルージョン推進担当の川田篤さんにLGBTQに関する取り組みについてインタビューしています。



日本IBMで取り組みが始まったのは2000年代に入ってからで、国内では早かったもののやはりアメリカと比べると20年ぐらい遅れていたそう。



まだ日本ではLGBTQという言葉自体が知られていない2003年に、アメリカの本社で開催されたLGBTQ当事者の会議に参加し発言したのが川田さんでした。



実はまだ社内だけでなく家族にもオープンにしていなかった川田さん。その会議で「この会社に居られて嬉しい」と発言をしたことがきっかけになり日本IBMでも活動がスタート。



まずは社内に当事者のコミュニティーを立ち上げ、メンバーで集まってディスカッションをして意見をまとめて人事と相談したり電話会議を開催します。


 

「自分は場をセットしただけ」こういうことをやりたいと積極的に発言してくれる意識が高い人もいて、ひとりひとりが役割分担をしながら活動することで次第に輪が広がったそう。

 


会社として制度を作るのも早かった日本IBM2012年に、結婚祝い金を同性パートナーの人達に対しても支給することに。特別な配慮をするのではなく、全ての人にとって公平になるように既存の制度を設計変更しました。



同じ年にNPOや日本IBMなどが発起人となり「work with Pride」という企業がLGBTQについて学ぶ場を提供する活動もスタート。さらにアメリカではすでに実施されていた



企業のLGBTQに関する社内外での人事制度、啓発活動、コミュニティー支援、行動宣言、社会貢献の5つの取り組みを評価する<PRIDE指標>を取り入れます。去年は700社を超える企業からの応募が。



「自分らしく生きるための選択として、何も諦めなくていい社会にしたい」特にトランスジェンダーやレズビアンの方は就労の機会に恵まれなかったり、世帯収入が非常に少ないということも大きな問題だと川田さん。



経済産業省のトランスジェンダーの職員がトイレの使用を制限されるという問題がありましたが、トランスジェンダーの人が性別移行するに当たっては会社を辞めて別の会社に行かざるを得ないのが現実。


 

そんな中で日本IBMの中では意外とさらっとカミングアウトする若い世代が増えているとのこと。セクシュアリティーは隠すべきものという意識から、自分の特性や特徴のひとつだと言い切れる世の中になったと川田さん。



LGBTQを理解し支援するということを明確にしている人を「ally(アライ)」と呼びますが、アライがいること自体が当事者にとっては安心、安全な環境が確保されることに繋がります。 IBMでは早い段階からアライも活動に加わっていました。



LGBTQ理解増進法が成立しましたが法律が現実に追い付いていないと川田さんは指摘。差別禁止や同性婚を認める法律があることにより初めて動き出せる人がいる。そういう課題やニーズがあることは企業として伝えていきたいとのこと。



LGBTの課題を<自分事>として思えるような発信を地道に続けていくこと」大切なのは人は11人違うということをそのまま受け入れることだと川田さん。



自然な流れの中でカミングアウトが出来たという川田さんですが、ひとつだけ後悔しているのは家族にはずっとカミングアウトが出来ていなかったこと。



2年前に亡くなったお母様は実は知っていたそうです。生きている間に大切な人を母にもっと会わせたかったし



何より「自分は幸せだ」と伝えたかった。自分のような後悔を繰り返して欲しくないそんな願いも込めて川田さんは活動を続けていますクローバー

 


日本IBMの川田篤さんのインタビューが掲載されている、人権教育啓発推進センターが発行する月刊誌「アイユ」についての詳細はこちらから☞


http://www.jinken.or.jp/allyu