誰かのために動く。。。 | 町亞聖オフィシャルブログ「As I am」Powered by Ameba

誰かのために動く。。。

今年で5回目となった「コエール2023〜親ありき日本をこえる〜」は親を頼れない子どもを取り巻く問題を解決するため



かつて親を頼れなかった経験を持つ若者がイルミネーターとしてそれぞれの立場でスピーチを行う啓発イベントです。



2人目のイルミネーターは現在看護師として働くしまです。シングルマザーだったしまのお母さんは朝から晩まで必死に働いてしまとお兄さんを育てていました。



一緒に暮らす母親の彼から〈しつけ〉という暴力を受けていたそう。「自分が悪いから」と当時は殴られることは当たり前だとしまは思っていました。



暴力をふるうのは母親が居ない時で、心配をかけたくないとしまは彼からの暴力のことは母親には言えずにいました。さらにしまはいつも笑っていたと言います。



何故なら彼が笑っている時は殴られなかったから。変なことをして周りを笑わせること、それが唯一自分の身を守る術だったのです。



寝ずに1日中床掃除をさせられたり字が汚いと顔面を殴られたりと、しまとお兄さんが彼から受けた虐待は過酷なものでした。



そんなしまは学校では教室を飛び出したり暴れたりする問題児だったと振り返っていましたが、まだ小学生だったしまは甘え方を知らず



自分の気持ちをどうやって相手に伝えたらいいか分からなかったのです。残念ながら学校の先生はしまがどうしてそんな行動をするのか知ろうとはしてくれませんでした。



母親が不在の時に暴力をふるう彼から何度も逃げ出したしまとお兄さん。一時保護されたしまは「母と兄と3人で暮したい」と思いを伝えましたが



母親から返ってきたのは「彼とは別れられない」という言葉。自分を選んでくれると思っていたのに裏切られてしまったしまは施設に行くことを決めます。この時まだ10歳。



「お母さんが悪いのではない」シングルマザーで必死に働いて兄妹を育ててくれたお母さんにとって、彼の存在はとても大きかったんだと思うとしま。



シングルマザーの約4割が非正規雇用で平均収入も低く、養育費を受け取れているのはわずか28%。生きるために働かざるを得ない厳しい状況に置かれています。



「子育ては自己責任」この言葉が助けを求めている母親のSOSを奪っていることに気がついていますかとしまは訴えました。



「たったひとりで子供を育てることを決めたママの覚悟を知ろうとしたことがありますか」と。。。



しまのお母さんもまだ若かった両親を頼れず、制度も誰も教えてくれないし調べ方も分からなかったと最近、教えてくれたそう。



シングルマザーの多くは頼れる人が限られている上に、人間関係を作る時間もお金もなく社会から孤立しています。



育児ネグレクトは母親もまた社会からネグレクトされているために起きているのです。「なんで助けてくれないのか」と何度も思ったとしま。死のうとした時もあったと。。。



それでもしまが誰かのために動けるのは「困っている人がいたら助けてあげなさい」とお母さんから教えられてきたから。



働くママに対して優しい職場作りが必要だと思うとしま。職場は人と関わることができ、1人で抱え込んでいるママの存在に気づける場所だからです。



気にかけてくれる人がいるだけで救われることがあります。そしてその優しさが巡り巡って家で待っている子供に届きます。



「制度だけが変わっても、意識を変えなければ世の中は変わらない」まさにしまの言う通りです。



人の温かさを受け取った人は優しくなれる。そして誰かのために動く人になる。。。



私もしまのようにこれからも行動に移していきたいです。優しさの連鎖を広げるために声を上げてくれたしまに感謝クローバー



2部は「子どもと家庭への支援」をテーマに先輩イルミネーターと3人の実践者がパネルディスカッション。また別でレポートしますメモ