苦は色かえて。。。 | 町亞聖オフィシャルブログ「As I am」Powered by Ameba

苦は色かえて。。。

思い立ったら今年は旅に出よう〜佐渡吟行①〉



中尾ミエさんに誘われて始めた俳句メモGW明けのタイミングで佐渡に行ってきました。またまた晴れ女のパワーを発揮し1日目の途中から雨が上がり2日目は晴天に恵まれましたキラキラ



奈良時代に流刑地に定められた佐渡。今から800年あまり前に承久の乱で敗れた順徳上皇、鎌倉幕府や他教を批判した日蓮聖人



600年前には時の将軍の怒りを買った能楽の大成者である世阿弥など政争に敗れるなどした貴族や知識人が流されてきた島。



また「今昔物語集」にも記録があるそうですが昔から金が採れる島として知られていて、江戸時代に徳川家康が佐渡を天領と定め、金銀山開発を進めたことでも知られています。



まず訪れたのは1221年に佐渡に流された順徳上皇が、帰京の願い叶わず46歳で崩御されるまでの、約20年という月日を過ごした住居跡〈黒木御所跡〉



黒木は丸太などで造営された粗末な建物を意味しているとのこと。御所跡内にはここを訪れた斎藤茂吉や与謝野鉄幹らが順徳上皇の哀しみや憤りを詠んだ歌碑もありました。



今の姿になったのは明治44年以後で当時はわずか7坪しかなかったそう。黒木御所に移られる前に過ごしたと言われる恋ケ浦や真野山での暮らしについて



「波の音 聞くが辛さに山ごもり 苦は色かえて松風の音」と波や風の音が苦痛に思えると詠んでいて、どこへ行っても身の置きどころのない寂しさを嘆いていたことが伝わってきます。



地元の人によると手入れをしていた方が亡くなったとのこと。苔や青紅葉が青々と茂る中に数輪の真っ赤な椿。。。その荒んだ様子で二句。



〈朽ち果てた 主なき御所 樹雨落つ〉


〈青時雨 吹き荒ぶ風 黒木御所〉






樹雨は"きさめ"と読みます。下の句は「椿落つ」でも良いかもと思いつつ、『思い立ったら今年は旅に出よう〜佐渡吟行編』はまだまだ続きます🍀