無駄は無駄でいい。。。 | 町亞聖オフィシャルブログ「As I am」Powered by Ameba

無駄は無駄でいい。。。

番組スタートから10音譜毎週日曜あさ625分からオンエアのニッポン放送「ひだまりハウス〜うつ病と認知症について語ろう」



先週に続き今週のゲストは「ルネッサ〜〜ンス」のフレーズで大ブレイクしたお笑いコンビ「髭男爵」の山田ルイ53世さん。



中学2年の時に学校に行けなくなってしまった山田少年。小さな頃から優秀で良い子に思われたいという気持ちがエネルギーになっていたことが逆に自分を追い詰めることに。



昼夜逆転の生活になった山田少年ですが自分以外の人達のことは気になっていて、雨戸を細く開けて望遠鏡で外を見ることは世界との最後の繋がりでやめられなかったそう。



息子が引きこもっていることの影響は家族にも及ばないわけはなく、趣味を辞めざるを得なくなるなどお母さんの精神的なダメージは特に大きく



そこに追い討ちをかけるようになんと父親の浮気が発覚。山田少年は転勤を命じられた父と共に瀬戸内海の島で2人で暮らすことになりました。



そんな山田少年が立ち直るきっかけになったのは成人式のニュースを観たことでした。何だかんだ言ってもそれまでは取り戻せると思っていましたが



このままでは社会に戻れなくなるという焦りと恐怖が山田少年を突き動かし、猛勉強をして大検を受けてセンター試験に挑戦し愛媛大学に無事に合格。



6年にわたる引きこもり生活に終止符を打った山田くん。元々東大に行けると言われていた神童のプライドの残り火は消えておらず「俺すごいんちゃうの」と思ったそう。



「人間の自尊心はアスファルトに咲くタンポポのように逞しくて淺ましい」と山田さんは言っていましたが、その前向きさをもう少し早く発揮出来なかったのかときっと自分が1番思っているはず。



大学で出会った友達がきっかけでお笑いを始めることになった山田くん。数ヶ月前まで引きこもっていた自分が人前で漫才をやるという急展開。



短大の文化祭で大ウケし恐れ知らずのノリで吉本の全国イベントの予選に。ただし簡単に上手くいくわけはなく、どすべりした相方はお笑いの道を断念。



「人生を軽く扱うことは出来ず、それなりに人は真面目に積み重ねてきた上に生きている」と悟ったそう。そして人生が余ってしまったと考えている自分とは違うことも。



些細な衝動で重大な決断が出来るほど自分にとって人生は軽く、全てをいい加減にしていた山田くんは大学生になっても社会に順応できていなかったのです。



絶対に芸人で成功してやるという気持ちではなく選択肢がないギリギリの中で、人生をリセットするために「もう芸人になるしかない」と上京を決意。



実は卒業が危なかったそうで親から振り込まれた学費を持ち逃げする形でまるで失踪するように東京へ。もちろん親には内緒でした。



吉本のNSC養成所に入りましたがお金と気力が尽きてしまい、卒業公演を前に辞めることになり、ここでも再び社会に入って行けなかったと山田さん。



その後、髭男爵の相方の樋口さんに出会い「ルネッサ〜〜ンス」で大ブレイクしたのはみなさんもご存知の通り。



10代の頃から人生が余っていたと感じていた山田さんですが娘が生まれて時間が足りないと思えるようになったそう。



そして娘には髭男爵であることを知られないように痕跡を消していましたが、パパが出掛けると家にあるシルクハットが減るから分かっていたとのこと。



「嘘ついたらあかん」と娘に言っても全く説得力がなく、パパは10年嘘ついてたじゃんと言い返されてしまうとのこと。



実は今もあまり社交的ではないという山田さん。コロナの自粛期間は人に会わないで良いからホッとしたそうです。



「引きこもりの時間があったから山田さんの今があるんですよね」と言われることに山田さんは違和感があるそう。自分にとって引きこもっていた6年間はやはり完全に無だったと正直に。



ただ〈無駄は無駄でも良い〉とも語っていて、失敗や無駄に塗れた日々を過ごす人間がただ生きているだけでも責められない社会になればと山田さん。



こうしたら引きこもりから脱げ出せるという処方箋は持っていないけれど、気持ちは痛いほど分かると語る髭男爵のルイ53世さんのインタビューぜひお聴きいただければと思います。先週のオンエアはこちらから☞


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