剣を突きつけられても。。。
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中国での公演が予定されていましたがコロナ禍のため中止に。ケンシロウを演じる主演の大貫勇輔さんはいつか必ず中国など世界各地で上演したいと話していました。
そんな大貫さんは初演でも鍛え上げた肉体によるしなやかで魂のこもったダンスで唯一無二の北斗神拳を表現してくれましたが今回の〈覚醒の舞〉はさらに磨きがかかり圧巻でした
哀しい宿命と愛を背負った登場人物達がそれぞれの正義のためにそして大切な人のために闘いながら成長していく物語「フィスト・オブ・ノーススター」
宝塚や舞台「DEATH NOTE」を手掛けているフランク・ワイルドホーンさんが紡ぐ素晴らしい楽曲を中心に感想を綴りたいと思います
〈大切なものは自分自身の手で守れ。暴力の前に優しさと愛を手放すな〉悪魔に従えば人ではなくなるということ、哀しみを力に変えつつも憎しみに支配されない強さを持つこと
そして希望さえ心の中にあれば人は何度でも立ち上がることができると歌い上げる「心の翼」は歌詞を覚えてしまいました
世紀末の覇者ラオウを演じるのは前回に続き福井晶一さん。ケンシロウの情けや弱さを頭から否定し恐怖により人々を捻じ伏せようとしますが実は誰よりも恐怖や愛を恐れています。
生きるために共に修行した弟トキが恐怖の支配には真の安らぎはないと歌い上げる「願いを託して」の〈昔のあなたのままで生きられる世界...〉というフレーズにグッときました。
戦わなければ命はないという乱世に生を受けた者の非情な宿命を背負ったラオウの覚悟が伝わる「揺るぎなき信念」頂点を極めても心から祝福してくれる人が居ない孤独が哀しくて切ない。。。
「剣を突きつけられても抱きしめることを選ぶ人」ユリアをこう表現する平原綾香さん。全ての男達の慈母としてどこまでも広い心と優しさを持つユリアが歌う「氷と炎」
〈数えきれない哀しみが癒されずに泣いている...〉暴力の嵐が吹き荒れている世紀末の時代に深い愛で憎しみをも包むユリア。自らの役割を見出だそうとする強さが伝わる楽曲です。
〈死ぬのは怖くない。でもこのままずっと1人で生きるのは怖い...〉と歌う戦争のため孤児になり1人で生き抜こうとしているバット。
ロシアによる侵略戦争が続き同じ苦しみを背負わされる子供達がいるという現実から目を逸らしてはいけないと強く感じます。
〈願いは必ず時を超えていく。平和が来ると信じている。それこそ最後の真実...〉家族も夢も笑顔も、そして尊厳さえ奪われたリンが歌う「最後の真実」
強い魂で結ばれた信じられる仲間に出逢うことでもう一度生きようと前を向くバットとリンが成長していく姿は未来への希望に
哀しみ、愛、希望など大切な人を想う魂の叫びが詰まったワイルドホーンさんの楽曲はぜひ劇場で聴いて欲しいです。
実写化は難しいと思われた「北斗の拳」の世界初のオリジナルミュージカル「フィスト・オブ・ノーススター」再々演が必ずありますのでその時はどうぞお見逃しなく