今日が平和で何よりだ。。。 | 町亞聖オフィシャルブログ「As I am」Powered by Ameba

今日が平和で何よりだ。。。

「あーちゃんこれすごく面白いよ」と姪っ子が小学生の時からお勧めされていた漫画「SPY×FAMILY」がミュージカルになりました音譜


札幌の雪まつりでも雪像が作られるくらい人気のスパイアクション&ホームコメディで、もちろんちゃんと予習をして姪っ子と観劇してきましたキラキラ



「SPY×FAMILY」は男はスパイ、少女は超能力者、女は殺し屋という3人がお互いの秘密を隠したまま仮初めの家族になるという物語。



世界各国が水面下で熾烈な情報戦を繰り広げていた東西冷戦時代が舞台ですが、新たな冷戦や実際の戦争が今もなお続いている現実を思うと昔の話とは思えません。。。


シリアスとコメディのバランスが絶妙で、キャラクターがそれぞれ決まって口にするセリフは思わず日常で使いたくなるのも人気の理由のひとつ。


隣り合う東国〈オスタニア〉と西国〈ウェスタリス〉は十数年間にわたり表面上は平和が保たれていますが



高い諜報能力を駆使して幾度も東西間の危機を回避させてきたのが西国の凄腕スパイであるコードネーム〈黄昏〉。



仮初めの名ロイド・フォージャー役をWキャストで務めるのは森崎ウィンさんと鈴木拡樹さん。私が観た回は鈴木さんでしたが常に冷静沈着で完璧を装いながらも



予測不能な娘アーニャに振り回されたり、かりそめの妻ヨルにも紳士で優しく接する姿に胸キュン(古い!?)でした。



そんな黄昏が命じられた極秘任務は東西平和を脅かす危険人物、東国の国家統一党総ドノバン・デズモンドの動向を探ること。オペレーションの名は〈梟(ストリクス)〉。



1週間以内に家族を作ってデズモンドの息子が通う名門校の懇親会に潜入しデズモンドに接触せよという難題ですが



精神科医に扮したロイドが娘に選んだのは孤児院にいたアーニャ。実は人の心を読むことができる超能力者アーニャの再現度が素晴らしく、スパイドラマが大好きで偽物の父がスパイであることを見抜き



危ない状況に巻き込まれても常に「ワクワク」と目をキラキラさせ、良い人を装うロイドに対して心の中で「チチ嘘つき」と呟く彼女についつい笑いを誘われます。



また貧しい家庭で育った仮初めの妻ヨルは、親代わりになって育てた弟のために殺し屋という裏の顔を持っていますが、そんな哀しい生い立ちを感じさせない天然キャラで



それぞれお互いの正体を隠しながら暮らしていて日常はおかしなことだらけで、大事件に巻き込まれても見かけによらない強さを発揮し夫と娘のピンチを救います。



度々、襲いかかる敵や難問に立ち向かいながらも、とにかく〈普通の家族〉を装うために全力を尽くす3人に世界の平和は託されたという壮大なストーリー。



ロイドが所属する組織の上司である管理官(ハンドラー)のシルヴィアを元宝塚トップスターの朝夏まなとさん。ロイドと接触する時の合言葉は「こんにちはあるいはこんばんは」は癖になります。



舞台では出てきませんが過去にアーニャと同じくらいの娘がいたことを、仮の子育てに悪戦苦闘するロイドに告白するシーンがあり



彼女もまた戦争の犠牲者であることが分かります。〈鋼鉄の淑女(フルメタレディ)〉のコードネームを持つシルヴィアが呟く「今日が平和で何よりだ」は心に刺さる一言です。



姉を心から慕っている弟のユーリ・ブライアも身分を偽っていて実はロイドの敵。ではありますがロイドの正体には全く気づいておらず



姉のヨルからそのロイドと結婚していたと報告を受ける場面は、本当にリアルに再現されていて客席は大爆笑でした。



そしてデズモンドの息子が通う名門校のハウスマスターのヘンリー・ヘンダーソン先生は見た目は悪役みたいですが舞台の中で唯一偽りのない人物。



全ての規範は「エレガント」であること。偽りの家族であるフォージャー一家と腹の探り合いをしながらも、曇りのない目で人を見るヘンダーソン先生は物語の良心的存在です。



漫画の連載も継続中で今回ミュージカル化されたのは始まったばかりのミッション〈梟(ストリクス)〉の序章。まだまだ続きが楽しみな「SPY×FAMILY」は東京は帝国劇場にて今月29日まで上演していますクローバー