悲哀を語り継ぐ。。。 | 町亞聖オフィシャルブログ「As I am」Powered by Ameba

悲哀を語り継ぐ。。。

〈思い立ったら今年は旅に出よう〜佐渡吟行④〉


佐渡吟行1日目の最後に訪れたのは日蓮聖人を信奉したと言われている〈阿仏房〉こと日得上人が自邸を寺として開いた「妙宣寺」。



日得上人は出家前の名を遠藤為盛といい、順徳上皇の配流に付き従ってきた皇室を護る武士でした。順徳帝が亡くなった後、為盛は妻と共に出家。



元々は念仏信者だった日得上人は日蓮聖人を論破しようと塚原三昧堂へ。ですが逆に妻の千日尼と共に熱心な信奉者になり、佐渡での暮らしを献身的に支えたそう。



そんな阿仏房が建てた妙宣寺の入口には江戸初期の茅葺き仁王門があり、国の重要文化財でもある県内唯一の五重塔もそびえ壮大な雰囲気です。



五重塔は宮大工である本間茂三右衛門と金蔵親子二代にわたり30年がかりで建立。ただ資金難などで未完成とのことですが見た目では分からないほど堂々した佇まいでした。



妙宣寺がある場所は佐渡で最大の城「雑太城」があった場所で、一面に芝生が広がる境内には十二間四面の大本堂や茅葺きの大屋根を持つ庫裏なども並んでいます。



また日蓮と同じように佐渡に流罪になり処刑された日野資朝の墓所もある妙宣寺。時代に運命を翻弄された人々の無念や悲哀を語り継ぐ妙宣寺にて一句。


〈老鶯や 流人の悲しみ 語り継ぐ〉



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