血管と共に老いる | 町亞聖オフィシャルブログ「As I am」Powered by Ameba

血管と共に老いる

週末は第31回日本医学会総会が主催する『人生100年時代に知っておきたい「心臓」の話』と題した市民公開講座のお手伝いでしたひらめき電球



講師の心不全治療のスペシャリスト新潟大学大学院循環器内科学の猪又孝元先生がまず心不全について解説。



「古くなったパンツのゴムのように筋肉が伸び切って収縮しづらくなりポンプの働きが悪くなった状態」が心不全で



急に悪くなるのではなく不整脈、高血圧、心筋梗塞、弁膜症などが原因となり10年から20年と時間をかけて徐々に心臓の機能が低下して心不全に至るとのこと。



心不全の症状にはむくみ、体重増加、息切れがありますが、横になっているよりも身体を起こした方が楽という方や寝ている間に苦しくなって体を起こさないと眠れない場合は要注意。



また、かなり進んだ状態だと立った時に頸部の皮膚が揺れるように。これは血流が滞り頸部にある静脈が腫れるために起こるもので診断の重要な目安になります。

 


そんな心不全の原因となる心筋梗塞を50歳の時に発症したブラザートムさん。1ヶ月ほど前から歯が痛かったり、肩が異常に凝ったり、腕が上がらないなどの前兆があったそう。



痛みに襲われるのが不安で痛み止めを飲んでいましたが、量が次第に増えて116錠も服用していたとトムさん。



それから半年が経ち朝方コンビニに行き買い物をしていたところ手にしていた袋を持っていられないほどの激しい痛みに襲われます。今まで感じたことのない痛みで自分はもうダメだと思ったそう。



当時かなり不摂生な生活をしていたトムさん。お酒やタバコも控えるようになりましたし、食生活も歳を重ねて自然と健康的になってきたと話していました。



実はトムさんとお会いしたのは20年以上前で私がまだ女子アナだった頃。トムさんからは「町、真面目なことが出来るようになったな」と褒めてもらいましたウシシ



17年経った今も通院しているそうですが、心臓の筋肉は再生しないので心不全になった場合は、心臓の働きの低下を最小限に抑えるなど心臓を守る必要があります。



「人は血管と共に老いる」と言われていますので高血圧や動脈硬化にならないように、血管を出来るだけ健康な状態に保つことが重要だと猪又先生。



そのために必要な食事や運動についてレクチャーしてくれたのは東京大学医学部附属病院リハビリテーション部主任で理学療法士の天尾理恵先生です。



天尾先生は2021年に新設された〈心不全療養指導士〉の資格を持っています。心不全の悪化を防ぐために生活の質の改善をサポートするチーム医療の要となる資格です。



心臓が悪いというと病院に行けば良いと思いがちですが、心不全は入院を繰り返すたびに悪化していきます。最近は心不全の勉強をしている在宅医も増えていると猪又先生。



暮らしの場である地域全体で医師だけではなく天尾先生のように心不全に詳しい多職種が連携して患者を診ていく医療やリハビリの体制が必要になってくると感じました。



カテーテルの緊急手術を受けた時にもギャグを忘れないトムさんに「そういうのやらなくて良いですから」と看護師さんは苦笑い。実は笑っていられるような状況ではなかったそう。


励みになったのはベッドサイドにいた2人の息子さんが手を握ってくれたこと。「生きなきゃ」と思ったそうです。



超高齢社会を迎えている日本では心不全の患者さんが急増していて患者数は約120万人、2030 年には130 万人に達すると推計されていて「心不全パンデミック」とも呼ばれ専門家は警鐘を鳴らしています。


人生100年時代、誰がなってもおかしくない心不全。大事なのは自分の身体や病気について〈知ること〉そして予防のために必要なことを〈続けること〉



トムさんに出来たんだからきっとみなさんも出来るはず!?私も好きなお味噌汁のお代わりをきょうから減らしたいと思います。みなさんも出来ることから始めてみて下さいキラキラ



トムさんのおかげで明るい雰囲気の市民公開講座になりました。またご一緒できたら嬉しいです音譜