人生が余ってしまった。。。
毎週日曜あさ6時25分からオンエアのニッポン放送「ひだまりハウス〜うつ病と認知症について語ろう」
今週と来週のゲストは「ルネッサ〜〜ンス」のフレーズで大ブレイクしたお笑いコンビ「髭男爵」の山田ルイ53世さん。
山田さんは中学2年から学校に行けなくなり、それから20歳になるまでの6年間〈引きこもり〉を経験しています。
小学生の頃は成績優秀でスポーツも万能、6年の時には児童会長に選ばれるなど学校では知らない人はいない超有名な存在でまさに〈神童〉
そんな山田少年は中学受験の勉強をしている同級生に触発されて遅ればせながら小学6年の夏から受験に挑戦。理由は不純で友達が格好良くみえたから
両親には家計の心配をして言えなかったけれど実は受験したかったと"ずっと思ってた"系を装い人生で初めておねだりしたという山田少年。
見事、地元の名門中学校に合格。勉強を見ていてくれた塾の先生が教え子の山田くんが合格したと近所にビラを巻いたというエピソードも
山田少年の優越感をくすぐり、自分は特別な人間だと思ってしまったこの〈神童感〉がのちの失敗の根源になってしまったと山田さんは振り返ります。
入学後も常に勉強は10番以内に入るなど順調だった中学生活。ただ自宅から学校まで電車で2時間かかり、何がなんでも座りたいと殺気立つ大人に混じり毎朝満員電車で通っていたこともストレスに。
ある日、そんな山田少年をハプニングが襲います。学校に向かう身体が斜めになるほどの坂道を歩いている途中でお腹の調子が悪くなってしまいトイレに駆け込むも間に合わず。
「ポイント・オブ・ノーリターン」と今だからこそユーモアたっぷりに表現していましたが、下着やズボンを自分で洗って事なきを得たと思っていたら授業中にウンチの臭いが。。。
選ばれた人間である優秀な山田少年に粗相は絶対に許されず、ピエロを演じることも出来ずに何も言わずに学校を早退します。ただこの出来事の後も夏休みになるまではちゃんと学校に通っていたそう。
この話には後日談があり大人になって同級生に告白すると、なんとみんな気づいていなかったことが判明ですが山田少年にとってこれが引き金となり夏休み明けから学校に行けなくなってしまいます。
それまでとても聞き分けも良く優秀だった我が子がいきなり登校拒否になり両親が戸惑わないわけがなく。ベッドから出てこない息子にドロップキックをかましてきた父親。
実は夏休み中に前兆はあったと山田さん。夏休みの宿題を始める前のルーティンに異常にこだわるようになっていたそうで
とりあえず身の回りのあらゆるものを綺麗に掃除し整頓。次に自分自身の身体についたホコリなども取り除きクリーンルームのようにしないと気が済まず
さらには折れたシャープペンの芯を見つけるまで勉強が始められないという状態で、完全に病んでいたと当時を振り返っていました。
夏休みの宿題が終わったら学校に行くと言いながら、1日1日が過ぎていくごとにハードルが上がっていきました。両親もしばらく見守る体制に変わっていき引きこもり生活がスタート。。。
「引きこもっている最中の人間のメンタルは知覚過敏の歯と同じ」と山田さん。昼夜逆転の生活になりますが、窓の外から聞こえてくる学校のチャイムの音や小中学生の声など色々なものが〈滲みる〉状態。
たまにジョギングもしますがポジティブ世界に生きる人の活気や順調を感じると自己嫌悪に苛まれる日々。
一方で世界が停止する夜は最高で、自分と同じように頑張っていない人がいると思うと気持ちが落ち着いたそう。
元々はスポーツも出来て日に焼けて引き締まっていた山田少年。色は白くなり太ってしまって服のサイズが合わなくなり家の中でパンツ一枚で過ごすように。
時々、屋根の上で日光浴をしていたところを近所の人に見られて回覧板で注意されてしまったことも。変化のギャップがあまりにも大きく周りの人も驚いたに違いなく。
「本当の自分はこんなんじゃない。これは世をしのぶ仮の姿だ」と思い込むことで正気を保たなければ死んでいたかもと著書に綴っている山田さん。
「人生が大分余ってしまった。。。」10代で立ち止まってしまった山田少年がどうやって引きこもりから立ち直ったのかについてはまた来週詳しく伺います。
6年間の引きこもり生活からお笑い芸人になるという逆転の人生を綴ったルイ山田53世の著書「ヒキコモリ漂流記[完全版]」(角川文庫)もぜひ読んでいただきたいです。
ニッポン放送「ひだまりハウス」髭男爵のルイ53世さんのインタビューはまもなくこちらから聴くことが出来るようになります☞
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