心をしなやかに。。。 | 町亞聖オフィシャルブログ「As I am」Powered by Ameba

心をしなやかに。。。

帝京平成大学薬学部の6年生のみなさんを対象にした医薬特別講義で〈ヤングケアラー〉のお話をさせていただきましたメモ



沢山の感想レポートを寄せてもらいましたが、当事者の話を聴くのは初めてで多くの学生さんにとっては身近な存在ではなかったことが伝わってきましたが



「実は自分も親の代わりをしていてヤングケアラーだったんだと改めて気づいた」と自身の体験を綴ってくれた学生もいました。



地域包括ケアの時代そして治らない病気と向き合う人が増える超高齢社会では、これまで以上に薬のスペシャリストである薬剤師の役割は重要になってきます。



さらに在宅の現場で働く薬剤師さんはもしかしたら祖父母を親の代わりにケアするヤングケアラーに出会うかもしれません。



また病院の薬剤師さんは私達きょうだいのように病気などで入院している親を心配して待合室で不安そうに過ごす子供に出会うかもしれません。



そんな時に何が出来るのかを想像して欲しいという私の投げかけに学生のみなさんは真摯に向き合ってくれました。



交番や病院よりも数が増えている薬局。そんな身近にある薬局を在宅医療にプラスしてヤングケアラーの相談場所にしていくことや



勉強を積んできている薬剤師が精神的なケアだけでなく学習面でのサポートも出来るというアイディアを提案してくれた学生もいました。



在宅の実習で実際に家族の世話をしている小学生に出会ったという学生もいて、これから薬剤師として働く中で再びヤングケアラーの存在に気づいた時は



自分が相談役となり必要な支援に繋げると共に、その子の人生を支えるためにもこれからもこの問題について考え続けたいと思ってくれた学生もいました。



また介護そのものの手伝いだけでなく、介護者が夢を追える環境を整えることも意識すると幅広いサポートに繋がると感じたなど、ヤングケアラーだけでなく全てのケアラー支援に繋がる気づきをしてくれていました。



私たちが気付かないだけで、身近で誰かがSOSを密かに発信しているかもしれないということに気づくことができたので



今生きている何気ない日常や環境から得られる情報に目を向け、受け身ではなく自分から情報に気づけるように心がけたいと思ったや



「この人になら話しても良いと思ってもらえるような薬剤師になりたい」と書いてくれた学生が沢山いて頼もしい限りです。




私が優秀で特別だったから出来たという感想もありましたが、当時私はまだ18歳のただの高校生でスーパーマンでもなく、決して強い人間ではありませんでした。



沢山、悔しい思いもしましたし、沢山、涙を流してきました。優秀でも特別でもなく強くならざるを得なかっただけ。。。



〈伝える〉ことはやはり難しいと痛感しましたが私に向けた厳しい言葉から、この学生さんも何か親との間に確執や問題を抱えている当事者のひとりなのではと感じました。



当事者が自分の体験を語ることは、同時に辛い思い出もフラッシュバックさせることになるため、実は優しい作業ではありません。。。



それでも伝え続けていく役割が自分にはあると信じて、鋭く尖った言葉も受け止められるように心をしなやかに保っていきたいと思いますクローバー



声をかけてくれたALSの会の活動で長年ご一緒させていただいている井手口先生とこの特別講義を担当している小原先生と記念写真。ありがとうございました音譜