ありのままを受け入れる
再々演に関して大好きな作品だけれど三浦さん抜きに出来るのかなという気持ちもあり大きな戸惑いもあったと語っていたチャーリー役を初演から演じている小池徹平さん。
ですがこんな風に三浦さんは言っていたそう。『「キンキーブーツ」をこの先も日本でいろんな人が演じていったら嬉しいよね』と。。。
この素敵な作品はずっと受け継がれていくべきという三浦さんの想いを胸に再び「キンキブーツ」の舞台に立つことを決めたそう。
小池さんの初舞台の宮本亞門さん演出の「メリリー・ウィー・ロール・アロング」を2013年に観ていますがもう9年も前なんて
36歳になり座長としての責任を背負い臨んだ今回の舞台では大人としての成長が舞台上のチャーリーの変化に重なり演技に厚みが増しているように感じました。
〈圧倒的で完成したローラ〉だった三浦さんの後を引き継ぐプレッシャーは想像を絶するものなのは明らか。誰が演じるにしても厳しい試練になるだろうとインタビューで話していたのは城田優さん。
正直よく決断したと思いますが三浦さんが情熱を注いだこの素晴らしいミュージカルの日本での上演を途絶えさせないという覚悟を感じさせる城田ローラ。
別の舞台を観た時のアフタートークでこんなに沢山の大型ミュージカルの舞台に立っているのに実はいつもすごく緊張していると話していてとても意外でした。
頭2つ分ぐらい小池さんよりビッグで逞しく桁違いのスケールの存在感と美しさにも関わらず傷つきやすい少年のようなガラスのハートを持つ繊細さも伝わってくるローラだったと思います。
「ありのままの他人を受け入れる」人は違って良いんです。同じ人間はいませんのでお互いの違いを認め合うことが大切というメッセージが
ローラと出逢ったことで変わってゆくチャーリー、ソニンさん演じるローレン、勝矢さん演じるドンなどから痛いほど伝わってきました。
低音も高音も伸びやかな歌声がとても美しい城田さん。ありのまま生きたいという自分を拒絶した父親の前で白いドレスで歌う「Hold Me in Your Heart」は心が震えました。
あまりにも背が高いので上半身に少し不安定さを感じましたが改めて生で舞台を観てあんなピンヒールでダンスするのは至難の業だと思いました
ローラと7人のエンジェルスが履いている個性豊かでどれも素敵なデザインの大胆なキンキブーツ一度履いてみたいけれど真っ直ぐ立てる自信がありません
演じ終わった後に城田さんが天を仰ぎ見る仕草をしたのが印象的でした。まるで「観てるか」と語りかけているようだなと勝手に想像してしまいました。。。
世界初演から10年となる「キンキブーツ」のローラは実はドラァグクイーンである以外のキャラクター設定は演じる俳優の個性に合わせて自由なんだそう。
〈自分が変われば世界も変わる〉あるがままの自分と他人を受け入れ変化を恐れずに1歩を踏み出し愛を輝かせるローラにまた逢えますように。。。
ブロードウェイミュージカル「キンキブーツ」は渋谷にある東急シアターオーブにて11月3日まで上演しています