初めて極まる | 町亞聖オフィシャルブログ「As I am」Powered by Ameba

初めて極まる

〈思い立ったら今年は旅に出よう〜佐渡吟行②〉



車窓から山に連なる野趣あふれる藤を眺めながら黒木御所跡の次に向かったのは、日蓮聖人が赦免されるまでを過ごした妙照寺。



ここは佐渡に残る日蓮聖人の霊跡の中でも唯一草庵があった場所で、法華経を広めるための「観心本尊抄」を記した地として有名です。



実は2年前に放火により本堂などが消失したとニュースになっていて今はどうなっているのかと思っていましたが



茅葺き屋根の本堂などは跡形もなく更地となり無人になっていました。日蓮聖人が初めて書き顕した本尊「法華曼荼羅」の石碑だけが残されていました。



妙照寺のある場所は「一谷(いちのさわ)」と呼ばれていますが、名付けたのは聖人本人で「初めて極まる」という意味が。



今回は立ち寄りませんでしたが、妙照寺以外にも日蓮聖人着岸の地と伝わる松ヶ崎には、穴の中で夜露を凌いだという「おけやき」と呼ばれる欅の大木や



ひとり放置された「塚原」という死人を捨てる寂しい場所にあった一間しかない三昧堂がある根本寺などもあります。



風葬地の朽ち果てそうなあばら家で日蓮聖人は飢えや寒さに耐えながら代表作「開目抄」を書き上げたと言われています。



雲の切れ間からのぞく青空がとても綺麗だった妙照寺跡に佇んで一句。


〈日蓮の 祈りの塔に 九輪草〉



思い立ったら今年は旅に出よう〜佐渡吟行③に続きます🍀