もどかしさを抱きしめて。。。 | 町亞聖オフィシャルブログ「As I am」Powered by Ameba

もどかしさを抱きしめて。。。

平成に元号が変わって3年目の1991年。フジテレビの月9枠で放送されたドラマ「東京ラブストーリー」なんと最終回の視聴率は32.3ビックリマーク社会現象となりました。


原作者は〈恋愛の神様〉と呼ばれた漫画家の柴門ふみさん。当時、母の介護の真っ只中にいた私にはバブルもトレンディも手の届かない別世界での出来事。



パートナーは居ましたが18歳から家族のご飯作りに追われていて常に自分のことは後回しだった私には〈恋愛〉に振り回されるドラマの登場人物達がただただ羨ましかった。



同世代とはまるで違う青春時代を送った個人的な経験も相まって記憶に深く刻まれている「東京ラブストーリー」が日本初のオリジナルミュージカルになりましたひらめき電球



カンチを演じるのは柿澤勇人さん。柿澤さんが2009年に劇場四季で「春のめざめ」で主演を演じた時から観ていますが何処にでもいるスーツ姿のサラリーマン役もしっくり。



誰にでも優しいんだけれどもその優しさで傷つく人がいることを分かっていない相変わらず優柔不断なカンチを柿澤さんが等身大で演じていました。



そして「ねぇセックスしよ」の台詞は最も象徴的で当時は自分の意思をはっきり表明する新しい女性像と言われていたリカ役を笹本玲奈さん。



女性がバリバリ働き自己主張することが当たり前になっていく時代を共に歩いた世代としてはようやく時代がリカに追いついたなとしみじみ。



ただ「ありのままに生きて良い」と言われる現代でも本当に全ての人が自分らしく居られているかというとそうではないのが現実。。。



一見、思う通りに生きているようでとても繊細なリカを笹本さんが好演。時代は変われど一筋縄ではいかない恋愛のもどかしさを1番体現しているのがリカだなと改めて痛感。



カンチの親友で女性には不自由したことがないモテ男の三上役は廣瀬友祐さん。背も高く声が素敵で屈折した想いや寂しさを抱える影のある演技が良かったです。



そして清楚で控えめで学生時代はみんなの憧れだったさとみ役を夢咲ねねさんが。全く私とは違うタイプなのでドラマを観ていた時もさとみみたいな女性の方が実は芯が強くて



言葉には出さずとも時に涙を流して男性を惹きつけ自分の想いや主張をいつのまにか通しているんだよなと思っていましたがやっぱり令和版もずるかったおーっ!あせる



ジェイソン・ハウランドさんの楽曲も素晴らしく東京という都会で〈自分探し〉をする若者の希望や不安、求め合いながらすれ違う4人の心模様などを丁寧に表現。



人を好きになると些細なことで嬉しくなったり悲しくなったりジェットコースターのような毎日で本当に目まぐるしくて自分自身でも持て余す〈もどかしさ〉



携帯がない高校時代に何時間も駅で待ちぼうけをしていた私が懐かしい。メールやLINEなどですぐに連絡がつき人を待つ時間の過ごし方が大きく変化している今でも〈すれ違う〉人の心。。。



久しく心乱されていませんが幾つになってもやっぱり誰かを想うことは悪くないと思わせてくれる「東京ラブストーリー」は池袋・東京建物 Brillia HALLにて今月18日まで上演中です音譜