綺麗事だけではない。。。 | 町亞聖オフィシャルブログ「As I am」Powered by Ameba

綺麗事だけではない。。。

東京公演を終え現在地方で上演中のミュージカル「ジャージー・ボーイズ」私は日生劇場にて先月観劇してきましたキラキラ音譜



1960年代のアメリカ音楽界を席巻したポップスグループ〈ザ・フォー・シーズンズ〉が歩んだ軌跡とメンバーのそれぞれの人生の光と影を数々の大ヒットナンバーを織り混ぜながら描いた物語。



日本での初演は2016年。2020年は帝国劇場で上演される予定でしたがコロナ禍の影響によりコンサートバージョンになり今年は待望のミュージカルの幕が開きましたビックリマーク



〈天使の歌声〉と称されるフランキー・ヴァリ役をこれまでは中川晃教さんが初演からたった1人で演じ続けてきましたが今回新たに花村想太さんが加わりました。



この役を演じるには「トワング」という特殊な歌唱法を習得しなければならないなど厳しい条件が課せられており世界的にも演じられる俳優はごくわずかだそうおーっ!あせる



「探していたもうひとりのフランキー・ヴァリに出会えた」とインタビューで語っていた中川さん。ラッキーなことに中川さんと花村さんのアフタートークがある回で



今まで物凄いプレッシャーを感じていたという中川さんはこの作品を長く続けていくためにも2人でフランキーを演じるのは心強く共に頑張ってやれる仲間を得たと話していました。



花村さんの抜擢でヴァリ役がWキャストになったことに伴い舞台はチームBLACKとチームGREEN2チームで今回は上演されることに。



どちらも観たいところですが歌舞伎好きの私にとっては大好きな尾上右近くんがフランキーの兄貴的存在のトミー・デヴィート役を演じるチームGREENを見逃すわけにはいきません。



物語はグループ名にちなんで移りゆく季節に激動の人生を重ねながら春・夏・秋・冬という構成でメンバー4人が代わる代わる語り部を務めまず最初にストリーテラーを務めたのが右近くんラブラブ

 


お金にだらしなく犯罪にも平気で手を染めるはみ出し者ですがまだ若きフランクの才能を見い出し開花させようとしたトミーを表情豊かに熱演しました。



初ミュージカルとは思えないほど堂々とした演技でしたしとにかく声が良い。しかも歌舞伎役者と清元の浄瑠璃方という二足の草鞋を履いてますので和と洋の違いを超えて歌詞に込められた想いも伝わってくる歌唱力にも感動クローバー



フレッシュなチームGREENでフランクの歌声に惚れ込んだメロディーメーカーのボブ・ゴーディオ役をスマートに演じたのは今回が初参加となる有澤樟太郎さん。



多くは語らないけれど型破りなトミーを我慢強く見守っていて実はチームの重しになっていたニック・マッシ役をspiさんが豪快に。



大小様々な大きさのテレビモニターが舞台の左右に積木のように重ねられていて劇中の中のテレビ番組で歌う彼らがリアルタイムで映し出されたり



開幕前には舞台中央に据えられたカメラが客席に向けられスクリーンには観客のワクワクした顔が流れていてこれから始まる彼らの物語のワンシーンに参加するような粋な演出。



フランクの天使の歌声、フランクを見い出したトミー、名曲を生み出したボブ、素晴らしいハーモニー、音楽を愛する心のどのピースが欠けてもザ・フォー・シーズンズは誕生しなかったはず。



そして「自分達をトップに押し上げたのは一般大衆だった」というボブの台詞にあるように何より彼らの歌声に熱狂したファンがいたからこその奇跡。



Sherry」や「君の瞳に恋してる」など誰もがよく知る全米No.1の楽曲を次々と世に送り出し富も名声も手にしたはずのザ・フォー・シーズンズ。その輝かしい活躍や成功の裏にあった葛藤や挫折。。。



まだ完成されていない新生チームGREENだからこそ綺麗事だけではない人生を生きた4人の男達の誕生の奇跡と軌跡を現在進行形で見ているような感覚にさせてくれましたクローバー