支配者に立ち向かえ! | 町亞聖オフィシャルブログ「As I am」Powered by Ameba

支配者に立ち向かえ!

池袋にある東京建物Brillia HALLにて日本初上演のロックミュージカル「スクール・オブ・ロック」を観劇してきました音譜



2003年に公開された映画が原作で「キャッツ」「オペラ座の怪人」などの音楽を手掛けるアンドリュー・ロイド・ウェバーが作曲・プロデュースを務め日本版の演出は鴻上尚史さん。



コロナ禍のために3年前に全公演中止になってしまった「スクール・オブ・ロック」。舞台に上がれなかった子役キャストの想いも背負って主役デューイを演じるのは柿澤勇人さんと西川貴教さん。



私が観た回は柿澤さんでしたが、夢をいつまでも追い続ける失業中のアマチュアギタリストのデューイは、ロック愛だけは誰にも負けないものの友人の脛を齧りまくりの拗らせ男子。



かつて一緒にバンドを組んでいたネッドの家に居候していますが、ネッドの恋人のパティに毎日のように罵られ、家賃を払えないなら出て行けと家を追い出されそうな最悪な状況に。



ある日、ネッドに名門のホレス・グリーン学院の臨時教師の仕事が舞い込みますが、デューイはこれはしめたとばかりにネッドになりすまして学校へ。



初っ端から二日酔いの状態で教室に現れた偽ネッド先生(デューイ)。初めから生徒達を変えてやろうと熱意を持っていた訳ではなく、厳格なルールに縛られた子供達が無気力な様子でいることに気づきます。



そして担当するクラスの生徒達のクラシックの演奏を聴いて音楽の才能を持っていることを見抜き、彼らと一緒にバンドを結成してコンテスト優勝を目指すことを閃きますひらめき電球



生徒達を仲間と呼びロックを通じて彼らと絆を強めていくプロセスが丁寧に描かれて、ひとりひとりの得意や個性をきちんと把握していったデューイ先生は



生徒達にプレイヤーだけでなく、バンドを支えるエンジニア、スタイリスト、マネージャーなどそれぞれに役割を与えていきます。



自分の話を聴いてくれない父親に悩む生徒、親の趣味を押し付けられる生徒、自分は格好よくないとコンプレックスを抱く生徒



転校したばかりで友達が作れない生徒、一言いつも多い口の達者な生徒などなど、誰もが悩みや不満を抱えていましたが、デューイと出逢ったことで次第に心が開放されていく姿が爽快です。



〈支配者に立ち向かえ〉とシャウトする生徒達の歌声に心揺さぶられましたし、しかも演奏は全てて本物で、最高のパフォーマンスを魅せてくれました。



生徒と先生という関係ではなく、ひとりの人間として自分を見てくれるデューイに、子供達が魅了されないわけはなく、偽物だったことが分かっても生徒達が名前なんて関係ないと言い切った場面にグッときました。



「例外は許しません」エリートに育てることを目標に子供達を厳しく管理する、ホレス・グリーン学院のロザリー校長を演じるのは濱田めぐみさん。



学生時代はもっと自由でしかもロックも好きだったのに。。。校長はこうあらねばと自らを律しているロザリーがデューイに本音を漏らす場面で歌う〈ロックはどこに消えたの〉



映画にはないナンバーだそうですが、濱田さんの甘く切なくしっとりとした歌声に聴き惚れました。型破りなデューイに振り回されますが最後の采配は最高にロックでした。



ちなみに西川さんバージョンも観に行く予定です。日本初上演のロックミュージカル「スクール・オブ・ロック」は池袋・東京建物Brillia HALLにて918日まで上演していますクローバー